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赤ずきん姫とオオカミ騎士~姫に触れられるのは、ただひとりのオオカミだけ~  作者: Erika


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第46話 宰相の次の手/恋と政治の衝突

政略結婚の話が進む中、


ロザリンは自分の胸の痛みの正体に気づいてしまった。


(……私……ロウのことが……好き……)


その気づきは、


嬉しさよりも、


怖さの方が大きかった。


(……だって……


私は王家の姫で……


ロウは……)


考えるだけで胸が苦しくなる。


ロウはロザリンの変化に気づいていた。


目が合うたびに、


胸が熱くなる。


(……姫様……


どうして……そんな目で……)


でも、言えない。


言ってはいけない。


昼過ぎ。


侍従がロザリンの部屋を訪れた。


「姫様。


宰相閣下がお呼びです」


ロザリンの胸がざわついた。


(……また……政略結婚の話……?)


ロウが後ろに控えながら、


ロザリンの表情を見つめる。


(……姫様……


こんなに怯えた顔を……)


二人は宰相の執務室へ向かった。


ヴァルガ宰相は、


いつもの穏やかな笑みを浮かべていた。


「姫様。


お見合いの件ですが──


第一候補の方が“正式に日程を確定したい”とのことです」


ロザリンの胸が強く痛む。


(……そんな……


本当に……決まってしまう……)


宰相は続ける。


「姫様のご都合を伺いたく存じます。


来月初旬、いかがでしょう」


ロザリンは言葉を失った。


ロウは後ろで静かに立つ。


しかし、ロザリンの沈黙が長くなるほど、


ロウの胸の痛みは強くなる。


(……姫様……


泣きそうだ……


どうして……こんなに……)


ヴァルガ宰相は、


二人の空気をじっと観察していた。


(……やはり……


この二人の間には“何か”ある)


まだ恋とは断定しない。


しかし、


“ロウを遠ざける必要がある”


という判断に近づいていた。


「姫様。


お見合いの準備期間中は、


護衛の配置を一部変更しようと考えております」


ロザリンの心臓が跳ねた。


「……護衛……?


どうして……?」


宰相は穏やかに微笑む。


「姫様の安全を最優先にするためです。


お見合い相手の国からの使者も来ますので、


警備体制を強化いたします」


ロザリンは気づいた。


(……ロウを……


遠ざけようとしている……?)


胸が強く痛む。


ロウも気づいた。


拳を握りしめる。


(……俺を……


姫様から離すつもりか……)


宰相は二人の反応を見て、


確信に近づいた。


(……やはり……


ロウは姫様にとって“特別”だ)


部屋を出たあと、


ロザリンは歩きながら胸を押さえた。


「……ロウが……


いなくなるの……?


そんなの……嫌……」


ロウは立ち止まり、


ロザリンを見つめた。


「姫様……


私は……どんな形でも……


姫様のそばにいます」


ロザリンの目に涙が浮かぶ。


(……ロウ……


離れたくない……


絶対に……)


ロウもまた、


胸の奥で決意が固まっていく。


(……姫様を……


守る……


どんな形でも……)


二人の想いは、


もう政治の都合では止められない。


そして宰相は、


その“止められない想い”を


確実に察し始めていた。

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