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とこしえの2人  作者: 雪月
第二章
20/33

第二十夜:リオと一緒なら……どんなことをしてもうれしい、と思う。

いつも通りガチ恋距離です。



 肩を並べて座り、手を繋いでいること数分。



 「ねえ、今日は何をするの。」



 繋いだ手はそのままに、懐きたての猫のようにシンシアがリオに尋ねた。



 「ふふっ……そうだね。今日は何をしようか。……シアが望むのなら、わたしに出来ることならば何だってできるよ。」



 「何でも?……うーん、例えばどんなことができるの。」



 「世界中を2人で旅をするのだって、昨日みたいに一緒に食事をすることも、何だって。……あ、2人で美しい景色を見に行くことも、2人で心地良くお昼寝だって出来るよ。……シアはどんなことがしてみたい?」



 シンシアはリオの言ったことを想像してみる。



 月の光が差し込む幽玄な森の中、2人は水面に美しい月が映る川のほとりで、静かな景色を見上げて寄り添って話している姿。


 

 昔、本で読んだ彩り豊かなガラスの絵があるという教会を2人で手を繋いで探索している姿。



 穏やかな風が吹くお花畑で、寝転んだ2人が満点の星空を見上げて微笑み合っている姿。



 どのようなシーンを想像しても、2人はにこにこと微笑み、幸せそうである。



 「……リオと一緒なら、どんなことをしてもうれしい、と思う。」



 「ふふっ、わたしも。シアとなら何をしても嬉しいな。……じゃあ今日は、2人でやってみたいことを一緒に考えないかい?」



 「……良い考えね。……楽しそう。」



 「ふふっ!そうだね、シアとなら楽しいね。……シアはさっき、何をしてる所を考えたんだい?」



 「森の池のほとりで池に映る月を見たり、昔本で読んだ教会?っていうところに行ったり、お花畑で星空を眺めるシーンを想像してたの。」



 先程考えた光景をひとつひとつ思い出しながら、答える。



 「……わぁ、どれも素敵だね。どれもきっと楽しいだろうね。ふふっ、いいね。……想像するだけではなくて、必ず全て、本当のことにしよう。」



 彼女は瞳を輝かせ、そう言った。



 「本当に……?」



 私がなんとなく考えたあの光景を、全て本当のことにしてくれるの?



 思わず、ぱちくりと瞳を見開いてしまう。



 「もちろん、ふふっ。……夢は見るものではなくて、叶えるものだからね。わたしを信じて、シア。」



 彼女は、相変わらず美しい顔を柔らげて、しかし真剣な表情でこちらを見つめて、当たり前のようにそう言い切った。



 「……うん。ありがとう!リオ。……貴方は、何がしたいの。」



 当たり前のように言い切るものだから、もしかしたら本当に全て出来るように思えてくる。



 ううん、彼女なら出来るわね。



 いつかのように、彼女が好きだと言っていた言葉を口に出す。



 「!……やっぱり、2人で色々な場所に行ってみたい、かな。それから、シアと手を繋いで出歩いたり、2人で楽器を弾いてみたり……まだまだ沢山あるよ。ふふっ、一生かけても足りないくらいに。」



 どれもシンシアの思いつかないような内容ばかりで、彼女は指折り数えながら楽しそうに話す。


 

 言っている途中でまた思いついたようで、本当にぽんぽんとしてみたいことが沢山出てくる。



 「……本当に沢山ありそう。リオといたら、きっと毎日退屈しないわね。」




 指折り数えながらキラキラと目を輝かせて話す彼女に、感心する。



 「あははっ、任せて。シアと一緒なら、どんな場所でもきっと楽しいよ。……それに、シアのことはわたしがにこにこにするって、言っただろう?」



 彼女は私の目をまっすぐと見つめて、まるで誓いを立てるように言った。



 「……そうね。どんな場所でも、貴方と一緒なら心地良さそう。……それに、こうやってお話しするのも、悪くないわね。」



 「ふふふっ、そうでしょう。そう言ってもらえて嬉しいよ。……そういう時は、楽しい、でも良いんじゃない?ふふっ」



 「……いま?」



 シンシアは、きょとんと首を傾ける。


 

 「そう。出来事に対する一瞬の感情ではなくて、長く続く心地良さは、楽しいって言うんだよ。ふふっ……シア、私と話すの心地良いって言っただろう?わたしもシアと話すのは心地良くて、楽しいよ。」



 確かに、リオとお話しするのは心地良くて、悪い気持ちがしない。



 彼女と話していると心地良くて、ぽわぽわする。



 たのしい、この気持ちにピッタリな言葉だ。




 「……そうなのね、同じ気持ち。」


 

 今度は彼女がきょとん、とする番だった。

 


 「……同じ?」


 

 「……ええ。リオと同じ気持ち、たのしい。」



 「!……あははっ、かわいい。……同じ、だね。ふふふっ」



 数秒経った頃、彼女は何かに閃いたように笑った。



 2人はその日、手を繋いだまま、2人でやってみたいことを語り合った。


 

最後まで読んでくれてありがとうございます。

誤字脱字、表現の間違いなどがあったらそっと教えてもらえると嬉しいです。

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