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第三章 火にできないこと

源橋学院に来て十日目、僕は初めて授業を追い出された。


理由はこうだ。


周明遠が僕に「聴講」の許可証を取ってくれた。証にはこう書いてある――古代文化研究

室見習い陳臨、本科の授業の聴講を許可する。席次に列せず、考核に加えず。


要するに、聞きに来ていい。学生ではない。


僕は一番後ろの席に座った。椅子が高すぎて、足が床に届かない。ぶら下がったままだ

。


前半の一刻は古代祭祀暦の話だった。ノートを取った。


後半の一刻は魔力減衰の観測方法だった。先生はこう言った。


「この現象の測定は、十年を一期とせよ。十年のうちに観測値が上下するのは、すべて

誤差に帰する」


僕は手を挙げた。


「先生」


「言え」


「一期が十年しかないなら、この現象が本当に変化しているのか、上下しているだけな

のか、僕たちはいつ分かるんですか」


先生は僕を一目見た。


「君はどの科だ」


「見習いです」


「何歳だ」


「十歳です」


「誰が君を入れた」


「周明遠教授です」


彼は二秒黙った。


「出ろ」


僕は出た。


廊下に立ち、その問いをもう一度書き直した。


「問い:観測期は十年。『変化』と『変動』をどう区別するか。変化率そのものが変化

している場合、十年一期で足りるか。」


それから、その下に一行足した。


「先生は答えなかった。分からないからかもしれない。分かっていて、授業では言いた

くないからかもしれない。」


---


授業の後、林新年が廊下で僕を見つけた。


「追い出された?」


「はい」


「なぜ?」


僕はその紙を渡した。


彼は長いこと見ていた。


「君は昨日、第三巻を通して読んだ」と彼は言った。


「はい。あなたも横にいました」


「何か所、直してあった」


「三か所です」と僕は言った。「線形が非線形に変わっていた。『データ点不足、結論

は保留』。あと一つは日付が消して書き直されていた」


「四か所だ」


僕は顔を上げた。


「一つ見落としている」


彼は紙を返した。


「『観測期』の三文字が丸で囲んである」と彼は言った。「第七頁の裏だ。とても薄い

。紙を斜めにしないと見えない」


「そばに何て?」


「小さな一行だ」と彼は言った。「『周期そのものに周期があるなら、この方法は使え

ない』」


僕たちは廊下にしばらく立っていた。


その言葉は難しくない。難しいのは、その裏にある意味だ。


両親が第三巻で疑っていたのは、ある一回の測定が間違っていたことではない。


この方法そのものが、一番大事なものを食べてしまうという疑いだ。


「つまり」と僕は言った。「減衰の速さそのものが変わっているなら、十年を単位にし

たら、見えなくなる」


「何が見えなくなる?」


「速くなっていることが」


林新年は何も言わなかった。


「では、彼らが書き換えたのは数字じゃない」と僕は言った。


「じゃあ何だ」


「物差しだ」


僕はその紙を折り、懐に入れた。


目盛りの狂った物差しで測れば、出てくるのは狂った結果だ。そして物差しそのものを

入れ替えられていたら、自分が間違って測ったことにすら気づかない――自分の数字が、

全部「合って」いるからだ。


これはこの世界に来てから、僕が出会った中で一番美しい不正だった。


---


その日の午後、僕は第十二号の試料をもう一度取り出した。


ガラスではない。砂が焼けてガラスになったものだ。


知りたいことが一つある。どんな火が、これをこう焼けるのか。


「答えられる人間を、僕は知ってる」と林新年が言った。


「誰です?」


「窯を作っている者だ。学院の器は全部あの家が焼いてる」


彼は本を閉じた。


「だが、街を出るぞ」


「どの街ですか?」


「外城だ」と彼は僕を一目見た。「源橋には城壁が二重ある。君が今いるのは、内側の

ほうだ」


---


源橋には城壁が二重ある。


それは知っていた。学院の塔から見える。内側の一圈は灰白色で、古く、石の目地に草

が生えている。外側の一圈は黄褐色で、新しく、高い。そして厚い。


ずっと、外側の一圈は敵を防ぐためのものだと思っていた。


里門を出て、初めて分かった。


内側の一圈のほうが、人間を防ぐためのものだ。


