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赤ずきん姫とオオカミ騎士~姫に触れられるのは、ただひとりのオオカミだけ~  作者: 月乃雫


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162/169

第162話 これからもずっと

祠の外に出ると、


森の風がふたりの頬をそっと撫でた。




ロウの右腕には、封印が解けたばかりの“本来の紋章”が淡く光を残している。


ロザリンはその腕にそっと触れた。指先が、紋章の線を確かめるようにゆっくり動く。




ロザリン「……ロウ。ここ……まだあったかい。」




ロウは少し照れたように息を吐いた。




ロウ「……姫様の光が……まだ残ってるんだと思います。」




ロザリンの指先が、紋章の曲線をなぞるたびに、ロウの腕の光が淡く揺れた。




ロザリン「……さっきはずっと冷たかったのに。今は……生きてるみたいに、あったかい。」




ロウはロザリンの手を包むように握った。




ロウ「姫様の光が……僕の力と重なったからです。……ふたりの力で、ふたりを守れたんですね。」




ロザリンはその言葉に、胸の奥がじんわり熱くなるのを感じた。




ロザリン「……ロウ。あなたが苦しんでるの、ほんとうに嫌だった。だから……戻ってくれて、すごく嬉しい。」




ロウはロザリンの手を離さないまま、少しだけ距離を詰めた。




ロウ「……姫様。


僕……ずっと怖かったんです。この封印のせいで、姫様を守れなくなるんじゃないかって。」




ロザリンは首を横に振った。




ロザリン「違うよ……


ロウは……ずっと守ってくれてた。封印があっても、なくても……あなたは、私の隣にいてくれた。」




ロウの胸の奥が静かに震える。




ロウ「……姫様……」




ロザリンはロウの腕にそっと触れた。紋章の光が、彼女の指先に反応するように淡く揺れる。




ロザリン「ねぇ、ロウ。封印が解けた今……」




ロウは少しだけ息を吸って、ロザリンの瞳をまっすぐ見つめた。




ロウ「……姫様の隣にいたいです。これからも……ずっと。」




ロザリンのまつげが揺れた。その揺れは、照れと嬉しさが混ざった温度。




ロザリン「……うん。私も……ずっとロウと一緒にいたい。」




森の風がふたりの影を揺らす。




ロウの腕の紋章は、まるでふたりの未来を照らすように淡く光っていた。

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