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ギルドカード


「ふあぁ……」


照りつける朝日の中、大きな欠伸をしながらギルドへと向かう。

昨日は結局夜遅くまでスキルの検証をしてしまったため、あまり寝れていない。

どうせならば昼過ぎまで寝ていたかったが、あまり遅くなるとギルドが賑わってしまう。

昨日、醜態を晒したばかりということもあり、できれば他の冒険者たちと顔を合わせたくなかった。


「よし、まだ誰もきてないな」


ギルドが開くのと同時に、建物の中に足を踏み入れる。

冒険者たちは基本的に夜遅くまで飲み明かしているものが多いため、早朝のこの時間はほとんど人が立ち寄らない。


「あ、ガベルさんおはようございます」


「おはようございますエリスさん。依頼を受けたいんですけど依頼書の張り出しはもう終わってますか?」


顔見知りの受付嬢であるエリスが、ニコリと俺に挨拶をしてくれる。

味方の少ない冒険者ギルドで、数少ないまともに会話をしてくれる相手だ。


「張り出しは終わってますけど……。ガベルさん一人でお受けになるんですか?」


ギルドの受付嬢であるエリスは当然、俺がパーティから追放されたことも知っている。

一人では何もできない冒険者が依頼を受けるなど自殺行為だと、口に出さずとも目が訴えていた。


「はい。……実は、俺もついにスキルが使えるようになったんです」


「えっ、本当ですか!?」


エリスは信じられないという表情を浮かべた後、本当に良かったと今まで見たこともないくらいに朗らかな笑顔を浮かべる。


「良かったですねガベルさん。私たち職員は、ガベルさんの努力をよく知っていますから。ようやく第一歩ですね」


エリスに心の底から労られ、思わず照れ臭くなってしまう。


「ありがとうございます。あ、そうだ。新しいスキルも覚えたので、ギルドカードの更新もしたいんですけど」


「わかりました。それではカードを出してもらえますか?」


エリスに言われた通り、冒険者の証であるギルドカードを手渡す。

このカードは、自分が持っているスキルを可視化してくれる魔道具でもあり、新しいスキルを獲得した時や、スキルが進化した時は都度更新するという規則があった。

ギルドカードは冒険者同士でパーティを組む際にも参考とされるため、自分の力を示すためにも頻繁に更新することが推奨されている。


「はい、更新できましたよ。相変わらずガベルさんが持っているスキルは見たことがないものが多いですね」


手渡されたカードを見ると、昨日手に入れたスキルが新しく刻み込まれていた。



【職業】 

魔銃使い


【パッシブスキル】

俊敏マスタリ Lv.Max

命中マスタリ Lv.Max

魔導マスタリ Lv.Max

魔銃マスタリ Lv.1


【アクティブスキル】

フレイムバレット Lv.2

アイスバレット Lv.2

魔弾生成 Lv.1


【ウェポンスキル】

????????? Lv.Max

????????? Lv.???


昨日頭の中に響いた声も言っていた、ウェポンスキルという項目が新しく増えている。

ギルドカードにこんな項目があったなんて知らなかったが、エリスも何も言わないところを見ると別にあっても不思議ではないのだろう。

むしろ、内容が全く読めないことの方が気になる。

魔銃を手にした時に響いた声からは、確か《破神の紅弾》と聞こえた気がする。

この読めないスキルのどちらかが《破神の紅弾》なのだろうが、それにしても数が合わない。

残りひとつのスキルは一体……?と考え込んでいると、ガベルさん、と声をかけられた。


「ガベルさん向けの依頼をいくつか見繕ってみました。どれか気になるものはありますか?」


そういって差し出された依頼票は三つ。

どれも難易度はそこまで高くなく、駆け出しから抜け出そうとする冒険者がまず挑戦するような内容だ。


俺がスキルを使えるようになったとはいえ、昨日の今日では使いこなせないだろうと、難易度が低めの依頼を集めてくれたようだった。


「ありがとう。じゃあこれにする」


受けた依頼はレントと呼ばれる植物型のモンスターの討伐依頼だ。

動きは遅いし的はでかいので、最初に狩るには最適だろう。


「わかりました! それでは健闘を祈ります。スキルが使えるようになったからって、あんまり無茶したらダメですからね?」


「わかってますって。行ってきます!」


心配してくれるエリスに笑顔で応え、俺はギルドを後にした。

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