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とこしえの2人  作者: 雪月影
第三章:ひとりぼっちが愛をしる

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第五十九夜:ココ、かわいい!

やっぱり小さい子の無邪気さって良いですよね。



 クロエに手を引かれて2人の家の前まで来ると、クロエはすぅーっと息を吸った。



 「まーま!あーけーてー!!!」



 ドンドンとドアノッカーを容赦なく叩きながら、元気よく大きな声でレイアを呼んだ。



 「まーまー!ココだよー!はーやーくー!」



 ドンドンドンドーン!



 クロエのドアノッカーを叩く音も、クロエの声も止まらない。



 ドアノッカーってこんなに鳴らすものだったかしら?



 シンシアは一瞬困惑して、自分の常識を疑った。



 「はいはーい、今行くわねー!」



 家の中からレイアの小さな声が聞こえてくるが、クロエはまだ止まらない。



 「まーまー!」



 クロエはにこにことしながらレイアを呼び続ける。



 「ココちゃーん、まーまよー!ってあら?!シンディちゃんにリオちゃんじゃない?!」



 ガチャリと扉を開いて姿を現したレイアは、クロエと似た笑顔で穏やかにクロエを見たかと思うと、クロエの後ろにいたシンシアとリオに気づいて、頬に手を当てて目をまんまると見開いた。



 「レイア、こんにちは。会いにきたの」



 「こんにちはレイア、数日ぶりだね」



 「ココ、2人連れてきたー!」



 シンシアとリオは上品に手を振ってレイアに再会の挨拶をして、クロエはきゃらきゃらと笑いながらレイアに抱きついて嬉しそうにしている。



 「まぁ、ココちゃんってば良くやったわね!えらいわ!まーま、そろそろシンディちゃんたちに会いたいと思ってたの!……2人とも久しぶりね!!!会いにきてくれて嬉しいわ、うふふ!」



 腰に抱きついてきたココを抱き返しながら、レイアはクロエと同じようににこにこと笑う。



 「2人とも元気そうで安心したわ」



 圧倒的な明るさに、そういえば2人はこうだったと思い出して微笑む。



 「シンディちゃんってば、レイアお姉さんに会いたかったのね。お姉さん嬉しい!うふふっ」



 にこにこと微笑むシンシアを見て、レイアは上機嫌に声を上げた。



 「ふふっ、うん。会いたかったわ」



 「あらあら、そんなに可愛くなっちゃってお姉さん感激っ!」



 ふふふっと2人は目を合わせて微笑む。



 「わたしたち、これから街を歩こうと思っているんだけど、2人も一緒に行けたらと思って誘いに来たんだ」



 リオが本題を切り出した。



 「え!!シンディとデート?!えー!ココも行きたい!」



 「まぁ、良いの?嬉しいわ、ぜひご一緒させて欲しいわ」



 リオの誘いを聞いたクロエがばっとシンシアたちを振り返り、目をキラキラとさせてぴょんぴょんと飛び跳ねている。



 その様子をにこにこと見ながら、レイアも嬉しそうに承諾した。



 「良かった!じゃあ、それで決まりだね」



 「やったー!まってて、ココ可愛いバッグ持ってくる!」



 シンシアたちと出かけられると分かったクロエは、そういうや否やピューンと走り出して家の中へ消えてしまった。



 「ふふふっ、ココちゃんってばあんなにはしゃいじゃって。2人とも、少し待っていてくれる?準備してくるわね」



 頬に手を当てて優しく微笑んだレイアは、クロエとは違い落ち着いた様子でそう言った。



 「ええ、もちろんよ。ゆっくり準備してらっしゃい」



 「ありがとう!」



 シンシアが微笑みながら頷くと、レイアも準備をしに扉を閉めて家の中へ向かった。



 「良かったね、シア」



 閉ざされた扉を横目に、リオは柔らかい声でそう言った。



 「ええ、嬉しいわ!」



 シンシアもリオを見つめて笑い返す。



 2人が消えた扉の向こうでは、クロエの声が小さく聞こえてくる。



 まーまー!このバッグどーう?!似合う?!



 こっちは?!あ、やっぱりこっち!



 ココ、やっぱりこれにするー!



 扉を開けているわけでも、聞き耳を立てているわけでもないのに聞こえてくるクロエの声に、2人は目を合わせてくすりと笑ってしまう。



 「ココ、嬉しそうだね。ふふっ」



 リオは口に手を当てて笑っている。



 「ええ、本当に元気なんだから。ふふっ」



 ココが2人と街を見るのを楽しみにしているのが分かって嬉しい。



 バーン!っと扉が開く音がして、元気一杯の明るい声が聞こえてくる。



 「おまたせー!ココ、準備できた!」



 腰に手を当てて、どーんという効果音が似合いそうなほど胸を張って自慢気に微笑むクロエが扉の前に立つ。



 肩掛けのふんわりとした雰囲気のバッグには真ん中に大きなリボンがついていて可愛らしい。



 「ふふん!今日のココ、かわいい!」



 2人に見せつけるように胸を張ったココは、胸をぽんっと叩いてにこにことしている。



 「ふふっ、そうね。そのポシェット、リボンが可愛くてココによく似合っているわ。可愛いわよ、ココ」



 小さなクロエが胸を張り自画自賛する姿に、シンシアは頬が緩む。



 「うんうん。かわいいね」



 リオも頷いてクロエを褒め、髪を撫でる。



 「でしょ!ココのお気に入りなの!このリボン、シンディみたいでかわいいから!」



 2人に褒められたクロエは無邪気に微笑むと、リボンを見せつけるようにポシェットを手に取って持ち上げた。



 「確かに、シアとおそろいだね!ふふっ」



 「ココ……ふふっ」



 お揃いみたいだからお気に入り!というクロエに、シンシアは心の底からクロエがかわいくて顔を綻ばせた。



 「かわいいわ、ココ」



 胸いっぱいに満たす気持ちをどうにかしたくて、クロエの前にしゃがみ込んで髪をそっと撫でる。



 かわいいって、こういう事ね。



 本当の意味の可愛いが分かった気がするわ。



 ふふふっと微笑みながら、クロエの髪を撫でるとクロエがにこにこと微笑むから、もっと嬉しくなる。



 「わ、シンディ!にこにこしてる!かわいい!!!!!ココ、たくさん嬉しい!」



 慈愛溢れる笑みをして頭を撫でるシンシアに、クロエはきゃあきゃあとはしゃいだ。



 


 

最後まで読んでくれてありがとうございます。

誤字脱字、表現のミスがあったらそっと教えてくれると嬉しいです。

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