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白匙亭と季節の約束

作者:泉白李玖
最新エピソード掲載日:2026/06/04
辺境の街リゼルで、小さな薬草茶屋《白匙亭》を営む少女ユノ。

季節の茶葉を量り、薬草を干し、街の人々に温かな茶を淹れる。
そんな穏やかな日々を送っていた彼女は、灰色の雨が降る夜、店先に倒れていた黒角の魔物を拾ってしまう。

「人間が、私に春を飲ませたのか」

冬を司る魔物、エイル。
本来なら人が関わることの無い境界の存在。

彼を店に招き(拾い?)、名を告げ、お茶を飲ませた事で、ユノの周囲では少しずつ不思議なことが起こり始める。

春を告げる精霊
影を売る商人
願いを食べる灯籠花
人を優しく閉じ込める、終わらない春の庭

白匙亭には、人ならざる客人たちが訪れるようになる。
彼らは悪ではない。
ただ、人と違う理で生きている。

ユノはお茶を淹れながら、彼らのもつ寂しさや執着、そして人とは違う優しさに触れていく。

けれど、彼女自身もまた……

これは、季節と境界の向こう側のあわいにある小さな茶屋で、少女が人ならざるもの達と同じ時間を過ごしていく物語。

温かな茶と、ひと匙の蜂蜜。
そして、いつか人間では居られなくなるかもしれない少女の、四季を巡る異界譚。
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