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20-7:「〝Fighter ONE〟」

まんまドリフのデストロイヤーのパクリになっちゃった。

 凪美の町上空に、突如として瞬いた謎の閃光。

 その閃光が消失すると同時に、そこから抜け出るように現れたのは、尖ったシルエットが特徴的な、ジェットエンジンを携える航空機であった。

 その機体上面と側面を緑を基調とした迷彩柄で塗装し、底面は水色。そして機首と主翼に記した、日の丸の国籍表示が良く目立っている。

 その航空機は、三菱 F-1戦闘機と呼ばれていた。

 そのF-1戦闘機の、機首に設けられたキャノピーで覆われたコックピット部分。


「――どォなってんだぁ――」


 その内部で、パイロットシートに座す一人の者。パイロット服を身に纏い、パイロットヘルメットを被る人物――すなわちパイロットの口から、独特な声色での一言が零れ出る。


「ヨォ――何事だァッ!?オォラァ――ッ!!」


 そしてパイロットは、若干落としていた視線を上げ、威勢が良いと表現するには、荒々し過ぎる声で発し上げた。

 厳つく、そしてどこか独特な顔立ちをしたそのパイロット。

 彼の名は、推噴(すいぶき) 起撃(きげき)と言った。

 彼は、〝日本国航空隊、北部航空方面隊、第14航空団、第1飛行隊〟に所属する、二等空尉階級の、戦闘機パイロットであった。


「あ゛ぁ?」


 その推噴は、コックピットのキャノピー越しに外部へ支援を向け――そして怪訝な声を上げた。

 彼の操るF-1戦闘機は、どういうわけか酷く低い高度を飛んでいた。

 いや、それも安全を考えればあまりよろしい事ではないのだが、問題はそこではない。問題なのは、周辺の環境光景が一変していた事にあった。

 彼と、彼の乗るこのF-1戦闘機は哨戒任務のため、樺太県豊原市に所在する〝豊原基地〟より少し前に飛び立ち、そして洋上に出たはずであった。しかし折に突然発生した閃光に巻き込まれ、気付けば眼下に陸地の広がる、この空に出ていたのだ。

 推噴は操縦桿を操り機体を旋回させ、さらに周辺状況を掌握するべく、視線を走らせる。

 すると眼下には、何やら世界史で見たような作りの、城壁で囲まれた町のような物が存在する。さらに周辺各方を見渡せば、何やら鷹とも鷲とも付かない、それも目測から掃討に大きいと推察できる鳥獣が、無数に飛んでいるではないか。


「オイオイ、マジでどぉなってんだァ?」


 推噴は引き続き、機体を旋回させて周辺を観察しながらも、無線を開く。


「――豊原管制塔、応答しろやぁッ!こちらヘヴィメタル1、ヘイワードォッ――!!」


 そして無線に向けて、あまりに荒々し過ぎる声色で、訴え上げ始めた。




「――それでは井神さん、ご健闘をお祈りしています――」


 そんな一言を最後に、作業服と白衣の人物は不気味な彩色の背景に溶け込み、井神の前より姿を消す。

 そして周囲は元の色彩を取り戻し、世界は再び動き始めた。


「――ッ!」


 井神は顔を顰めながらも、異質な空間から戻った事に、ハッと意識を取り戻す。

 ――ここは草風の村の、空き倉庫を借り受けて運用中である指揮所。

 井神は各所各方への指揮命令に追われていた最中に、突如として不可解な現象に見舞われ、異質な空間へと招かれた。そしてそこで作業服と白衣の人物より、要領の得ない説明のような物を受け、そして今しがた、元の世界――いや異世界に戻されたのであった。


「また、あの人物か――」


 少し面白くなさそうな色を作り、今しがた相対した人物の姿を浮かべる井上。


「井神一曹ッ!」


 しかし考える間もなく、井神を呼ぶ声が上がる。声の主は、指揮所要員の算域だ。


「どうした」

「これを見てください……!」


 返した井神に、算域は急いた様子で、ノートパソコンの画面を促す。その周りでは、小千谷や帆櫛も、何か目を見開き驚いた様子で、画面を注視していた。

 井神もそこに加わり、画面に視線を落とす。

 画面に映るは引き続きの、無人観測機からの町の映像。無人観測機は現在高高度を取り、さらにカメラを最大までズームアウトしているため、映像ウィンドウには町の全形が映り、そして周辺の地形も見えた。そして今は町の上空を、無数の鳥獣が覆っている。

