ざまあみろ
((+_+))
私は、すぐさまエリックのところに向かった。
4年ぶりの再会であるが、少しも感動しなかった。
むしろ、この男が死んでいなかったことが憎らしくてたまらなかった。
エリックの美貌は少しも衰えていなかった。夜のように黒いサラサラとした髪の毛、深い青色の瞳、滑らかな肌、彫の深い精悍な顔立ち。美少年っぷりは健在だった。
「エリック・ブラウン!この人でなし!
あなたは何で私の邪魔ばかりするのよ」
こういう嫌な奴はろくな死に方をしないに決まっている。
犬にけ飛ばされて頭を打って死んでしまえばいい。
「僕がいつ君の邪魔をした?」
「私の結婚の邪魔をしているじゃない。この悪魔!」
私は、殴ろうとした手を振り上げたが簡単に手を、彼の大きくて熱い手で封じ込められてしまった。
「そんなことした覚えがないな。君が魅力のない女性だから、男性が結婚してくれないだけじゃないか?」
「何を言っているのかしら?きっと視力が低下しているのね。
目を抉り取ってしまったらどうかしら?」
「それは遠慮したい。そういえば、ノエルは、お金が欲しいんだよね。じゃあ、いい提案がある。僕の愛人になればいい」
平然と彼は、恐ろしいことを言った。
「まあ、なんて下品な人でしょう。
あまりにも下品だから、今すぐ排水溝から流されて行ってしまえばいいのだわ」
「そう言う発想をするノエルの方が下品だと思うな」
肩をすくめながら平然と彼は私をけなした。
「私はとても誇り高く、高貴な人間なのよ。
あなたなんかと一緒にするな」
「そんなに意地を張ることじゃない。僕がお金を貸してあげてもいい。
君がその体で支払うなら」
自分の黒い髪を弄びながら、ほくそ笑むようにいうエリック。
そして私をなめまわすようにねっとりとした視線を送ってきた。
私は、こんな奴に負けたりするものですか。
「ふん、誰があなたの助けなんて借りますかなたに助けてとすがるくらいなら野垂れ死にするほうが本望よ」
お金のために好きでもない男性と結婚しようとしていた女はいなかった。
ここにいるのは、エベレストよりもプライドが高い女だった。
……それは私だった。
「ハハハハッ。ノエルはやっぱりおもしろいな」
「お黙りなさい、このゴリラ」
この男のすること全てにむかついてきた。
「それで、そのゴリラに向かって、君はくそじじいにしたみたいにお金を求めて誘惑はしてこないのか?僕なら君が望むものは、何でもあげることができるのに」
「あなたと結婚するくらいなら、ガマガエルと永遠の愛を誓った方がまだましだわ」
なぜかしら、ここで折れたら人生楽勝なのに、今すぐこいつを殴ってボコボコにしてやりたい。
「……君がここまでプライドが高いと思わなかった。計算外だな。
それなら、僕からプロポーズするとするか」
「え?」
「ノエル・アンショー。僕と結婚してください」
エリックは、手を強く握り締め、私をバカにしているのかやたら丁寧にプロポーズをしてきた。藍色の目はやたら熱っぽかった。
私の答えは一つだった。
輝くように眩しい笑顔でこう告げる。
「お断りします」
ざまあみろ。
私にあったのは、その気持ちだけだった。
「それは困ったな」
少しも困っていなさそうにいうエリック。
彼は、興味深いおもちゃを見つけたように私を見ていた。
読んでくださりありがとうございます。




