第四十六夜:どんなリボンだって似合うよ
デート回、恋人でない美少女を着飾る美少女(男)
息抜きで新しく不遇な王女が自分の手で幸せを掴み、惚れた男の外堀を埋める短編小説書きました!
2000字くらいで書いたので良ければ読んでください笑
リオについて街を歩くと、前に来た時より人が少なく感じる。
歩いているのは街の住民というより、屋敷で働く人のように質の良い服を着た人や、手紙を運んでいる人などが多い。
建物も、小さな建物というよりそこそこ大きめの建物が多いだろうか。
街に近いけれど住宅街のようにも見える。
「リオ、どこに行くの?」
街の様子を観察しながら尋ねると、リオはいたずらに微笑む。
「ふふっ、頼んでおいた品を取りに行くんだよ。シアもきっと気にいるよ」
そう言うとリオは、扉をドンドンと叩いてから開けた。
勝手に開けてしまって良いのかしら。
突然のリオの行動に驚きながら、リオが建物の中を進んでいくので手を繋いでいるシンシアも一緒に進む。
「店主は居るかい?頼んでいたものを取りに来たのだけれど」
中には数人の男女がおり、そのうちの1人だった小柄な男性がリオの元に駆け寄ってくる。
「お客様、どのようなご用件でしょうか。当店は誉ある仕立て屋で御座います。失礼ながら、既製品のお取り扱いはしておりません」
小柄だけれど、なかなか強気な男性だ。
「あははっ、店主にリオが来たと伝えてもらえるかい?それだけで良い。お仕事中失礼するよ」
リオは強気な態度に怯まず、にこにこと笑顔を浮かべてそう言った。
すると今度は女性が焦った様子で奥に向かっていくのが見えた。
男性は眉を顰め、次々と話し出す。
「だから、ここは既製品を取り扱っていない!この店は一流の仕立て屋なんだぞ?!オーダーメイドしか受け付けていないんだ、何か買いたいものがあるなら仕立て屋に連絡を取るか、中古の服でも売ってる庶民店に行くんだな!ふっ、出てけ!」
男性が捲し立てる様子に、シンシアは不安になってリオと繋いでいる手に力をこめてしまう。
「リオ様!私の方から品を持ち寄るので待っていてくださいといつも言っているではありませんか!全く貴方は……。アル、下がりなさい。このお方にお前は相応しくない。頭を冷やしてくると良い。……うちの者が御無礼を致しましたこと、お詫び申し上げます」
奥の扉からしっかりと身なりを整え、知的そうに見える中年の男性が出てくる。
先ほど奥に向かっていた女性も、男性に続いてこちらに向かってくる。
よく見ると2人は目元がよく似ている。
「あははっ!ごめんね、ルイス。待ちきれなくて来てしまった。でも、出来ているんだろう?」
頭を下げる男性と女性に対して、リオは柔らかい笑みで対応する。
いつも言っている、と男性が言っていたように、リオはよくここに来ているのだろうか。
「ええ、それはもちろん。信頼して貰えるのは嬉しいですが、私としてはこちらに取りに来るのを容認することは致しかねますが」
ルイスと呼ばれた男性は呆れたようにそう言った。
男性の呆れた態度を見るに、いつもこうなのだろう。
緊張していた身体がほぐれていくのがわかる。
「早速ご案内致しますので着いてきてください」
ルイスと女性について奥の部屋へと進む。
「そちらの方に?」
「ああ。君の作るものならきっと似合うと思うと待ちきれなくて」
ルイスとリオは歩きながら話す。
部屋に入るとまず目に入ったのは、机の上に並べられたたくさんのリボンだ。
大きなものから小さなもの、色とりどりのリボンが並んでいた。
「わぁ、素敵なリボンがたくさんね」
どれもデザインも質も良いリボンで、思わず声を上げてしまう。
「ふふっ、だろう?この店は良い物を作るから気に入っているんだ。手に取っても良いかい?」
「もちろんです。全て最高級の品ですよ」
リオは自慢気に笑うと、リボンの並べられた机に近付いていく。
リオについて机に近づくと、リボンがよく見えてうっとりとしてしまう。
どのリボンも素敵ね。
リボンの形やデザインも良いけれど、宝石が存在を主張しすぎていなくて自然なデザインなところが素晴らしい。
「うんうん、どれもすごく良いね。流石だ」
リオは並べられたリボンから一つ取ると、シンシアの髪に合わせる。
ネイビーの生地に、黒のレース、真ん中には真紅の宝石、ルビーがはめられている。
引き締まっているけれど華やかな印象のリボンだ。
「……似合うかしら?」
こてんっと首を傾げ、リオを見つめる。
「もちろん、どんなリボンだって似合うよ。かわいい」
リオはくすくすと笑って頷いた。
「そう、良かったわ」
シンシアもくすくすと笑う。
ネイビーのリボンを元の場所に戻すと、次は黒の滑らかな生地とエメラルドがはめられたリボンを合わせた。
シンシアはリボンが似合うかを聞くようにリオを見つめる。
リオは2、3回頷くと、これも良いね似合ってると言った。
リボンが素晴らしいから、どのリボンでもそれなりに似合うのだろう。
なんとなくで他のリボンに目を向けると、目を惹くリボンを見つけた。
「あ……」
「ふふっ、良いリボンでも見つけたかい?」
ひとつのリボンを見つめて声を漏らしたシンシアを見たリオが声をかけた。
最後まで読んでくれてありがとう御座います。
誤字脱字、表現のミスがあったらそっと教えてもらえると嬉しいです。