 しかし、その画面上に、異質な物体が映り込んだのはその瞬間であった。


「ッ――今のは!」


 物体はかなりの速度で画面上を飛び抜け、直後には姿を消す。しかし、その間に見えた尖ったシルエットから、それが何であるかは容易に推察することが出来た。


「先程、町の上空で巨大な閃光が瞬いたんですが――その直後に、出現しました」


 横に立つ算域が、今の物体の出現経緯を説明する言葉を紡ぐ。そして同時に、マウス操作で画面上に別のウィンドウを表示させる。それは無人観測からの映像を録画していた者であり、今は一時停止されたワンシーンが映っている。そこに移っていたのは、間違いなく航空機のシルエットであった。


「小千谷二尉」


 井神は、横で画面を注視している小千谷に、尋ねる意図の含まれた声を発する。航空隊隊員である彼に、確認を願う物であった。


「――F-1戦闘機だ、間違いない」


 尋ねられた小千谷は、画面に映る航空機のその正体、名称を発して見せた。


「また、とんでもない物を送り込んで来た――!」


 映像上に移るそれの導き人が、先の作業服と白衣の人物である事は、最早疑うまでもなかった。その事を浮かべ、井神は驚きと皮肉の混じった声を零す。


《――豊原管制塔、応答しろやぁッ!こちらヘヴィメタル1、ヘイワードォッ!!》


 その時、長机に置かれた大型無線機から、怒号が飛び込んで聞こえた。それに、各々の視線が大型無線機を一斉に向く。


「今のは、戦闘機の――」


 予測の言葉を零す井神。

 どうにも戦闘機から発せられた通信を、無人観測機が拾い、流してきたようだ。


《ヌォイッ!!どっか聞いてねェのかァッ!こっちゃ14空団、1飛ィッ!ヘヴィメタル1、ヘイワードォッ!!応答しろやァッ、オ゛ォンッ!!?》


 立て続けに、大型無線機からは怒号が響く。


「ッ!この声!それに14空団、1飛――まさかッ!」


 それに反応したのは、小千谷だ。

 聞こえ来た声に何か思い当たる節があるのか、かれは零しながら、大型無線機に駆け寄りマイクを取る。


「――ヘヴィメタル1、通信を受け取った。確認させてくれ――お前、推噴か!?」

《あ゛ぁん!?そっちは誰じゃいッ!?》


 そして問いかけの声を送る小千谷。それに、相手からは怒号に近い荒々しい声での返答が返って来る。


「俺だ!17-Cチャーリーで一緒だった小千谷だ!」


 それに対して、小千谷は訴える声を発し返した。


「お知合いですか?」

「あぁ……初期課程の同期だ」


 横から井神が尋ねる声を掛け、小千谷は少し困惑した様子でそれに答える。


《小千谷ぁぁッ?ヨォ、ヨォッ!久しぶりだなぁッ!でぇ、どこにいんだぁッ!?こっちゃおかしなデッケェ鳥共がウヨウヨ飛んでっぞぉッ!!》


 そこへ、再び怒号に近い声が返って来た。




 場所は再び凪美の町上空へ。

 一度町の上空を飛び抜けたF-1戦闘機は、旋回行動を取り、再び町上空への進入経路を取る。眼下周辺を可能な限り観測するため、その速度は失速ギリギリの所まで落としていた。


