第七十五夜:特別
今日はあまり体調が良くなくてすごく短いです、すみません。
皆さんも体調にはお気をつけください。
「姉妹じゃないなら、親は心配しないのか?」
「俺には2人とも、貴族や良いところのお嬢様に見えるから、お付きの人が居ないのが気になるな」
2人の護衛がそれぞれの考えを口にする。
確かに、姉妹でなく血縁関係にもないなら、12歳くらいに見えるシンシアと19歳ほどのリオの2人が他に大人を連れずに旅をしているのは不思議に見えるだろう。
クロエもそうだが、この護衛たちもシンシアの格好がそれなりに位の高い令嬢に見えるようだ。
護衛の男は、無理に言う必要は無いとこちらを気遣う様子を見せる。
商人の護衛を請け負うだけあって、あまり深入りをしようとはしてこない。
「あははっ、わたしたちに血縁関係は無いけど、ずーっと一緒にいようって約束するくらい仲が良いんだよ。特別な存在って感じかな? ふふっ、わたしはそれなりに名の知れた一族ではあるけど貴族では無いよ」
リオはシンシアの手を取り、2人に見せつけるように手を振りながら答える。
いつかに死んでしまうまでずっと一緒にいると言われたけれど、あれって約束だったの?
それに、特別な存在という言葉。
本当に?と言う気持ちと、むず痒い気持ちが胸をざわつかせるが、シンシアが気になったのはリオの出自だ。
リオは前にも自身の一族について教えてくれたことがある。
確かその時は、特殊な一族だと言っていた。
それに、対をなす一族がいるとも。
そして、今の話でそれなりに名の知れた一族であると言うことが分かった。
けれど貴族では無いらしい。
ますます謎は深まるばかりだ。
「ははっ、確かに。2人は特別な関係だな、それなら親も安心するだろう。この旅が2人にとって良い思い出になる事を願ってるよ」
男はリオとシンシアが家族公認の仲だと思ったのか、納得していた。
実際は両親を幼い頃に亡くし天涯孤独なシンシアと、特殊な一族のリオが自由に旅をしているだけなのだが。
まあ、リオの保護者のようなライと、メイドとして尽くしてくれるエミリーの2人には許可をもらっているから変わらないのだろうか。
「貴方たちの言うお付きの人はリオの屋敷で仕事を任せているから、今はいないの。エミリーは付いて行きたかったらしいわ」
リオが答えていなかったもう1人の護衛の質問について、シンシアが答える。
ついでにエミリーが旅について行きたかったと言っていた事をリオに伝えておく。
「へえ、やっぱ居るんだ。お付きの人ってずっとそばにいなくても良いのか」
お付きの人について質問して来た護衛が腕を組んでしみじみと頷く。
「うーん、貴族の知り合いには常に側使いがいた人もいたから、これに関してはどちらとも言えないかな。わたしたちは魔法も使えるし、自分のことは自分でできるからって言うのもあるだろうしね」
リオは唇に人差し指をトントンと当てて、そう言う。
「貴族の知り合いもいるのか?!本当に良いところのお嬢様じゃないか。それに、魔法も使えるんだな、俺は使えないから羨ましいよ」
護衛の男はぎょっと目を見開き、驚いた様子で声をあげる。
もう片方の男もうんうんと頷いているので、2人とも魔法は使えないようだ。
リオとクロエの言った通り、魔法を使える人はそう多くないのだろう。
「あくまで関わりがあるってことだけだよ。でも、魔法のおかげでこうして自由に過ごせるのは確かに良いところだと思う。わたしたちの出会いも魔法だったし」
最後まで読んでくれてありがとうございます。
誤字脱字、表現のミスがあったらそっと教えてくれると嬉しいです。




