花の散るらん
和ノ花国〈ワノハナコク〉歴、568年。
長く冷戦状態が続いていた隣国・大華国〈タイカコク〉と友好条約を結んだ和ノ花国は、十数年ぶりの交易による好景気で国中が華やいでいた。勿論交易の性として、不穏な輩も物品も闇夜を行き交ってはいたが、抑圧されていた人々があげる歓喜の声はそれらを覆い隠して余りあるほどに強大だった。
陽は濃く、闇はより深く。
時代が移り変わるその最中に、二人の王女は産まれた。
不吉の象徴とされる双子は〈選定の儀〉により、1人は姫として生を与えられ、1人は闇へ葬られる。
そうして1人は花をとり、1人は剣をとった。
これは混乱の世を生きる少女たちの、光と闇の物語。
長く冷戦状態が続いていた隣国・大華国〈タイカコク〉と友好条約を結んだ和ノ花国は、十数年ぶりの交易による好景気で国中が華やいでいた。勿論交易の性として、不穏な輩も物品も闇夜を行き交ってはいたが、抑圧されていた人々があげる歓喜の声はそれらを覆い隠して余りあるほどに強大だった。
陽は濃く、闇はより深く。
時代が移り変わるその最中に、二人の王女は産まれた。
不吉の象徴とされる双子は〈選定の儀〉により、1人は姫として生を与えられ、1人は闇へ葬られる。
そうして1人は花をとり、1人は剣をとった。
これは混乱の世を生きる少女たちの、光と闇の物語。