「マジで、どォなってんだァ?そもそもどこなんだここはァ!?この邪魔っけな鳥共はなんなんだァ!?」

《推噴!今は説明する時間が無い!可能ならば、その町上空の鳥獣達に対応して欲しい!》


 キャノピー越しに周辺眼下に視線を降ろしながらも、荒々しい言葉を引き続き吐き続ける推噴。

 それに対して、応答のあった同期である小千谷より、そんな要請の通信が飛び込んで来た。


「対応ォ?何のこっちゃァ?」


 しかし聞こえ来た要請の、その意図する所等が掴めずに、推噴は訝しむ声を無線に返す。

 そんな一方で、推噴の操るF-1戦闘機は再び町の上空へと侵入。

 ――推噴と彼の乗る機体に、不可解な現象が起こったのはその瞬間であった。


「あ?」


 機体の速度が、突如として落ちた。

 推噴は即座に失速を疑い、対処行動を取ろうとする。――しかし直後に、推噴は事態が全く別のそれである事に気付いた。

 速度計に視線を落せば、その数値に変わりはない。

 速度が落ちた感覚を感じたにも関わらず、機体は依然として、まるで浮力を得て浮かんだように、依然として宙空に身を置き、申し訳程度の緩慢さで前進を続けている。

 そして周囲を見渡せば、町上空に無数に存在していた鳥獣達も、その動きを酷く緩慢な物にしている事が分かった。まるで、スローモーション効果を掛けたかのように。


「今度はあんだァ?ふざけてんのかァ!?どういう――」


 事態に対して荒々しく吐きながら、周囲へ再び視線を送る推噴。しかし、直後に推噴はその言葉を切った。

 良好な視力を要求されるパイロットの中でも、特異なまでに良い視力を持つ、推噴の両眼が。機体が速度を減じた影響で、より鮮明に見えるようになった眼下に、周囲に。

 それを見たから――

 眼下に見えたのは、鳥獣に襲われる町並み。怯え、逃げまどう人々。

 何か爆発があったかのように損壊する建物。そして巻き上げられる人々が見える――

 鳥獣達が人々を襲っている。その嘴に啄まれ、貫かれ、そしてまるで餌のように咥えられ、宙に攫われる人々が見える――

 食い残しのように、鳥獣の口より落下して行く、人の亡骸が見える――

 今まさに泣き叫ぶ子を残し、鳥獣に攫われる母親の姿が見える――

 町全体が、阿鼻叫喚の光景に包まれる光景が、推噴のその眼に、はっきりと焼き付いた。


《さぁ、あなたの選択を見せてください――》


 そして推噴の耳に、異質なそんな問いかけの声が響き聞こえた。


「――ッのヤロウ――テメェ……!――ヤロウテメェァ――ッ!!」


 光景が、推噴の怒りに火を付けた――

 そしてF-1戦闘機は元の速度を、元の世界を取り戻す。

 それが、合図であった――




 凪美の町。立ち並ぶ民家家屋の一つ。

 その建物もまた、エルフ達の操るグルフィの放った風魔法により、損壊していた。二階部分が損壊し、大穴が開いている。

 その内、二階の一室には、損壊崩落により瓦礫が降り積もっている。

 その瓦礫の下に、動く人影があった。


「……ぐ……ッ」

「に、兄ちゃん……!」


 それは二人の男児、歳の離れた兄弟であった。

 兄が、弟を庇う形で瓦礫の下敷きになっている。

 いつもの朝を迎えたはずの兄弟は、しかし襲った住まいの崩落により、この悲劇に見舞われていた。


「兄ちゃん!大丈夫!?」


 弟はまだ小さな体である事が幸いし、なんとか瓦礫と兄の身体を抜け出す。しかし兄の方は瓦礫に脚を挟まれ、抜け出すことが出来ないでいた。

 弟は必死に兄に呼びかけ、その体を引っ張るが、まだ幼い彼の力では、兄を救う事は叶わない。

 ――そんな兄弟を、何か大きな物の影が覆った。


「……ぇ……」


 弟は視線を上げる。

 屋根から壁まで大きく崩落した、家屋一室の開口部。その向こうに、巨大な鳥獣の、羽ばたき滞空する姿があった。堅牢な嘴の切っ先が、鋭い猛禽類の眼光が、兄弟を睨み降ろしている。


「フン、人間のオスの兄弟か」


 そして鳥獣、グルフィの背から、声が聞こえ降りて来る。

 グルフィの背には、扇情的な格好をしたエルフの女が跨っていた。長身で端麗な顔をしたエルフの女。しかし反して発されたその台詞は嫌悪感を露わにしたものであり、そしてその眼は冷たい色で兄弟を見降ろしている。


