↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

別件ということで

 家事代行の掃除が終わるころ、宇佐美は部屋へ戻った。


 完了書類にサインをし、スタッフたちを見送る。


 一人になると、ベッドに腹ばいになり、石黒へ電話をかけた。


「宇佐美か。おまえ、本当に俺のこと好きだな」


 電話の向こうで笑い声があがる。


「来いよ。近いぞ。みんなでサッカー観てる」


「……電気屋の件です」


「おまえ、まだ関わってるのか」


 声の調子が変わった。


「強盗事件は終わりました。老人が出頭して、犯行を認めたそうです」


「なら終わりだろ」


「そうでしょうか」


 石黒が黙った。


「あの家には、電気屋の関係者が出入りしていた。酒と薬も絡んでいた。それが、老人による強盗事件で突然片づいたんです」


「何が言いたい」


「身代わりじゃないかと思っています」


「証拠は」


「ありません」


「じゃあ、首を突っ込むな」


「薬物以外の線からなら、どうです」


 一瞬、間があった。


「……どういうことだ」


「強盗事件に電気屋が関わっているなら、薬物事件とは別件でしょう」


「おまえな……」


「捜査一課が薬物事件に割り込むことにはなりません」


 石黒が小さく息を吐いた。


「俺が首を突っ込めば、マトリにも組対五課にも仁義が立たない」


「つまり、強盗との関係が出れば別ですね」


「九我さんが帰るみたいだから、切るぞ」


 また一緒にいるのか。仲良いな。


 電話が切れた。


 石黒は何も約束しなかった。


 だが、強盗との関係が出れば別だという宇佐美の考えを、最後まで否定もしなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。