表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説の先にある世界  作者: 藤咲玲


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
101/198

第92章:幕間 バルツァー・ラボの放任

 ゼノリス王国西南の街、活気ある大通りに面した「バルツァー・ラボ」の執務室。窓の外ではギルドへ向かう冒険者たちの喧騒が聞こえるが、この部屋の中だけは奇妙なほど静謐だ。


 壁一面に並ぶ経営資料、整然と管理された資産運用のポートフォリオ、そして冒険者ギルドとの独占契約書。それらはすべて、アレンが雇ったCEOの執務デスクに集約されている。


 アレンは執務室の椅子に深く腰掛け、デスクに置かれた一通の承認書類にサインを走らせた。


 「あとは任せた。報告は必要な時にだけ聞く」


 冷徹なほどに合理的な指示を、CEOは恭しく受け止めた。アレンにとって、バルツァー・ラボは目的ではなく、成り行きで出来てしまった産物に過ぎない。


 資産4000万の運用益は、自動的に次なる研究施設への設備投資と、最先端の魔導研究費へと変換される仕組みが構築されている。


 煩雑な事務作業、ギルドとの泥臭い折衝、市場の相場変動。


 ――そんなものは、年俸1200万で雇ったCEOの仕事だ。


 「好きに運営しろ。俺は俺の人生を歩む。」


 「好きな時に寝て、好きな時に酒を飲める。軍資金はたんまりある。気ままに行こうか」


 ラボの扉が閉まる。背後でCEOが何かを言おうとしていた気もするが、アレンにとってはその声すら、すでに遠い場所の出来事のように響いていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