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とこしえの2人  作者: 雪月影
第三章:ひとりぼっちが愛をしる

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第六十六夜:美味しさの秘訣は気持ち?

包容力のある人って良いですよねー。

今日見たら評価が付いてて驚きました、嬉しかったです。押してくれた方、ありがとうございます。



 「うん、用意できたわね! 食べましょうか!」



 無事に食器などを運び、4人全員が席につくと、レイアがぱちんと両手を叩いてそう言った。



 「わーい! ココ、こんなに食べられるかなぁ」



 「2人とも、作ってくれてありがとう。……いただきます」



 レイアが声をかけると、クロエは両手を頬に当てて瞳を輝かせ、リオは食事を作ったレイアとシンシアに労いの言葉を言った。



 「ココもお手伝いしたよ! リオー!」



 リオがレイアとシンシアにお礼を言うと、ぷくっと頬を膨らませたクロエが抗議して、リオはくすっと笑う。



 「ふふっ、そうだね。ココもありがとう」



 リオのお礼に満足したクロエは、うんうんと自慢気に笑って頷く。



 「何から食べようかなぁ」



 クロエは小さな手を頬に当ててとんとんと触ると、悩ましそうな声を出した。



 今日は品数が多い分、何から食べようか迷っているようで、うーんと唸る無意識の声が出ていた。



 「そうねぇ、まずはポトフからが良いんじゃないかしら。サラダは食べられそうだったらで良いわよ? 今日だけね」



 かなり真剣な様子で悩んでいたクロエに、レイアが助け舟を出した。



 多分、サラダから食べるとデザートを食べる前にお腹いっぱいになってしまうと考えたのだろう。



 「えーいいの? やったー! じゃあポトフからにする!」



 レイアの言葉を聞いたクロエは、ぱっとレイアに顔を向けると、みるみるうちに嬉しそうに頬をあげて喜んだ。



 「……はぁ、あったかいね」



 汁のたっぷりと染み込んだキャベツを口に入れたクロエは、もぐもぐと咀嚼して飲み込むと、しみじみとした様子でそう言った。



 「みんなも、サラダは食べられそうだったらで良いのよ? うん、良い感じね」



 クロエだけでなく、シンシアやリオにもクロエ同様の気遣いをしてくれるレイアに、シンシアは自分の口角が上がっていくのがわかる。



 私は小さい子じゃないから適量が分かるのに。



 そう思いつつ、レイアの気遣いの真意は分かるので、なんともレイアらしい気遣いで笑ってしまう。



 リオとシンシアは子供という歳ではないのに、レイアはいつもクロエに向けるように優しい瞳でこちらをみて、笑いかけてくれる。



 そういうところがレイアの魅力だと思う。



 初めてのことで戸惑っている時に、レイアが小さな子供に語りかけるように柔らかい話し方で諭してくれたからストンと納得できたし、リオといる時とは違う安心感がある。



 居心地が良いわね。



 底抜けに明るいクロエに、同じように明るいけれど全てを包み込んでくれる穏やかな明るさのレイア。



 この2人と知り合えてよかったと思う。



 「初めて食べたけれど、野菜の味がやさしく染み込んでいて良いわね」



 ポトフを一口食べてみると、ほろほろと口の中で崩れる芋から、野菜の甘みがじわりと口の中に広がった。



 がっつりと調味料を入れたわけではないのに、しっかりと味がするのが良い。



 「ふふっ、でしょう? なんだか心が温まるのよね」



 「うん、懐かしい感じっていうのかな。確かにあたたかく感じるね」



 2人とも言葉に表しづらい安心感を抱いているようで、それにはシンシアも同意する。



 冬では無くて、春にこうしてポトフを食べるというのもその理由だと思う。



 「もしかしたら、シンディが野菜を切ってくれたからぽかぽかなのかも?」



 ポトフをあらかた食べ終わったクロエが満足そうにそう言った。



 「ふふっ、それもありそうね!シンディちゃん、頑張ってたもの。きっとシンディちゃんの気持ちがこもってるから、あたたかいのね」



 「あははっ、確かに!ありがとう、シア」



 良いことを思いついたわね! とでも言うようににこにこと微笑んだレイアに、胸がくすぐったくなる。



 2人に私の気持ちが届くなら、悪くないわね。



 言葉が詰まって、こくりと頷くしかできないシンシアに、レイアたちはふふっと声を漏らした。



 「カナッペ食べたい!」



 ポトフを一通り食べたクロエは、一口台のパンの上にトマトとチーズが乗ったカナッペをみてそう言った。



 まだ背が小さくて机の中央近くにあるカナッペに手が届かないクロエに変わって、隣に座っていたレイアが手に取ってクロエの口に運ぶ。



 「あー、ん!」


 

 レイアが口にカナッペを運んでくるのに合わせてぱくりと口を開けたクロエは、小さな口でカナッペを半分ほど食べた。



 ぱくりと音がなりそうな一口は、子供らしくて可愛い。



 シンシアはまだカナッペを食べていないが、トマトとチーズなら絶対に美味しいと思う。



 「んー……今日のトマト、いいね」



 一口をじっくり味わったクロエは、面白おかしく大人ぶって言った。



 「ふふっ、お眼鏡にかなったようで良かったわ」



 レイアは動じず普通に返事をしていることから、普段からこの様子なことが分かる。



 クロエはトマト評論家なのかしら?



 「はい、シアもあーん」



 クロエたちの様子を微笑ましくみていると、隣からカナッペが口元に運ばれる。



 リオは面白そうに微笑んでいて、なんとなく目を逸らしたくなるが、口を開きカナッペを口に含む。



 バゲットのカリッとした音が口の中で響いて、次にトマトのぷちっと食感が口に広がる。



 トマトのさっぱりとした酸味と、ほんのりの甘さがチーズと混ざって、まろやかな味になる。



 水分を沢山含むトマトはバゲットとの相性がよく、バゲットのパサパサはあまり気にならない。



 「……うん、確かに。良いトマトね」



 トマトが主役のようなものだから、クロエと同じようにトマトを褒めてみる。



 隣からは、ふはっと息を吹き出して笑う声が聞こえる。



 クロエはうんうんと頷いていた。




最後まで読んでくれてありがとうございます。

誤字脱字、表現のミスがあったらそっと教えてもらえると嬉しいです。

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