「せめて一思いに、潰してやる」


 そして聞こえ来る、そんな一言。


「……ぁ……」


 幼い弟にも、それが自分達に危害を加える存在である事は、嫌でも分かった。


「やれ」


 エルフの女は発し、そしてグルフィに繋がる手綱を引く。主のその命に応じ、グルフィはその嘴をかっぴらき、雄たけびを上げる。そして両翼を大きく振るい上げ、攻撃の物であろう挙動を見せた――



 ――その雄叫びを上回る、唸り声のような物が響いたのはその瞬間であった。



 ボォォ――という何かが吐き出される、あるいは振動するような音。

 それが聞こえ来たと同時に、驚くべき光景が弟の目の前で巻き起こっていた。


「――ぇ?」


 今まさに自分達を襲おうとしていた鳥獣グルフィの、その体に数多の大穴が空き、血が飛び散っていたのだ。

 そして打たれるようにして落下して行くグルフィ。その後ろには、その身が真っ二つに千切れ、そして落鳥してゆくエルフの女の姿も見える。

 その直後。轟音が轟き、そして何か鏃のようなシルエットが、真上上空を凄まじい速度で飛び抜けて行く姿が、崩壊部より弟の眼に映った。


「ぁ――」


 自然と、弟には今飛び抜けて行ったそれが、自身を救ってくれた存在なのだという事が理解できた。


「――ラロウ君、ユエ君!無事かッ!」


 そこへ、背後一室の扉が勢いよく開かれ、警備隊の警備兵が言葉と共に踏み込んで来た。兄弟を知る警備兵が、兄弟の住まいが襲われる様子を目撃し、駆け付けたのだ。

 警備兵達は一室内の惨状に目を剥き、兄弟の救助作業に飛びつく様に取り掛かる。

 しかしそんな中、弟は兄の手を握りながらも、今しがたの飛行物体が去った方向を、見つめていた。




「――一機撃墜、一機撃墜ッ!!」


 F-1戦闘機のコックピット内で、推噴の威勢の良い声が響く。

 眼下の惨劇を前に、推噴は町を覆う鳥獣の群れを、排除する事を決断。

 そして今しがた、民家を襲おうとする様子を見せていた一匹の鳥獣を、F-1戦闘機がその機首に搭載装備する、JM61A1 20㎜バルカン砲による射撃を持って、排除撃墜して見せた。


「ヘイワード、エンゲージッ。ヘイワード、エンゲージッ!デケェ鳥共と交戦するッ!!」


 無線に向けて張り上げる推噴。

 その間にF-1戦闘機は再び町の上空を通過。

 推噴は一度町より離脱し距離を取り、それから操縦桿を横に倒し、そして引き、機体の旋回を始める。


「ウヨウヨいやがらァッ!」


 視線を上げて機体の向きに先んじて、町の方を見る推噴。町の上空には、大型鳥獣が無数に飛び交っている。その内の一点に、特に鳥獣達が固まり飛んでいる箇所を見つけた。

 程なくして機体は旋回行動を終え、推噴の視線の向きに、機体の向き追いつき同一方向を向く。

 先に当てを付けた鳥獣の群れが、推噴の前に設置されている照準器の内に収まる。

 速度を失速寸前まで落としているとは言え、時速100kmを優に超えている機体は、瞬く間にその鳥獣の群れへと距離を詰める。

 そして推噴は、操縦桿のトリガーを引いた。

 パイロットの攻撃の意思。それを受け取り、JM61A1 20㎜バルカン砲は再び唸り声を上げ、20㎜機関砲弾を無数に吐き出した。

 照準に収まった鳥獣の群れは、次の瞬間にその向こうで穴だらけになり、弾け飛び蹴散らされた。

 一瞬後には機体はその群れの元へ到達。墜ちてゆく鳥獣の群れの間を、掻き分け散らかすように飛び抜けた。


「撃墜ッ!撃墜ッ!」


 再び撃墜の報を張り上げる推噴。


「外道な事しやがって、カス共ォ!!よく分かんねぇが、墜ちやがれオォラァッ!!」


 そして発し上げ、再進入するべく再び操縦桿を倒す――




 別方を飛んでいた何匹かの鳥獣グルフィ達、正確にはそれを操るエルフ達が、F-1を明確な敵と認識し、追撃行動を仕掛け始める。

 しかし彼女達が、F-1に追いつくことは到底かなわなかった。彼女達の操るグルフィが追撃を始めた時には、F-1は町の遥か向こうに飛び去り、そして旋回行動を始めていた。

