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人間が絶滅した異世界で、俺だけが人間なので逃げます ~勇者召喚は全部ヤラセ。正体がバレたら食われるので、必死に隠して生きています~

作者:赤み
最新エピソード掲載日:2026/08/10
【逃げなきゃ死ぬ。いや、食われる。】

【比喩じゃない。本当に、食われるのだ。】

勇者として異世界に召喚された俺。

世界を救ってほしいと頼まれ、王国中から称えられ、可愛い王女には毎日のように「好き」と言われる。

これぞ夢にまで見た異世界召喚――そう思っていた。

全部が芝居だったと知るまでは。

「ついに絶滅種『人間』の血を味わえるのか!」

偶然耳にした、国王たちの会話。

そこでようやく俺は知った。

勇者として大切にされていたんじゃない。

こいつらは俺を――最高の状態で食べるため、大事に“熟成”させていただけだった。

その日のうちに王国から逃げ出した俺は、さらに最悪の事実を知る。

この世界で、人間は千年以上も前に絶滅している。

そして『人間』とは、

――この世のあらゆる味をその身に宿した、至高の珍味。

……らしい。

つまり。

世界でただ一人の人間である俺は、正体がバレた瞬間に食われる。

間違いなく。

歩く最高級食材である。

チートなし。

金なし。

頼れる仲間なし。

あるのは、元ニート仕込みの往生際の悪さと、生きたいという執念だけ。

希少種『ニート族』を名乗って正体を隠し、弱い魔物を狩り、頭の弱い賞金首を騙して日銭を稼ぐ。

目立たず、誰にも正体を知られず、このクソみたいな異世界を生き延びる。

――そのはずだった。

「見つけた。私の血」

俺を食べるためなら王宮すら飛び出してくる、食い意地の張った吸血鬼王女に見つかるまでは。

「俺が生き延びるのに協力してください! その代わり――俺の血は、全部あなた一人のものにします!」

「全部、私の?」

「だから目を輝かせるな!」

食うか、食われるか。

いや、できれば食われずに寿命まで生きたい。

これは世界最後の人間が、自分を食べたくて仕方がない吸血鬼王女まで利用して、何がなんでも生き延びようとする異世界逃亡譚。
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