第3章 二人をつなぐモフモフの魔法(ダンスホール再会)
◆ ダンスホールでの再会
「ごきげんよう。エレナ嬢。
ご退場される前にどうかわたくしと
ダンスをご一緒していただけませんか?」
そう言って、ルイス様はわたくしの手を取り
そっと口付けを下さいました。
会場がどっと沸き立ちました。
わたくしを見上げるルイス様の眼差しを受けて
逃げるなど不可能だと、本能で感じましたわ。
なぜって…あまりにも魅力的すぎるんですもの!
ルイス様の艶やかに輝くやや長い漆黒の髪。
知性を感じさせる強い眼差し。
すっと通った鼻筋に、優しげに結ばれた唇。
あまりにも整ったお顔立ちに、最初は近寄りがたい
印象を受けたのですが、笑ったお顔はとても可愛らしくて
とっても茶目っ気がありましたの。
「はい。喜んでお受け致しますわ」
気が付くとわたくしは、ルイス様にそう言っておりましたの。
◆ エレナの心の揺れ
信じられない事が起こりました。
二人きりで言葉を交わす最後の時間を
過ごしたはずのお相手とダンスをしながら
こうしてまた向き合っているのですから。
ルイス様はダンスのリードがお上手で
体が自然と動きますの。
フレデリク様と踊る時は毎回足を踏まれて
痛みにひたすら耐える苦行の時間でしたのに。
こんなに楽しいダンスを踊ったのは
生まれて初めての事でしたわ。
◆ 視線が交わるたびに深まる想い
ダンスの途中でルイス様と視線が交わるたびに
胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じます。
何と表現すればいいのか分かりませんが…。
ルイス様がわたくしを見つめる視線がものすごく
熱くて…そして限りなく優しくて。
時折、切なくなるほどですわ。
◆ 耳元の囁き
「エレナ嬢…」
耳元でルイス様が囁きます。
どこか、緊張されているようなお声でした。
◆ モフモフ告白
「わたしは…庭園で子犬を抱き上げるあなたを見て
一目惚れしてしまいました。
同じモフモフ好きという共通点を見つけて
舞い上がってしまったのは事実ですが…正直に言います。
子犬をモフモフしているあなたが可愛すぎて…。
わたしはあなたをモフモフしたくてたまらないのです。
あなたの存在がわたしのモフモフになったのです。
どうか、わたしと結婚してくださいませんか?」
前代未聞のプロポーズでした。
ですが、この上ない程に魅力的で、甘美で。
まさにわたくしが憧れるプロポーズでしたの。




