第十三章 土手
第七哨所から北へ一日行くと、土手がある。
それは土手ではなかった。線だった。
長い、まっすぐな、二尺ほどの土の稜線。東から西へ、果てが見えないほど続いている
。まっすぐすぎる。土に見えない。
半里ほど沿って歩き、低い場所を見つけて登った。
向こうは別の土地だった。
草が整っている。
土手のこちら側では、草は乱れている。
僕たちは土手の上に立ち、下の一面を見た。草は一尺、長くも短くもなく、一尺で揃っ
ている。誰かが定規で測ったみたいに。
ルナがしゃがみ、草を一掴みした。
「根が平ら」
「どういう意味です?」
「この草の根は、みな同じ深さにある」と彼女は言った。「こう生えたんじゃない。こ
う押さえられた」
護衛の一人が言った。「下りるのはやめましょう」
マティルドが彼を見た。
「私たちは記録を取りに来た」
「上からの令が――」
「何の令?」
護衛は黙った。
マティルドは懐から紙を一枚出した。
「スケーラー家の通行証には、踏査許可が付いている」と彼女は言った。「範囲はここ
から北へ、徒歩三時間」
彼女は紙をしまった。
「異議があるなら帰って報告して。だが、今ついて来るかどうかは、後で必ず記録に書
く」
護衛はもう何も言わなかった。
この動作が指導教官仕込みだと知ったのは後だ。アリスの言葉は「制度の中で使える唯
一のものは、制度そのもの」だった。
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僕たちは下りた。
草は柔らかい。
踏んでも音がしない。
一刻ほど歩いて、最初のものを見つけた。
石だった。
半分草に埋まり、地上に一尺ほど出ている。表面は平ら。刻みがある。
王国の文字ではない。古代語でもない。
短い線が一本一本。
長短あり、いくつかの組に分かれている。
マティルドがしばらく見て言った。「これ、絵?」
「違う」
僕はしゃがんで、数えた。
「数だ」
「何を?」
「物を」と僕は言った。「同じ形の数が、組ごとに並んでいる。組ごとに数が違う。こ
れは帳面だ」
僕は各組の数を写した。
二十七組。
最初の三組は、十七、十七、十七。
途中で変わる。
第七組から第十三組まで、二十、二十一、二十、二十一、二十、二十一、二十。
「人を数えている」とルナ。
「あるいは別のもの」
最後の組を見た。
最後の組には、二本しかない。
そして途切れている。
未完ではない。刻みは完成していて、縁もきれいだ。この組を刻んだ後、刻んだ人間が
刻むのをやめたという形だ。
その石のそばで、二枚目のガラスを見つけた。
僕たちの持っているものと、同じもの。
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草地を二時間歩いた。
奥へ行くほど、草は整っていく。最後の半時間で、足元が変わった。土ではなく、灰白
色の、固く締まったもの。石畳みたいだが、目地がない。
整いすぎている。
石かどうかも言えないほどに。
マティルドが急に止まった。
「聞いて」
僕たちは黙った。
風は北から来る。
風の中に音がある。とても小さく、低く、続いている。
「風だ」
「風じゃない」とルナ。
彼女は足元を指した。
「下」
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三時間が来た。
護衛はもう後ろへ下がっている。
音のするところまでは行けなかった。だが僕は一つした。しゃがんで、あの灰白色のも
のに耳を当てた。
十回ほど呼吸する間、聞いた。
それから立って、林新年に言った。
「拍子がある」
「何?」
「あの音」と僕は言った。「短いのが五つ、長いのが一つ。それから止まる。また最初
から」
林新年の顔が白くなった。
「短五つ、長一つ」と彼は言った。「それは哨所の消灯号だ」
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帰り道、またあの石のそばを通った。
僕は長いことしゃがんでいた。
あの数を考えていた。
十七、十七、十七。
そして、二十、二十一、二十、二十一。
それから、二本。途切れる。
これは無作為じゃない。これは記録だ。同じことを、ずっと記録して、最後の一度で止
まった。
土手を越えて戻る時、空が暗くなり始めていた。
ルナが僕の横を歩いた。
「あの数は何だと思う」
「分かりません」
「私は人数だと思う」と彼女は言った。「母も人数だと言っていた」
僕は足を止めた。
「君の母は、ここに来た」
「来た」とルナ。「ここに二日いた」
「何を記録したんです?」
ルナはあの帳面を出した。
一頁を開く。
一行だけあった。別の筆跡で、もっと細く、冷たい、学者の字。
「この地は戦場にあらず。この地は場なり。」
「下に埋まるものは兵器にあらず。」
「この地は何かを保管する場所である。」