里門には番所がある。番兵は顔を見ない。手を見る。許可証があるかどうかだ。


林新年が証を出す時、僕は隣の列に気づいた。長い列だ。十数人が荷物を提げ、一人ず

つ改められている。


「何を調べてるんです?」


「外城のものが里門をくぐる時は、登記が要る」


「では、里門から外へ出るものは?」


「要らない」


「なぜです?」


「中のものは、もともと外にあるべきものだから」と彼は証を受け取った。「外のもの

は、中にあるべきではない」


僕たちは里門を出た。


外城は中より十倍騒がしい。


織工房の機の音、染工房の酸の匂い、紙工房の糊の匂い、鍛冶の槌の音。全部が混ざっ

て、煮立った鍋のようだ。道端に屋台が出て汁を売っている。表面に油が浮いている。

子供が僕の足元を走り抜け、魚を一匹提げていた。


僕たちは一本の通りを通った。


入口に布の幌が並んでいる。色は古び、端が風で毛立っている。幌には一字が刺繍して

ある。僕には読めなかった。


林新年はその通りの入口で、歩調を半拍だけ落とした。


本当に半拍だけ。


この数日、僕がずっと彼の歩調を数えていなかったら、気づかなかった。


僕は聞かなかった。


そのまま通り過ぎた。


---


陶家の窯は外城の西にある。窯口が二つ、大きいのと小さいの。大きいほうは朝から晩

まで焚いている。煙は灰色だ。小さいほうは今日は火が入っていない。


「学院の者か」


庭に老人が一人、白髪混じりで、上半身裸で、泥の塊を捏ねていた。彼は林新年を一目

見て、それから僕を見た。


「この器はまだ焼けていない。明後日取りに来い」


「器を取りに来たんじゃない」と林新年。


「では何だ」


僕はあのガラスを出した。


彼は最初、ただ見ていた。十数回呼吸するほどの間だ。それから手の泥を脇に置き、手

を拭き、ガラスを受け取った。


灯にかざさなかった。


指で触った。


長いこと触っていた。


そして顔を上げた。


「どこで拾った」


「拾ったんじゃない」と僕は言った。「両親が残した試料です」


「両親は何をしていた」


「これを研究していた」


「研究者」と彼はガラスを返した。動作はとても軽い。「これは焼いたものじゃない」


「なぜですか?」


「ガラスには泡がある」と彼は言った。「これを見ろ。泡がない。ないんじゃない。泡

が全部溶けて、中に混ざって、方向がない」


「泡に方向が?」


「火がどっちから焼くかで、泡はそっちへ逃げる」と彼は庭の大きな窯を指した。「う

ちで焼いたガラスを見ろ。泡が全部上へ行く。熱が下から来るからだ」


彼は僕の手を返し、ガラスを高く掲げさせた。


「君のは、泡が真ん中にある。固まった順番と同じだ」


「どういう意味ですか?」


「外から焼き入れたんじゃない」と彼は言った。「中から溶けたんだ」


「源橋で、作れる人は?」


「いない」


「他の土地では?」


「どこにもいない」と彼は平坦に言った。「火にはできない。火はどんなに熱くても、

外から中へ焼く。君の手にあるこれは、自分で中から熱くなった」


僕は言った。


「一度、見たことがあるでしょう」


疑問形ではなかった。


陶師匠は僕を見た。


「なぜ分かる」


「さっき受け取った時、先に縁を触ったからです」と僕は言った。「縁を先に触る人間

は、自分の作ったものかどうかを確かめている」


彼はしばらく黙っていた。


それから笑った。笑いながら、嬉しそうではなかった。


「四十七年前だ」と彼は言った。「北だ。禁区の縁で」


---


「あの年、俺は十四だった。親父について、北へ窯の荷を届けに行った」


「駅道を歩いて、北へ十七日。第七哨所に着いたら、道が切れた」


「哨所の者が言った。これより北は通すな」


「親父は気性が悪かった。ここで見ていく、と言った」


「三日見た。三日目に、土手の下で、こういうものを拾った」


「一つだけ?」


「一つだけ」と陶師匠は言った。「その後、俺たちはまた下りて探した。何もなかった

。地面は平らだ。だが――」


彼は止まった。


「だが何です?」


「あの土地は、草の生え方がおかしかった」


「どうおかしい?」


「整いすぎていた」と彼は言った。「誰かが定規で測ったみたいに」


庭の窯が低く唸った。


「それから?」


「それから、源橋に戻った」


「あのものは?」


