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とこしえの2人  作者: 雪月影
第三章:ひとりぼっちが愛をしる

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第六十夜:お姉さんからのアドバイス

書いていたらレイアさんが思ったよりも核心をついてしまって私もびっくりです。



 シンシアとリオ、クロエの3人がはしゃいでいると、レイアが扉をガチャリと開けて姿を現した。



 「ふふっ、ココちゃん良かったわね」



 「まーま!」



 クロエは3人の前に立ったレイアに抱きついてぴょんぴょんと跳ねている。



 「シンディとリオがかわいいって!うれしい!」



 「そうね!ココちゃんが可愛いって褒められてまーまも嬉しい!」



 クロエだけでも賑やかだけれど、そこにレイアも加わるとさらに盛り上がる。



 「ふふっ、楽しくなりそうだね」



 クロエとレイアの様子を眺めるリオが声を漏らす。



 「ええ、きっと楽しいわ」



 「ねーね、早く行こう!」



 落ち着いた雰囲気で2人で話していたところに、クロエがシンシアの手をぐいぐいとひいて乱入してくる。



 「わっ、ココ、引っ張らないで」



 いきなりのことで体勢を崩してクロエに引っ張られるシンシアに、リオは吹き出すように笑った。



 「あははっ!うん、行こうか!」



 「しゅっぱーつ!」



 こうしてクロエとレイア、リオとシンディの4人でのお出かけが始まった。



 手を繋いで歩くシンシアとクロエの後ろをリオとレイアが付いていく形で道を進む。



 「そういえば、結局あの後はどうなったの?」



 時折ぴょんぴょんとはしゃぐクロエを見ながら、レイアが隣を歩くリオに問いかける。



 「ああ、言ってなかったね。……ふふっ、しばらくは一緒にソレイユ邸に居てくれるって言ってくれたよ」



 「ふふっ、それは良かったわね!ねえ、どうやってシンディちゃんとあんなに仲良くなったのかしら?お姉さん、気になっちゃうー!」



 柔らかく微笑み話すリオに、レイアも心から嬉しそうに微笑む。



 そして、ごく自然にそう問いかけた。



 「うーん、たくさん会いに行ってたよ。もしかして、シアともっと仲良くなりたいのかい?」



 リオは人差し指を顎にトントンと当ててそう答えた。



 「そうなのね!ふふっ……それもあるけれど、ただ気になって。……だって貴方、シンディちゃんに男の子だって言ってないでしょう?」



 いつもと変わらない様子なのに、2人の間がぴしっと固まったように感じる。



 リオは笑顔のまま一瞬固まって、少しの間黙りこくっていた。



 「言ってないけれど……まって、女の子だと思われているってことかい?」



 リオは途中から声を潜めてレイアに話した。



 「やっぱりそうなのね。ええ、絶対にそう思ってるわよ。ふふっ」



 レイア面白そうにそういうと、前を歩くクロエとシンシアに気が付かれないよう笑う。



 まさか女性だと思われていたとは思わなかったリオは、肩を落としてしまう。



 じゃあ今までずっと女性だと思われていたのかい?本当に?



 今までずっと気が付かなかった?



 嘘だろう?まさかそんなに鈍感なんて思わなかった。



 「はぁ……まさかそんなことがあるとはね。よく間違えられるけど、みんなすぐ気がつくからシアも気がつくだろうと思っていたんだけれど」



 おでこに手を添えて、ため息を漏らす。



 「ふふっ、まだまだね。もっとアピールしないと気が付かないわよ、きっと」



 「アピール……?」



 「ええ!今の距離で満足していたら、他の男に取られちゃうわよ!シンディちゃんはあんなに可愛いんだから!」



 肩を落とし落ち込んでいるリオに、レイアはぐっと拳をにぎり力強く断言する。



 「まって、わたしはそういう意味でアピールしようとは思ってないよ」



 ライと同じようなことを言うレイアに、慌てて両手を振り否定しようとする。



 「あら?じゃあどういう意味かしら?」



 いつもの穏やかで柔らかい雰囲気のリオと違って余裕のない表情をするリオに、レイアは面白そうに問いかけた。



 「ずっと女性だと勘違いさせてしまってたってことは、シアを騙してたことになる。だから、男性だってきちんと伝えないとだろう?そういう意味だよ」



 そう、きっと気づいているだろうと思ってあえて明言しなかったからこそ、ずっとシアを騙してしまった。



 故意では無かったとしても、シアを傷つけてしまうかもしれない。



 「ふーん、そういうことね。それにしても随分な慌てようだけど、本当に?素直になってもいいのよ?」



 「たとえ君の考えの通りだったとしても、伝えるつもりは無いよ、絶対にね。だからそういう意味じゃないんだ」



 ニヤニヤといつもの明るいレイアと違って、いたずらな笑みを浮かべるレイアにリオは余裕のある表情を取り繕い言葉を並べる。



 「……どうして?あんなに好いてくれているのに。シンディちゃんだってリオがそうだと知ったらきっと好きになると思うわ」



 決意に満ちた瞳で言い返したリオに、レイアは心底わからないというように首を傾げる。



 「そもそもシアはまだ若いし、歳の差がありすぎる。それに、いつかいなくなってしまうなら最初から何も無かったことにした方が良い」



 レイアから顔を逸らしていつもより自信のない声で答えた。



 いつかライにも言ったことだ。



 「え?シンディちゃんって見た目は幼いけれど、精神はかなり大人よね?見かけ通りの年齢にしては達観しすぎだもの。多分、リオちゃんが思っているより大人よ。それに、言わなかったら後悔するわ!ずっとあの時に言っていたらって思って生きていくのよ」



 レイアは一瞬目を見開いて驚くと、頬に手を当ててそう言った。



 「リオちゃんの事情は分からないけれど、お姉さんとして言わせて貰うわね。時間は有限なの、だからこそ思いは伝えなくちゃ。うじうじしていたら時間は過ぎて行ってしまうの。だから本当に大切な気持ちは自分ときちんと相談して伝えるか伝えないか決めてね。……たとえ一瞬の幸せでも、その幸せはその後の人生の支えになるのよ。一歩踏み出してみないと見れない景色もあるの!……ふふっ、お姉さんからのアドバイスはここまで」



 レイアはそれだけ言うと、前を歩くクロエとシンシアのもとに駆け寄って楽しそうに2人と話出した。



 

最後まで読んでくれてありがとうございます。

誤字脱字、表現の間違いがあったらそっと教えてくれると嬉しいです。

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