第二十八夜:熱に溺れる
甘いです、とても。
覚悟して読んでください。
リオの美しい瞳を見つめていたら、屋敷に戻っていた。
「……リオ?」
頬にそっと手を添え、親指ですりすりと頬を撫でているリオを不思議に思う。
「シア……無事でよかった。心配したんだ。」
大通りにいた時は焦りを感じさせない笑みを浮かべていたというのに、今は瞳を潤わせてシアをじっと見つめている。
右手は頬に、左手は後頭部に添えて、額と額をこつりと合わせてくる。
シンシアは急な至近距離に驚いて、反応ができない。
「ごめん。……思わず抱きしめてしまったのが気恥ずかしくて、手を繋げなかったんだ。」
「……私も。……リオは悪くないわ、そんなに気負わなくて良いの。」
泣きそうな声でそんな風に言ってくるものだから、かなり責任を感じているようだ。
シンシアは、自責の念に駆られるリオを慰めるように、彼女の背中に腕を回し抱きしめる。
「シア……。泣かせてしまったのはわたしが原因だ。怖かっただろうに。」
「もう、リオのせいじゃないわ。それに、怖かったから泣いていた訳でもないの。」
リオは瞳を瞬かせて、顔を上げる。
「なら、なぜ泣いていたんだい?……わたしが知らないところで何かされたのかと思って、気が気じゃなかったんだよ。」
「目を逸らさないで、こっち見て。」
赤裸々に話すのはなんだか恥ずかしくて、顔を逸らしたシンシアに、リオは頬に添えた手で彼女の顔を引き、目を合わせた。
なんだか、距離が近くないかしら。
「リオに会えなくなってしまうのが不安だったのよ……あなたに会えなくなるのが嫌で涙が出たの。……だから言いたくなかったのに。」
言ってるうちに、リオはにこにこと瞳を輝かせ、美しい顔を綻ばせた。
かわいくて仕方がない、という顔をするから。
「そんなことを思って泣いていたんだね。……かわいい。」
ちゅ、とシンシアの目元にキスを落とし、かわいいと囁いた。
今までこんなことをされた事がなくて、シンシアの鼓動はドクドクと早まる。
「っリオ!距離が近すぎ……!」
そうやって話しかける間にも、リオはおでこや髪、頬にもキスを落としていく。
話している間もされるとは思わなくて言葉に詰まる。
「ふふっ、シア……かわいい。……もう手を離さないって誓うよ。」
愛おしそうに微笑み、シンシアをぎゅっと抱き込むリオ。
「〜〜〜〜っ!」
タガが外れたかのように甘いリオに、狼狽し、プルプルと震え、顔もいちごのように真っ赤になって、目が潤むシンシア。
真っ赤になって瞳を潤ませる様子は、シンシアの美貌も合わさって艶麗に見える。
そんな様子を見てリオは、至福な表情をして、うっとりとした声でまた言うのだ。
「……かわいい。」
最後まで読んでくれてありがとうございます。
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