陶師匠は窯口を見て、すぐには答えなかった。


「二年後、引き取りに来た」


「どんな人が?」


「服が里門の仕立てだった」と彼は言った。「三人で、一日来た。源橋から三十里の窯

、鍛冶、薬舗を全部回った。硬いものを拾った者はないか、と」


「どう聞いたんです?」


「拾ったら出すものだ、と言った」と陶師匠は言った。「出した者には銀貨を一枚やる

」


「出さない者は?」


「何も言わなかった」


彼は手をズボンで拭いた。


「何も言わないほうが、言うより効く」


---


帰り道、僕たちは何も話さなかった。


針線街の入口で、林新年が止まった。


「先に学院へ戻れ」


「どこへ?」


「用がある」


「何の用ですか?」


彼はしばらく僕を見た。


「七四二年とは関係ない」


「では何と関係があるんです?」


彼は答えなかった。


「データは共有すると決めたはずです」と僕は言った。


「分かってる」


「なら、破っていることになります」


林新年は黙った。


そして、僕が何も言えなくなる一言を言った。


「結論は渡せない」と彼は言った。「まだデータがないからだ」


僕は彼を見た。


それは僕たちが決めた決まりだ。そして彼は正しい。データのない結論は、ただの憶測

だ。しかも一番悪い種類の憶測――本当みたいに聞こえるやつだ。


「……どれくらい?」


「分からない」


「では、行ってください」


彼は振り返らずに針線街へ入った。二歩で止まった。


「半刻だ。入口で待っていろ」


半刻後、彼は戻ってきた。


手に紙包みが一つ増えている。とても小さく、細い麻紐で縛ってある。


僕は彼の肩を見ていた。


入る時、肩は張っていた。戻った時、緩んでいた。


大事な課題を一つ、出し終えたみたいに。


紙包みは小さかった。彼はそれを袖ではなく、懐に入れた。


中身は聞かなかった。彼も言わなかった。


僕は一つだけ言った。


「マティルドと喧嘩する時、あなたは絶対に引きません」


「それが?」


「だから、さっき引いた」


林新年は僕を一目見て、答えなかった。


---


その晩、僕は昼のことを書き終えた。


「第八号:第十二号試料(ガラス)は火に非ず。陶師匠の鑑定――内より溶出、泡に方向

なし。」


「第九号:同種のものは四十七年前、北境禁区の縁に出現。同時期、公式に源橋周辺の

『硬いもの』を回収。銀貨を渡し、説明せず、名を残さず。」


「第十号:針線街。林新年の歩調、この場所で半拍遅れる。紙包み一つ、内容不明。結

論を拒否。理由は『データがない』。」


書き終えて筆を置き、最後の一行を見た。


自分の決まりで塞がれたのは、これが初めてだ。


入口に足音がした。


林新年が立っている。手に灯。


「明日、ある場所へ連れて行く」


「どこへ?」


「針線街だ」


「あの店ですか?」


彼は一瞬固まった。


「なぜ店だと分かる」


「今日、通りの入口で半拍遅れたからです」と僕は言った。「あの通りを歩くのに、そ

の店に入らない。つまり、入りたい店は昼に入れない」


彼は長いこと僕を見た。


それから笑った。彼が笑ったのは、これが初めてだった。


「君は本当に面倒だ」


「ありがとうございます」


「褒めてない」


「今日はもう一人に『褒めてない』と言われました」


彼は灯を少し高く上げた。


「あの店は仕立て屋の看板を出している」と彼は言った。「店は本物だ。手前では誰か

が服を縫っている。奥に一部屋ある。屋根に穴が開いてる」


「穴?」


「彼女は毎晩、その穴から星を見る」


僕は何も言わなかった。


「学院の星図に、一か所、直した跡がある」と彼は言った。「直した者は叱られた。ひ

どく叱られた。老先生たちは言った。身の程を知らない、あの家はどういう娘を育てた

んだ、と」


「シェジェリカ」


「ああ」


彼は少し止まった。


「あの星の元の位置を、彼女に渡したのは、僕だ」


僕は顔を上げた。


「僕が渡したあの本は、四十七年前のものだ」と彼は言った。「王都観星台の旧記録。

祖父の書斎から盗み出した」


灯が揺れた。


「彼女の家は、これをやらせない」と彼は言った。


「君の家は?」


林新年は僕を見た。


「うちも同じだ」


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