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とこしえの2人  作者: 雪月影
第三章:ひとりぼっちが愛をしる

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第六十二夜:もっちもち三色団子とひらめき

諸事情によりいつもより遅い時間になりましたT_T

三色団子の由来っていくつか説がありますが、皆さんはどっち派ですか。



 「わぁー、ツルツルしてる!ね、早く食べよう!!!」



 クロエはリオが受け取った三色団子を覗き込むと目を輝かせて食事スペースを指さす。



 「もう、ココちゃん。落ち着いて、すぐに食べられるわよ」



 はやくー!とせがむクロエに、レイアはそう言って窘めた。



 「ふふっ、気になるわよね。わたしもよ」



 興奮した様子のクロエに、シンシアはクロエの手を握り食事スペースへ一緒に向かう。



 「はい、落とさないようにね」



 席に着くと、リオが一人一人に団子を配ってくれた。



 「わぁー、ありがとう!食べてもいい?」



 クロエは棒をそっと手に持つと、リオをキラキラとした瞳で見つめる。



 「ふふっ、どうぞ」


 

 「ありがとう!いただきます!……ん!?」



 ぱくりと一口食べたクロエは、口に入れた瞬間に驚いた声を出して咀嚼した。



 レイアにリオ、シンシアが見守る中、クロエはごっくんと団子を呑み込んだ。



 「……す、すごーい!!!これ、もちもち!みんなも食べてみて!」



 団子を見つめて大絶賛しているクロエに、シンシアたちは目配せをして、食べてみることにした。



 ピンク、白、緑の少し一口台にしては少し大きめの団子が三つ。



 表面はツルツルとしていて、ほのかに甘い香りがする。



 ピンク色の団子を半分ほど口に含む。



 今までに感じたことない甘みが口の中に広がる。



 普段の甘さがはっきりとした甘みなら、これは柔らかい甘みだろうか。



 それに、確かにもちもちしている。



 味はずっと一定なのに、弾力があって柔らかいから飽きない。



 確かに、甘すぎなくて美味しい。



 「本当ね、もっちもちだわ!」



 先に一口食べ終わったレイアが随分と驚いた様子で感想を言う。



 「……うん、確かに。それに、いい甘さだね」



 レイアに続いて感想を言うリオに、シンシアは同調するようにこくこくと頷く。



 思ったよりもちもちでまだ吞み込めていなかったからだ。



 「私、これ結構好きだわ」



 ごくりと呑み込んだシンシアは、皆がもう感想を言っていたので他のことを言うことにした。



 「ココもこれ好き!おいしい!」



 「そうね、でもココちゃんはもう少しちゃんと噛んで食べてほしいわ。喉に詰まったら大変だもの!」



 うんうんと頷くクロエに対し、レイアは頬に手を当てて少し困ったようにそう言った。



 「確かに、小さい子が食べるには少しもちもちすぎるかもしれないね。ココ、団子を食べる時は小さな一口で食べよう」



 そうなのだ、かなり咀嚼しないで呑み込むと大きな塊が喉に詰まってしまいそうになる。



 びよーんとよく伸びるからこそ、きちんと噛まないと大変になる。



 「そうね、いつもの半分くらいずつ食べたほうが良さそう」



 「えー、でも分かった!ココ、偉いからちゃんと噛む!これ、最初は少ないなぁって思ってたけど、少しずつ食べてたらそんなことない気がしてきたかも!」



 「ははっ、そうだね。それにまだまだ他のだって食べるかもだし。ふふっ」



 大人たちの言うことをきちんと聞いて、きちんと噛むことを約束してくれたクロエはそんなことを思っていたようで、シンシアも笑いそうになる。



 「もう、ココちゃんってば。ふふっ」



 「一本が丁度いいのかもね」



 子供らしく食べ盛りなクロエに、皆笑い声を漏らした。



 「あー!なんで笑うのー、もう!ふふっ」



 くすくすと笑う大人たちに、クロエも微笑んだ。



 「ほら、食べましょう?他の色はどんな味なのかしらね」



 シンシアがそう言ったことで、皆はまた団子を食べ始めたが、ピンク以外の色も味は変わらなかった。



 「なーんだ、全然違う味かと思ったら同じだったんだ。でも、ピンク白緑って不思議な組み合わせだねー?」



 1番最初に食べ終わったクロエが首を傾げてそう言った。



 「そうねぇ。でも、美味しかったわね!まーまもお団子好きよ」



 「ふふっ、結局同じ味だったのは残念だったけど美味しかったよ。うーん、何か意味があるんだろうけど、見当がつかないね」



 リオは唇に人差し指をトントンと当てて少し考えていたが、結局は思い浮かばなかったようだ。



 「美味しかったわ。東の国の伝統菓子なら、きっと意味があるのでしょうね。あそこは季節にも意味を見出しているし……」



 昔レイリアとオリアナが教えてくれた言葉を思い出す。



 「春は出会いと別れの季節ですよ!」



 「そういえば、チェリーブロッサムを見た東の国の人たちは、季節の移り変わりについて考えるそうですよ。なんでも、あちらの国では"諸行無常"なんて言葉があるそうで、この世の全てのものは絶えず変わり続けるものだという意味だそうです。不思議ですよね」



 あ、もしかして



 「ねえ、これって春のことだったりしないかしら」



 もしかしたらと思ってぽつりと言ってみる。



 「季節?」



 皆がこちらを見つめて不思議そうに言った。



 「昔聞いた話なのだけれど、東の国にはこの世の全てのものは絶えず変わり続けるという考えがあるのですって。貴方たち、チェリーブロッサムという春の花を知っているかしら」



 なるべく分かりやすいように、頭の中で順序立てて話す。



 「あまり聞いたことがないわね」



 「ココもー!初めて聞いた!」



 「シアの屋敷の花だよね。ちょうど三色団子のピンク色と同じような花をつける……あぁ、そう言うこと?」



 リオはピンときたようで、また唇に人差し指をトントンと当てる。



 「ええ、チェリーブロッサムの花はリオも言ったように、お団子のピンク色のような色の花を咲かすのよね。この花、東の国の代表的な花らしいの。でね、チェリーブロッサムは満開になると全体的にみると白く見えることがあるの。花が散った後は皆が思い描くような緑あふれる春が訪れるのよね。……団子のピンクはこのチェリーブロッサムの先始め、白は満開、緑は新緑。どうかしら」



 「えー!なにそれ、すごい!シンディ、よくそんなの思いついたね!!!もしそれが本当だったら、東の国ってチェリーブロッサムのお花がだーいすきなんだね!」



 ぱちぱちぱちと一生懸命に拍手してキラキラとした瞳でこちらをみてくるクロエに、少し照れ臭くなる。



 なんとなくそう思っただけだから、当たっていないかもしれないけれど、それはそれとして褒められるのは嬉しくなる。



 「シンディちゃん、物知りね!でも、言われてみたら納得できるわ」



 レイアは感心した様子でこちらを見てくる。



 「わたしとしても、シアの考えは的を射てると思うよ。根拠はないけれど、確かに説得力がある。ふふっ、シアはえらいね」



 リオはよくできましたと言って、優しく頭を撫でてにこにこと微笑んだ。



 合っているか分からないが、やはり褒められるのはむずむずする。



 


最後まで読んでくれてありがとうございます。

誤字脱字、表現のミスがあったらそっと教えてくれると嬉しいです。

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