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とこしえの2人  作者: 雪月影
第三章:ひとりぼっちが愛をしる

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50/80

第五十夜:答え合わせはさくらんぼ

今までで1番甘い気がします。

50話にふさわしい甘さに仕上げました^_^



 湯浴みから上がり、メイド達に身支度をしてもらう。



 「シンシア様、少し顔色が優れないようですが、体調の方は問題ありませんか?」



 湯浴みから上がっても尚、林檎のように染まった頬に気が付いたのだろう。



 「ええ、大丈夫よ。何も問題はないの」



 シンシアは頬を両手でおさえると、誤魔化すように控えめな笑みを浮かべて見せた。



 保湿や着替えが終わったら、夕食を食べるために小部屋に移動する。



 私、愛の印とか結婚式とかのつもりで花冠を作ったわけではないの。



 流石に考えが浅はかだったかしら。



 ただ、似合いそうだと思って被せてみたのだけれど。



 結婚式って、永遠の愛を誓ってキスをするあれよね?



 お花畑での指先へのキスが思い浮かぶ。



 花冠とキス……!



 これって少し違うけれど、結婚式と同じことをしていないかしら?!



 一度考えてしまうとさらに考えてしまう。



 そう、額や髪にキスをされたこととか。



 少し前に、眠る前と起きた時のキスをしたこととか。



 やっぱり、キスってそういう間柄の人としかしないものなの?



 ぶわっと顔中に熱が広がっていく。



 どくどくと自分の鼓動が聞こえてきて、身体中に緊張が走ってしまう。



 落ち着かないと。



 私もリオも女性なのだから、結婚も何も無いの。



 だから、あのキスはきっと仲良しの証みたいなものなのよ。



 きっとそうよね?



 前を歩くエミリーに気づかれないように、すぅーはぁーと深呼吸をする。



 大丈夫、何も変じゃないわ。



 少しずつ顔の火照りもおさまっただろうか。



 何度か深呼吸を繰り返して、心が落ち着いていく。



 ……うん、大丈夫。



 ちょうどその時、エミリーが立ち止まって声をかけてから小部屋の扉を開けた。



 リオと会うのよね。



 また、顔赤くならないと良いのだけれど。



 落ち着いていこう、と覚悟を決めて部屋に足を踏み入れる。


 

 部屋には同じように湯浴みを済ませたのだろうリオが、ゆったりとした足首まである白いワンピースに、その上に肩から脇まで斜めにドレープをとった淡い緋色の布を合わせた服装をして、ソファにかけていた。



 「シア、ゆっくり出来たかい?」



 リオはシンシアが訪れた事に気がつくと、ゆっくりとこちらに近づいてきて、そのまま手をひいた。



 「……ええ、リオも?」



 シンシアは一瞬言葉に詰まって、なんとか肯定を返した。



 「うん」



 リオは柔らかく微笑む。



 2人はそのままソファに腰掛ける。



 ふわっと弾力があって、座り心地が良い。



 「シア、なんだか顔が赤いようだけれど、体調が優れないのかい?」



 「……そんなことは無いのだけれど」



 手を繋いだままソファに座ったせいで、リオは肩と肩が触れるほど近かった。



 そんな距離で顔色を確認するように顔をリオの方へと向けられたから、目を逸らしてしまった。



 いま目と目を合わせたら、絶対に思い出してしまう。



 そうなったら、きっともっと赤くなる。



 「……シア?何か言いにくいことでもあったのかい?」



 咄嗟に目を逸らしたシンシアに違和感を覚えたリオは、さらに距離を詰めて両手で頬を包み込んだ。



 強制的に目と目が合うようにされてしまったシンシアの瞳には、心配した様子のリオが映っている。



 「本当に何も無いの。リオ、ちょっと距離が近いと思うわ。恥ずかしい、から、離れて」



 じわりと瞳が潤って、頬が熟した林檎のように赤く染まる。



 最初は何でもなさそうに話していたのに、だんだんと途切れ途切れになってしまう。



 これでは何かあったと言っているようなものだ。



 誤魔化そうとして、逆に失敗している事実が余計に頬を赤くさせる。



 「うーん、そうかい?あ、もしかしてダイヤモンドの石言葉に気がついた?」



 リオはそんなシンシアに少し困った顔をしてから、何かを閃いたようにいたずらに微笑んだ。



 ダイヤモンドの石言葉?



 ……変わらぬ愛、永遠の絆、純愛。



 本で読んだ事がある。



 頭の中で辞書を引いたみたいに、石言葉がすっと頭に思い浮かぶ。



 リオから逃げるように両手で顔を隠そうとするも、頬を包み込んでいた手に掴まれて阻まれてしまう。



 目を合わせられない。



 今の私、絶対に耳まで真っ赤になってる。



 「見ないで、お願い。……恥ずかしくて、目を合わせたくないの」



 ぷるぷると震えながら、いつもよりか細い声でなんとか話す。



 「違うの、わざとじゃ無かったの。ただ似合うと思って作っただけなの」



 何とかしないと、なんともないって思わせないと。



 あまりの恥ずかしさで焦ったシンシアは、言い訳する子供みたいに話した。



 「え、シア?一体何のこと……って、」



 シンシアのあまりの様子に話を聞こうとしたリオは、何かに気づいたのち、シンシアと同じように林檎のように頬を赤く染めた。



 リオは首まで赤くなった顔を隠すように、掴んだ手はそのままシンシアの肩へと顔を埋める。



 林檎じゃなくて、さくらんぼかもしれない。



 

 

最後まで読んでくれてありがとうございます。

誤字脱字、表現の間違いがあったらそっと教えてもらえると嬉しいです。

50話まで続きましたー!読んでくれた皆様、ありがとうございます。

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