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関東の縄文  作者: 熊さん
第二章:弥生の影
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那珂川を登る

那珂川を登る



紀元前3世紀に入っていた。


水戸の微高地に来ていたケヤキの集落のリーダーは、巫女にあった後、微高地から、対岸を眺め、弥生化の現実を目の当たりにして、那須へと向かうことにした。


川を右に見て獣道を登っていく、しばらく歩くと、藪にシカがゆったりと歩いてきた。


思わず、身体をかがめ、風の向きを確認した。

風は山側から吹いている。

シカには気付かれてなかった。

しばらく、かがんで様子を伺う川辺に、向かい、水でも飲みたいのかと思った。


大物なのでどうするか悩んだが、刈ってみたいと気持ちが高ぶった。


シカの後を風下から確認して、シカが水を飲むのを待った。


シカの首がビクッと動いて振り向くと、首を下げて水を飲もうとした。


グッと立ち上がり、弓を2連発発射した。


シュ、シュ


首に上手く刺さり、倒れかけだが駆け出す感じで後ろ足を蹴った。


首筋に抱きつくように抱きつき、石刀で、首筋をガツ、ガツ、ガツと切りつけた。血が噴き出てきたが、構わず切りつける。

前足がガクガクしてきて、ようやく倒れる。


ハァーと、大きく息を吐いて、やりきった気持ちがこみ上げてきた。


ワオー


大きく声を出して、落ち着かせた。


意味もなく、米作りがなんだ。

狩猟は、糧なのだと思った。


気持ちを落ち着かせるため、川で身体を洗い、血抜きをすることにした。


枯れ木を探して、吊るす場所を作り、ついでに簡易テントを作り、草を編んで紐を作り足を縛り、血抜きをした。


テントで一休みした。


ザァー、ザァー、ザァー


川のせせらぎと冷たい風が吹き付けてきた。


起きると、日がてっぺんに上がっていた。

毛皮を丁寧に捌き、肉にした。


石を組み焚き火を作り、大きな平らな石をそれに被せ、石を熱して、肉を焼いた。


ジュー、ジューと香ばしい香りがして、塩をふりかけた。


リーダーはゆっくり肉を食べ、今日は、ここで休むことにした。


翌日、前進した。


那珂川は、奥に行くと森が深くなった。


それでも登っていくと、川も細くなり、川をわたり、その先に山々が見えてきた。


しばらく歩くと、水田が見えてきた。小さな水田、その先に小屋が立ち並んでいる。


青々とした稲穂が風に揺れている。


平地の狭い所に米が植えてあった。


山に入る口を見つけ、登って行くと、岩がゴロゴロしている中に硫黄の匂いがしてきた。


ここは、変わらないと感じた。


すると、大きな岩が出てきた。

中に大きな穴が空いてる。


リーダーは、穴に向かって声をかけた。


「私はケヤキの集落のものです。那須の巫女様にお話を聞きたく参上いたしました。」


硫黄の匂いがした、青い空に太陽が眩しく、光っていた。


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