第2話:「つくづく自分が嫌になる」
「ロージェ……」
<アーネ、何も言わないで……分かってるから……>
「う~ん……」
<ごめんなさい……せっかくお膳立てしてくれたのに……>
「私はいいんだけど……ロージェとしてはどうだったの?」
<……はあ……全然話せなかった……>
「……だよね……」
<……ああ、つくづく自分が嫌になる……>
「……まあ……でも、顔見知りにはなれたわけだし、次があるわよ」
<次? 次はあるのかしら?……ラスティリアード様、何か言ってなかった?>
「まあ……美しい方だったとは言ってたかな?」
<え? そうなの?!>
「う……うん」
<それで、他には?!>
「えーと……ロージェにハンザ・ミルなんかやらせるなって怒られた……」
<……え……そう……そうよね!……>
「何? どういうこと?」
<……ううん、何でもない。それで?>
「だから……ロージェは捕球がうまいって言っといたわ」
<え?……ええっ?!……>
「何?何? どうしたの?」
<……アーネ、どうしてそんなことを……>
「だってそうでしょう?」
<……ああ……>
「……どうしてそんなこの世の終わりみたいな顔してるの?」
<……>
「……え……もしかして私が原因?……」
<……ラスティリアード様が、うら若い娘が、太腿を人前に曝け出して駆け回るものではないって……>
「はあ?」
<……ああ、どうしよう……>
「……それはきっと、うちの父の言葉よ。ラスティとは、中等院の頃からよく試合してて、うちの女子チームとも仲良かったもの。そんな風には思ってないと思う」
<……そうなの?……>
「そう。だから大丈夫。そんなことで、ロージェを見る目は変わらないって」
<……そうかしら……>
「そうよ!」
<……>
「……どうした?……」
<……思ったんだけど……>
「何?」
<……アーネは、ラスティリアード様と仲がいいのね……>
「え、そうかな?」
<ああ、私も従妹だったらよかったのに……>
「え?!……いやぁ、従妹だったら好きにはならないと思うけど……」
<どうして? とても魅力的じゃない>
「えー……」
<違うの?>
「……」
<何?>
「……まあ、魅力的かどうかはおいといて……」
<?>
「ロージェスタ嬢は、うちの従兄を気に入った……ってことでよろしい?」
<え?……いえ、私は別に……>
「ロージェ、私はあなたのことを応援したい。だから、本当のことが知りたいの」
<アーネ……>
「どうなの?」
<……>
「……」
<……>
「……いいわ、言わなくて。こっちまで赤くなる……」
<……ごめん……>
「そういうことなら、本格的に応援するわ。仕掛けやすい相手だしね」
<……ありがとう……アーネ……>
「……まあ……どこがいいのかはわかんないけど……」
<何?>
「ううん。何でもない!」




