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海藻親子の秘密

ワカメ、コンブ、ヒジキの海藻親子(命名は弟)と暮らし始めて、半年が過ぎた頃。


毎晩、夜中になると三匹が姿を消すことに気付いた。


我が家は12階建てのマンションの10階にあり、窓もドアも閉まっている。


それなのに、夜中になると三匹がいなくなり、朝6時にはヒジキが朝ごはんをねだりに起こしに来る。


姿を消すのは、夜中の2時頃だ。


不思議に思った私は、寝たふりをして、三匹の後をこっそりつけてみることにした。


すると、三匹は私の洋服タンスの引き出しを開け、前足でカリカリと二回撫でた。


その瞬間、引き出しからまばゆい光があふれ出した。


その日は、新月だった。


私は三匹が洋服タンスの光の中へ飛び込むのを見て、慌てて後を追いかけた。


洋服タンスの引き出しには、虹色の橋が架かっていた。


普通なら、大人が入れるような大きさではない。


ところが、虹の橋が架かっている間は、中に入ることができた。


三匹を追いかけ、私は虹の橋へと飛び降りた。


虹の橋の下には、無数の星が川のように瞬いていて、とても美しかった。


「わぁ~」


思わず景色に見とれていると、私が入ってきた洋服タンスの辺りから、橋がゆっくりと消え始めていた。


私は慌てて、三匹が歩いていった方へと走り出した。


まるで子供に戻って冒険しているような気分になっていた。


虹の橋を渡りきると、そこには一面の草原が広がっていた。


少し先には、まるで異世界転生したかのような、おとぎの国を思わせる街並みが見える。


「ドラ〇もんというより、不思議の国のアリスかしら?」


小さく笑い、草原の先に見えるメルヘンチックな街並みを目指して歩き出した。


その時、虹の橋のふもと近くにあった風車小屋から、突然、爆発音が鳴り響いた。


驚いて振り向くと、


「にゃ~。また、失敗したにゃ」


オレンジ色の髪の毛をチリチリにして、顔を真っ黒にした少年が現れた。


チャチャを彷彿とさせる、淡い茶色がオレンジ色に見える、ふわふわの柔らかそうな髪の毛。


淡いグリーンの、くりくりとしたアーモンド形の瞳が私を見つめた。


「にゃにゃっ! 人間界の飼い主そっくりな人がいるにゃ!」


そう言うと、少年は走り寄ってきて、私の匂いをクンクンと嗅いだ。


「にゃっ!! この匂いは、飼い主の匂いにゃ!!」


そう叫ぶと、


「こうしちゃいられないにゃ!! 兄上に報告にゃ!!」


言うが早いか、私の腕を掴んで走り出した。


すると、彼の後を追いかけてきた人物が、


「チャールズ様! そのお姿で王宮に戻られると、またカシアン様に怒られますよ!」


と叫んだ。


すると、私の腕を掴んでいた少年は、にぱっと笑い、


「兄上は怒ると怖いにゃ」


そう言って、パチンと指を鳴らした。


すると、チリチリになっていた髪の毛は艶々の綺麗な髪に戻り、真っ黒だった顔も元通りになっていた。


「飼い主も、パジャマじゃせっかくの再会が台無しにゃ!」


そう言ってパチンと指を鳴らすと、あらビックリ!


私はドレス姿に早変わり。


「待って!」


「にゃんだ?」


「この格好じゃ、走れないわよ」


そう呟いた私に、


「にゃにゃ!! うっかりしたにゃ!!」


と言うが早いか、私をお姫様抱っこして走り出したのだ。


「え? えぇ~!!」


慌てて抱き着いた時、ふわりと触れた髪の毛が、チャチャの毛並みを思い出させて切なくなった。


「チャチャ……」


思わず呟いた瞬間、ひらりと少年は屋根の上に飛び乗った。


「飼い主、今、兄上にも会わせるから、もうちょっと待っててにゃ」


そう言って、少年は軽やかに家々の屋根を飛び越えていった。

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