第七夜:爽やかな香り
小説って何時更新が良いんでしょうか。
深夜より正午や夕方あたりがいいんですかねー。
後半リオ視点です。
「よかった、また来るね。今度は一緒に食べられるものでも持ってくるよ、楽しみにしてて。」
「それは……美味しいの?」
「もちろん。このわたしが保証するよ。それじゃあまたね、おやすみ。」
そう言ってリオはシンシアの頭を2、3回撫でてからパッと姿を消してしまった。
まるでそこには誰も居なかったかのように跡形もない。残っているのは頭を撫でた手の温もりと、彼女の纏った爽やかな香りだけである。
彼女は意外と爽やかな香りが好みらしい。
彼女が帰ってからシンシアは嫌な夢を見ていたのに、苦しい気持ちが消えていることに気づく。
「変な人ね。私のことを面白いだとかおかしいなんて言うけれど、あっちの方がおかしいと思うわ。……でも、嫌な気はしないわね。」
そう言ってシンシアは屋敷に戻り、身体を休めることにした。
「もしかして彼女、ここにくる時もあんな風に魔法で現れたのかしら?……それなら私が驚いても無理はないわね。」
嫌な夢を見てクシャクシャに乱れた布団、涙を吸い取って濡れてしまった枕を魔法でサッと整えてベッドに潜り込む。
シンシアにとって魔法は生活を楽にするものだ。レイリアとオリアナもそうしていた。
魔法で一瞬で場所を移動するなんて考えたこともなかった。
「屋敷の外に美味しいご飯、それに一瞬で場所を移動する魔法……ね。なかなか興味深いじゃない。ふふふ」
その夜、珍しくまとまった睡眠を取ることができた。
「どうして、私は……っ……!」
また泣いている声が聞こえた。彼女は今日も泣いているらしい。
もはや聞き慣れたその声に心配で居ても立っても居られなくなったリオは魔法で彼女の前に現れることにした。
そして、出会ったのである。とても面白可笑しくて可愛い少女、シアに——。
ずっと、声だけは聞こえていた。でも、初めて姿を見ることができた。初めて見た少女は泣いていたが、泣いていてもなお美しい姿をしていた。
月の光に照らされて金髪にすら見える銀髪に、甘い蜂蜜のような琥珀色の瞳。いまは泣いているが、それもまた彼女の神秘的な雰囲気と相まって目を惹かれてしまう。
「ねえ、君。どうして泣いているんだい?」
「わたしで良ければ話してくれないかい?」
「……え……?……誰?……なんで、ここに……?」
今日出会うまでの彼女はずっと泣いていた。疲れ果てて眠ってしまうか、自然に涙が止まるまで。
一度だって泣き止んだことなんてなかったのに。
それがリオに話しかけられただけで泣き止んだのである。
先程まであんなに泣いていたのに、急に泣きやめるんだ、とリオは面白くなってしまった。
笑い声を抑えられなかった。
「貴方の髪、素敵ね……。こんなに綺麗な人初めて見たわ。」
しかもこんなことまで言うのだから、あははっと心底楽しそうに笑ってしまったのも無理はないだろう。
だって今までどうしたら涙止まられるんだろうと考えていた少女が、自分の姿をみただけで泣き止んだ挙句、呆然とした顔で誉めてきたのだから。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
誤字脱字、表現の間違いなどを見つけましたらそっと教えていただけると幸いです。




