表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「何故、聖女の仕事の引き継ぎができていなかったのか」などと、強引に追放した私に聞かれても困ります。  作者: 木山楽斗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/24

19.戦乱の場

「罪過の森で会った時に、見覚えがあるとは思っていたが、元聖女セスティアだったとは……まあ、そんなことはどうでも良いことか」


 ダルゼルト陛下と負けず劣らず愚かな公爵令息ニルヴァンは、私に対していとこと同じように下卑た笑みを向けてきた。

 この二人が国のトップに立っているということが、まず間違いなくドルイトン王国が落ちぶれた要因だろう。最早呆れて、言葉も出てこない。


「ダルゼルト、この二人と連れの奴らは、全員やってしまっていいんだよな?」

「ああ、しかしあまり時間をかけるなよ? この後には大きな争いもあるのだからな」

「ふん、問題はないとも。さあ、やれ」

「はっ!」


 ニルヴァンが指示を出すと、兵士達がこちらに向かってきた。

 私達の命を奪うつもり、ということなのだろう。そういうことならば、こちらも応戦せざるを得ない。

 ただ、忠告はしておくべきだろう。この兵士達にも、家族はいるのだから。


「今ならまだ間に合います。どうか手を引いてください。今はこちらも、手加減できる状況ではないのですから」

「何をごちゃごちゃと……聖女だかなんだか知らないが、あまり俺達を舐めるなよ?」

「……そうですか」

「おらっ!」


 私の言葉に従う者は、いなかった。それならばこちらも、然るべき対応をするしかない。

 心苦しいものではあるが、今はこちらも命がかかっている場だ。残念ながら、ここで加減できる程、私は慈悲深くもない。


「……安心してください。すぐに、終わりますから」

「え? あっ……」


 近づいてきた兵士の攻撃を受け止め、私は魔法を放った。

 それで、終わりであった。彼の体は、力なく崩れ落ちて、その場に横たわる。


 全力ではないが、それでも相手が動かなくなるであろう出力で魔法は使った。運が良ければ助かっているかもしれない。


「ライゼル殿下!」

「……感謝する」

「くっ、何を……ぐわっ!」


 私は倒れた兵士の持っていた剣を蹴って、ライゼル殿下に渡した。

 彼はそれを手に取ると、向かってきた兵士の一人を切り伏せた。護衛についていたロムセルト王国の兵士達も、それぞれ武器を取って応戦している。


 対話の場は一瞬にして、戦乱の場になっていた。

 この場においては、私達の方が優勢に思える。ニルヴァンが連れてきた兵士達は、質が良い者達という訳ではないようだ。


 とはいえ、私達が生きて帰るためには、困難があるといえる。

 早くこの場を切り抜けて、身を隠さなければならない。それができなければ、私達に命はないといえる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