竹弓
竹弓
ケヤキの民のリーダーは水戸まで来ていた。
ここまで歩いて余裕を見て二泊してたどり着いた。
微高地に建つ小屋の周りをゆっくり歩く、弓を作る人が、何人かいた。広場を見つけ、巫女の小屋の入口で声をかけた。
「すみません。ケヤキの民です。巫女にお願いがあり、尋ねました。」
中から侍女が出てきて、向かい入れてくれた。
広い小屋の中の石を組み合わせた焚き火の前に巫女が座っていた。
「この間は、ありがとうございました。米作の集落を見せてもらい、北川辺の大巫女様にも伝えました。」
「期間を空けず何の用じゃ?」
リーダーは引き締まった顔して、続けた。
「水戸の大巫女様の弓の力は、我の先代からの語り草です。一発でオオジカを倒した力に憧れておりました。我のケヤキの集落の近くにも竹林があるのですが、技術者をお借りして、我々も竹弓を使いたいと思いまして、石をお持ちしました。」
リーダーは侍女に石の入った袋を渡し、頭を下げた。
「は、は、は、ケヤキの民との付き合いは長い、よし、人をつけてやろう」
水戸の巫女は、豪気だった。
巫女は率先して小屋を出て広場の先の弓の工房を訪ねた。
「おい、若い弦づくりの若いのがおったろう。おう、おまえだ、おまえがよい。お主、行田に行ってくれ」
水戸の巫女は機会に期待してる若者を見つけるのが上手かった。
リーダーは驚いてしまったが、巫女の行為を受け取るしかなかった。
弦づくりの若者はリーダーと二人、水戸から行田に向かうのであった。
しばらく歩くとリーダーが声をかけた。
「すまんのぉ、助かるのだ、巫女様にお願いしたらすぐに決まってしまって申し訳なかった。」
弦づくりの若者は、リーダーに感謝を述べた。
「いや、僕はありがたいんだ。新しい竹の加工を自分で仕切れるんだ。よろしくお願いします。」
二人は、気があった、新しい物を作りたいという気持ちや自分の力量を試される気持ちが前向きだった。
水戸と行田の道行はかなり、乾いていて、道行が進んだ。
リーダーは集落の石工の技術を話、水戸の弦づくりの若者に、指導をお願いしたりした。
1泊で、行田についた二人は早速竹林を訪ねた。
竹林はスラっと伸びた竹をグッとつかみ曲げて確認していた。
「節が詰まってる、これなら、強い弓が作れる」
笹がザーッと吹く風になびいていた。
これならいけると確信すると、今度は、石造りの小屋に連れて行った。
白い固い石を削るのを弓づくりの若者に見せ確認させた。
石工の親父も、弓づくりの男に興味津々だった。
リーダーは男小屋で、若手を弦づくりの職人の手伝いに指名して、弓を作る準備として、老人小屋を訪ねた。
竹の準備、矢じりの工夫、弦の加工の仕組みを集落の中でまとめ、弓づくりの職人を中心にまとめた。
それぞれが動き始めると、リーダーは北川辺の大巫女の所に向かい、水戸の巫女から技術者を借りれたことを連絡し、まずはひと月ぐらいで、形を作ることを伝えた。
もちろん竹は乾燥させるなど、時間をかけることも必要だけど、とりあえず、形を作ることを優先し、まず威力をみてもらおうと考えたのである。
威力を見せれば北川辺の説得が出来ると思った。




