第四夜:ひとりぼっちが出会ったのは
口調を考えるの難しいです……。
「ねえ、君。どうして泣いているんだい?」
それは、呼吸を忘れてしまうほど、美しい人だった。
「……え……?だれ……?なんで、ここに……。」
頭がうまく回らない。幻覚でも見ているのだろうか。もしかして、まだ夢は続いていた……?いや、そんなはずはない。跳び起きた時の感覚は本物だった。
心臓がバクバクと鳴り響いて、張り裂けてしまうかと思うほどの鼓動も、気づけば頬を伝っていた涙の感覚も、覚えている。
そんなことよりも、目の前にいるとても美しい彼女は誰?こんなに美しい人、初めて見た。
レイリアとオリアナしか記憶になく、この世界に疎いシンシアでさえ分かる、目の前の人は群を抜いて美しいと。
「驚かせてしまったよね。わたしの名はリオ。君の泣いている声が聞こえたから、居ても立っても居られなくて。来てしまったんだ。」
「何があったんだい?わたしでよければ話してくれないかな?」
——リオ。その響きすら美しく感じる。
シンシアは彼女の名前を心の中で幾度か唱えた。
「……リオ……?」
「ははっ、うん。リオだよ。」
まるでシンシアのことをおかしくてたまらないとでも言うように笑って答えた。
その様子にシンシアは彼女の瞳を見つめたまま黙りこくってしまう。
どういうこと?理解が追いつかないわ。何から言えばいいの……?それにしてもなぜ笑ったの?
「驚いた。わたしが話しかけただけで泣き止んでしまうから。あまりにおもしろくて、つい笑っちゃった。」
「それで、君の名前を教えてはくれないの?」
手を差し出したまま、にこにこと美しく楽しそうにそう言った。
「……シンシア。貴方があんまりにも綺麗だから、びっくりしたの。貴方の髪、素敵ね……。はじめてよ、こんなに美しいと思ったのは。」
少し戸惑いながら、けれどしっかりと応える。
「あははっ!君、もしかして驚いて泣き止んだのかい?それはよかった!」
「ありがとう、こんなに気持ちが伝わってくる言葉は初めてだ……!わたしの髪とシンシアの甘い蜂蜜のような瞳、似てるね。」
「シンシアの涙が止まってよかった。心配してたんだ。君のこと。」
彼女は本当に楽しくてたまらない様子で笑った。そして、シンシアの瞳をじっと見つめてからとびきり優しく目を細めて、そう言った。
初めてのことだらけで心臓の音が鳴り止まない。まるで夢の中で全力で走った時のような速さで鼓動が鳴り響く。
シンシアは、かけられた言葉にどう答えればいいのか分からなかった。
でも、不思議と嫌な気持ちはしない。
彼女はどこか、2人に似ているから。
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