第七十七夜:宿の部屋は同室?
気圧のせいでしょうか、あんまり筆がのらなくて困ります。
時々短くなる日もありますが、毎日投稿は続けるので安心してくださいね。
荷馬車が止まり、村に到着した事が分かる。
「お、着いたみたいだな。俺らが様子を確認してくるから、2人はそこで待ってろよ」
念のため、護衛の2人が周りを確認して安全な事が分かるまで待機する。
「結構すぐに着いたわね、もう少しかかると思っていたけれど」
荷馬車に乗せてもらってから3時間ちょっとくらいだろうか。
半日くらいかかると思っていたから、かなりすぐ村に着いたのは驚きだ。
「歩いていたらそれくらいか、もう少しかかっていただろうけど、荷馬車だからね。こうして乗せてもらえたのは幸運だったよ」
シンシアはリオの言葉にうんうんと頷く。
「ええ、徒歩だったら干からびていたかもね。ふふっ」
半日近くずっと徒歩なんて想像するだけでも疲れる。
「あははっ、そうかも」
「おーい、2人とも。出てきて良いぞ、休憩にするってさ」
様子を確認しに行った護衛の2人が荷馬車の中にいる2人に声をかけるために顔を見せる。
2人は荷馬車から降りて、皆の元に集まると、商人の男が話し始めた。
「休憩にしよう。それから今日はこの村で一晩過ごす事にしたから、宿を探さないといけないんだが、2人はどうする? 俺らと一緒に宿を取るか、別の宿を取るか、自由に決めて構わない」
あと少ししたら日が暮れるから、今日はここまでにしたのだろう。
夜の移動は周りの様子が分かりづらくて危険なため、良い判断だと思う。
「気を遣ってくれてありがとう、皆と同じ宿を取ろうと思うよ」
シンシアが頷いたのを確認したリオがそう言う。
「了解。2人の分も俺が取っておくが、一部屋と二部屋どっちで取る?」
リオを見つめる。
シンシアとしてはどちらでも構わない。
リオと共に寝た事もあるし、宿の状況によっては一部屋しか借りれないこともあると思っていたから。
「私は一部屋でも構わないわ」
「シンシアはこう言ってるが、リオはどうするんだ? 俺としてはシンシアはまだ小さいから、一緒の部屋の方が安全だと思うぜ」
「じゃあ、一緒の部屋にしようか」
シンシアと商人の言葉によって、リオはシンシアと同室に泊まる事が決まった。
「よし、じゃあ俺は宿を取ってくるから。皆んなは好きに行動してて良いぞ。夜は宿でとるから、それまでには帰ってこいよ」
宿が何処にあるか知らないで帰れるのだろうかと疑問に思うと、いつも泊まってる宿だから皆と一緒にいれば大丈夫だと教えてくれた。
私たち2人以外は皆んな慣れてるんだった。
「村はそこまで迷うことはないだろうから、大丈夫だ。もし分からなくなったら村の人にリアムが泊まってる宿について聞いたら教えてくれるだろう」
ひとまずはぐれてしまっても大丈夫だと言う事がわかり一安心する。
「俺たちはいつものカフェにリオとシンシアを案内する所なんだけど、お前らも一緒にどうだ?」
護衛の男が、別の荷馬車に乗っていた護衛2人と商人の弟子の少女に声をかける。
「それは良いな、俺も行くよ」
「皆がいくなら俺も」
「私もご一緒して良いんですか? ぜひ、お供させてください」
「じゃあ全員だな、多分リアムも来るだろうし」
皆快く頷いてくれたので、全員でカフェに向かう事になった。
「シンシアの期待に応えられると良いけどな」
「何のことだ?」
同じ荷馬車に乗っていた男が先程の会話を思い出してそういうと、別の荷馬車に乗っていた護衛が疑問の声を上げる。
「さっきカフェについて話してたんだけど、おすすめのカフェだって言ったら、すごい期待してくれてさ。ちょっとハードル上がっちゃったんだよな、ははっ!」
「お嬢様なシンシアの口にも合うと良いんだけど……緊張してきたな」
1番初めにシンシアに店を勧めた男の背中を、一緒にいた男が笑いながらバシッと叩く。
「そんな話をしてたのか、俺まで緊張してくるから、リラックスしてくれ」
「ははっ、違いねえ」
護衛4人は砕けた様子で話していて、シンシアはその様子を微笑んで見つめる。
「4人とも仲が良いですよね」
先程合流したばかりの少女、イルゼがシンシアに話しかけてくる。
「ええ、見てるだけで楽しくなるわ」
イルゼはゆったりと歩きながらシンシアの近くに寄ってくる。
「分かります。カフェ、私も好きなんです。シンシアさんの好みに合うと嬉しいです」
「護衛の皆だけじゃなくて、商人にも気に入られてるカフェか、ますます気になるね」
リオも会話に加わってきて、護衛たちとはまた違ったゆったりとした雰囲気が流れる。
「そうね、気になるわ。じゃあ、カフェではイルゼのお気に入りを頼もうかしらね」
自ら話しかけてくれたイルゼに、シンシアはそう言った。
「私のお気に入りですか?! わ、緊張してきました。甘い物なんですけど、大丈夫ですか」
まさか自分の好きなものを頼もうとするとは思っていなかったイルゼが、今更になってシンシアに評価される側になったことを実感したのか、オドオドと緊張しはじめた。
「甘いものは好きよ。ふふっ、楽しみ」
そんな様子を見たリオは口元を隠して肩を揺らしていた。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
誤字脱字、表現のミスがあったらそっと教えてくれると嬉しいです。




