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関東の縄文  作者: 熊さん
第一章:ケヤキの民
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栗林の小屋

栗林の小屋


よしおは、満足していた。

狩りの成果が、ある程度あっただけでなく、若手がしっかりと動きしつこい大物のイノシシをあっさりと倒せた。


しかし、何か空気が騒がしかった。


ゆかりの小屋に向かった。


ゆかりは、ケヤキの木の根が小屋の中にまで入っていて、木の根を撫で、目の前の焚き火に向かって大きく息を吐いた。目を閉じ、手を合わせ、パッと広げると白い粉を撒いた。

ボッと淡い火花が立ち上った。


すると、


「はいるぞ」


よしおが声をかけ、入ってきた。


「・・・」


「ゆかり、大丈夫か?」


「ごめん、大丈夫。ケヤキがうるさいのよ。何かよう?」


「俺も風が騒がしく思ってな」


二人は何かが起きていること、しかしそれをどのように判断したらよいか、分からなかった。すると、ゆかりが言った。


「何だろう、、、私じゃ、分からないけど、北川辺に大巫女がいるわよ。彼女に聞けば何か分かるかも」


「北川辺の大巫女か、、、栗林にいけば分かるかな。石を持っていこう。」


「毛皮も役に立つかも、大巫女には毛皮がいいんじゃない?」


よしおは、頭を上げて考えて、ゆかりに伝える。

じっとしてはいられない。行くしかないと決意する。


「おれは、男小屋を少し留守にするから、奴らの話も聞いてくれ、後を頼む」


「わかったわ」


よしおは小屋を出ると男小屋に戻り、荷物をまとめ出かけることを告げた。

そして加工小屋にも寄って加工が終わった石を受け取り、出発した。


まず、南方面に向かう。

木の生えてない所は、湿原地帯で木の根元を目当てに陸地が見えるところを目当てに進む。


栗林には、たまに訪ねる縄文小屋があった。情報をやり取りするのは、彼らの日常だった。


利根川の流れが見える所に、いくつかの小屋があった。

よしおは、声を掛けて入っていった。


「おお、よしおか、春になりそうだのぉ。よい天気だ。」


小屋の男が、親しみげに答えた。


「狩りに出てきて、石を取ってきた、加工してるから見てみるか?」


「ほほほ、ありがたい。助かるぞ」


よしおは、持ってきた石を袋から出して見せた。


「北川辺に大巫女がおられると聴いたのだが知ってる?」


「おお、大巫女様は、北川辺の集落の中で一番大きな建物の奥にいらっしゃる。何か持ってきたか?」


「毛皮を持ってきておる」


「毛皮か、うん、それなら問題ないじゃろ、入口に人がいるから、そいつに伝え、毛皮を持って大巫女様に会いに来たと言えばよい。」


よしおは、助かったと挨拶して小屋を出た。利根川に出ると、両岸が引き込むように平らな部分があって手前には丸木舟があり、その先の対岸に丸木にしては大きい底板のついた大きな船があった。


北川辺が少し変わった様子に少し驚いた。


川に手を入れて水をすくい口に入れた。


フーっと大きく息をすると、川風が吹いていた。


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