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関東の縄文  作者: 熊さん
第一章:ケヤキの民
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行田の集落へ帰還

行田の集落へ帰還



ようやくイノシシを倒した。


足を縛りあげ、4人がかりで担ぎ上げた。


中継小屋に着いた時には、日が暮れていた。


よしおは、仲間の男達が、イノシシを棒に吊るしている間に、焚き火の用意をして、明かりを灯した。


小屋に置いてあった、鍋を掴んで、川の水を鍋に入れて、シカの臓物を切って、薬草を入れて、鍋を作り始めた。


ひと通り鍋に具材が入り次第、焚き火の周りに座り、一息ついた。


「お疲れ様、よくやったな。シカもイノシシも思ったより皆の動きが良く、楽に仕留められた」


よしおは鍋をしゃくり、器に移し、皆に渡した。


朝、川で昨夜の血を流し、整えていると、皆も起き出した。


イノシシの皮を剥いて肉を捌く必要があった。

今度は、イノシシの内臓で食事を取り、昼前に中継小屋を閉じて、石拾いに出発だ。


荒川を上流の方へと前に進めた。


しばらく歩くと、急に川の両側に赤黒い岩だらけの場所に出る。

長い年月をかけて、岩が削られ川の流れが、緩やかになった。


袋を出して、これぞと思う石を拾っていく、中に白く光る石もいくつか拾っていった。


少し川辺で休憩をしてから中継小屋に帰った。


焚き火をして、休んで翌日にケヤキのある小屋に向かった。


小屋に顔を出しよしおが訪ねた


「ゆかり、帰ったぞ」


「おかえり、ごくろうさまでした」


よしおの言葉に返事を返すゆかりだった。

続いて、外に出ていった。


「皆、ごくろうさまでした。」


小屋の前には、よしおと男5人が、荷物を置いて立っていた。

よしおが前に出て、ゆかりに説明する。


「女たちの分をこの塊だ。シカとイノシシを狩った。石は加工職人に渡すから、後から取りに行ってくれ。

後は、燻製にする。」


ゆかりの小屋の前に女たちが集まって来ていた。

年長の女が前に出て、区分けされた肉を抱えた。


「よしお、ご苦労さまでした。ありがとう。」


ゆかりと女達は、年長の女に着いて行って女小屋に入った。


女小屋は、ゆかりの巫女小屋の他、4つの小屋があり、二人や三人が一緒にいて子供も一緒に暮らしている。


年長の女小屋の中で、シカとイノシシの肉をさらに分けて、早速、料理を始めた。


行田の集落は、この他に老人小屋があり、そこで燻製加工を行う。

よしおは残りの肉を老人小屋に運んでいった。


「爺さん、燻製加工をお願いする」


「よしおか、ご苦労さま。お前らの分はあるのか?」


「大丈夫だ。若いのが男小屋に持って行って料理を始めている」


「そうか、何か森に異変はなかったかの」


「いや、シカもオスが来たので大物だったし、イノシシにも問題なかった。森は相変わらずだよ」


爺さんと呼ばれた男の他に、爺さんたちが二人、婆さんが二人、肉をさばき直し、燻製用の石を組んだ釜のような小さな火をつけ、フゥー、フゥーと煙を出していて、それを囲む草木を被せる準備が進んでいた。


「じゃ、爺さんたちよろしく頼む」


老人小屋から青い煙が立ち上っていた。


男小屋は、柱が12本立った大きな小屋になっていて、加工を任せるものや焼き物を作るものなども集まり、一気に賑わう形になった。

各自器を持って酒のような物を飲み合い、中心の焚き火の周りに、肉を串刺しにしたもの刺し、乾杯のような姿を見せて、猟の成功を祝っていた。


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