 大きく旋回を終えたF-1は、再び機首を町へと向ける。そして瞬く間に接近。

 エルフ達がそのあまりの早さに驚愕している間に、その機首のJM61A1 20㎜バルカン砲から再度、20mm機関砲弾が放たれ、エルフとグルフィ達をまるで殴るように襲った。

 魔法始め攻撃を放つ暇もなく、穴だらけになり千切れ飛ぶエルフとグルフィ達。

 そして墜ちてゆく彼女達の上空を、F-1が轟音を轟かせて飛び抜けた。




「撃墜ッ!撃墜だオラァッ!」


 町上空を飛び抜けたF-1のコックピット内で、またも推噴が声を張り上げる。


《推噴ッ!無闇に突っ込むなッ!》


 しかしそんな所へ、無線より張り上げられた声を届き響いた。それは指揮所に身を置く、小千谷からの声だ。


《たしかに対応を要請したが、飛行が際ど過ぎるッ!安全高度を保てッ、もっと慎重にやれッ!》


 届き聞こえたのは、警告の言葉。

 小千谷の言葉通り、推噴の行う飛行は、かなり荒々しく際どい物であった。小千谷はそれを見咎め、警告の言葉を送って来たのだ。

 だが、当の推噴にそれを聞き入れる様子はまるで無かった。

 無線からの警告をそっちのけにして、推噴は操縦桿を操り機体を旋回。同時に視線を上げて、町の上空に視線を送る。

 そして推噴の眼は、町の上空の比較的高い高度を飛ぶ、全幅10mクラスの大型鳥獣を見止めた。


「えっらそうに飛びやがってッ!舐めてんのかオラァッ!?」


 その悠々と飛ぶ姿が鼻に着いたのか、そんな言葉を吐く推噴。

 そして旋回を終えた機体の機首を、その大型鳥獣に向け、その巨体を照準器内に収めた。


「――チィッ、ロックオンはできねぇかァッ!」


 しかし、そこで推噴は吐き捨てる。

 推噴の操るF-1戦闘機は、主翼に90式空対空誘導弾 AAM-3を4発。99式空対空誘導弾 AAM-4を2発。計6発のミサイルを、搭載装備していた。

 大型鳥獣の巨体に対してバルカン砲では不足を感じた推噴は、その搭載するミサイルの内の、90式空対空誘導弾 AAM-3の使用をまず試みた。

 だが、赤外線誘導方式であるAAM-3では、大型鳥獣をロックオンする事はできなかった。


「んだったら、こっちだァッ!」


 そこで推噴は、99式空対空誘導弾 AAM-4を、操縦系を操作し選択。発射母機からの指令誘導であるAAM-4であれば、巨大鳥獣を狙えるはずであった。

 そして推噴は、操縦桿のミサイル射撃ボタンを、力強く押した。

 瞬間、主翼下に下がり搭載されていたAAM-4が、搭載ラックを離れて投下される。そして直後、AAM-4の固体燃料ロケットが点火。AAM-4は一気に加速し、母機であるF-1の元を飛び立った。


「フォぉックスワンッ!フォックスワンだァ、オラァッ!!」


 声を張り上げながらも、推噴は照準器内に巨大鳥獣を収め続け、AAM-4の誘導を行う。コックピット内には、誘導中を示す電子音が一定間隔で響く。

 AAM-4は噴進の跡を宙空に描きながら、瞬く間に町の上空の大型鳥獣へと接近。

 ――そして瞬間に、直撃。

 大型鳥獣に身の元で、爆発が巻き起こった。


「おォっしゃァッ!!命中ッ!!」


 歓喜の声を張り上げる推噴。

 巨大鳥獣は、ミサイル直撃により致命傷を負い、滞空を続ける事が叶わなくなり、その頭を真下に向けて、真っ逆さまに落下して行く。


「ざぁまぁみやがれッ!!偉っそぉな鳥スケがぁッッ!!」


 その真上を、F-1戦闘機が轟音を轟かせて飛び抜けた。

作者の航空機、戦闘機知識はエースコンバットとエアロダンシングがベースのド素人レベルです。

なのでかなり無茶な描写が盛りだくさんです。

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