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【WEB版】やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます【書籍&コミカライズ大好評発売中】  作者: MIZUNA
第十章

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呼び起こされる声

「だとしても、これはいくら何でも……」


円柱状の広間、吹き抜けの天井を見上げながらヨハンは顔を引きつらせた。


広間の壁全体を埋め尽くす色とりどりの水晶。


その一つ一つ全てに人が取り込まれているのであれば、犠牲者は少なく見積もってもざっと数万、いや数十万人は軽くいくのではないだろうか。


獣人族の女の子が取り込まれている赤水晶に視線を向け、僕は「ねぇ、レウス」と切り出した。


「取り込まれた人達は、もう……?」


「いや、死んではいない。死ねば燃料として使えなくなるからな。水晶の中で冬眠しているとでも考えればいい。緩やかに死に向かっていることは間違いないがな」


レウスの返事を聞き、ヨハンが「じゃ、じゃあ……」と身を乗り出した。


「燃料庫を破壊すれば、取り込まれた彼等を救うことができるんだな」


「結果的にはそうなるだろうが、口で言うほど簡単じゃねぇぞ。あれを見ろ」


「あれ……?」


僕とヨハンは小首を傾げ、レウスが顎で見るよう促してきた広間の中央に振り向いた。


するとそこには、眼帯をした獣人族の男が首を傾げて剣を持って立っていたのだ。


「……さっきまで誰もいなかったはずなのに」


咄嗟に身構え、僕は改めて現れた男の姿を窺うが、その異様な出で立ちに思わず喉をごくりと鳴らして息を飲んだ。


剣を持っていると言ったが、それは正しくない。


手は力なくだらんと垂れており、剣を引きずっている、というべきだろう。


くすんだ黄色い髪からそれなりの年齢であることが窺える。


頭にある耳の形、尻尾の形状からして狐人族らしい。


男は片方の目には眼帯をしているが、もう片方の目には光がない……というか濁っているように見受けられた。


服装は上半身裸で、下は黒い長ズボンを履いている。


だけど、もっとも目を引くのは左胸の中央で怪しい光を放つ、大きな翡翠晶だ。


何処ぞで拉致か誘拐した戦士に翡翠晶を埋め込み、強力な燃料庫の番人に仕立て上げた、そんなところだろう。


実験に用いたガリエルを『ビルガメス』と命名し、駒にしていたように。


あれ、でも、妙だな。


ふいに脳裏に疑問が過る。


あの男の顔に、何故か見覚えがある気がしたのだ。


狐人族なら何処かで会っていてもおかしくはないけど……そう思って男を訝しんでいるなか、「う、嘘だろ……」とヨハンが声を震わせた。


見やれば、彼の顔から血の気が引いて真っ青になっている。


「ヨハン、もしかしてあの男を知っているの?」


「知ってるどころの話じゃない。リッドも絶対に知っている男だぞ」


「え……?」


言われて再び視線を向けたその時、男が首を傾げたまま「……侵入者を発見」と無機質な声を発した。


その声を聞いた瞬間、僕の脳裏に『狭間砦の戦い』で見たとある映像が呼び起こされる。


「ま、まさか、あの男は……」


僕が絶句して戦慄するなか、ヨハンがこくりと相槌を打った。


「その『まさか』で間違いない。この男は狐人族の元部族長ガレス・グランドークだ」


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スピリチアファームとかの人間電池系か~(スットボケ
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