↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤ずきん姫とオオカミ騎士~姫に触れられるのは、ただひとりのオオカミだけ~  作者: 月乃雫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
160/161

第160話 本来の紋章

祠の奥は、外よりもさらに静かだった。空気が重く、古い魔力が眠っている気配がする。


ロウとロザリンが足を踏み入れた瞬間──


祠の中央にある壁画が、月光を受けてゆっくりと光を帯び始めた。




最初は淡い光。


けれど、次第にその光は強く、深く、まるで“呼吸するように”脈打ち始める。




ロザリン「……ロウ……見て……」




壁画に刻まれた古代の紋章が、ひとつ、またひとつと浮かび上がる。


ロウの刻印は“歪められた偽物”。


今、壁画に浮かび上がっているのは──




ロウは息を呑んだ。




ロウ「……これが……本来の……紋章……」




壁画の光がロウの胸元の刻印に反応し、淡い月光がロウの体に吸い寄せられるように揺れた。




ロザリンはロウの腕にそっと触れた。その指先が震えているのを、ロウは感じた。




ロザリン「……ロウ。あなたの封印は……この紋章を模倣して作られたものなのね……」




ロウは静かに頷いた。




ロウ「……ヴァルガが言っていた通りです。


本物は“力を制御する紋章”。僕の刻印は……それを奪うために歪められた。」




壁画の光がさらに強くなる。祠全体が淡い月光に満たされていく。


ロザリンの花の力が、その光に反応して淡く揺れた。




ロウはロザリンを見つめた。その瞳は、決意と不安と、少しの希望で揺れている。




ロザリンはそっとロウの手を取った。その触れ方は、迷いのない恋人の距離。


ふたりは並んで壁画の前に立つ。




壁画の中央──本物の紋章が、月光の中心で静かに輝いていた。




ロザリンはロウの手を包むように握り、そのまま壁画へそっと触れた。


指先が紋章に触れた瞬間──祠全体が震えた。




光が弾けるように広がり、ロウの刻印が淡く反応する。


ロザリンの花の力が、ロウの月の力と重なり合い、紋章の光と共鳴する。




ロザリン「……ロウ……!」




ロウ「……姫様……!」




光がふたりを包み込む。


その光は、奪うための封印ではなく──本来の“守護の紋章”が目覚める光。




光の中心で、壁画の紋章がゆっくりと形を変えた。


まるで、ふたりの力に応じて“本来の姿”を


取り戻していくように。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。