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断罪される悪役令嬢ですが、これは仕事です

作者:臥裳斗真
最終エピソード掲載日:2026/10/15
「エステル・ヴァレンティア。君との婚約など、最初から存在しない」

 大勢の前でそう告げられた伯爵令嬢エステル・ヴァレンティアは、心の中で報酬を計算していた。

 なぜなら、この断罪はすべて台本どおり。

 エステルの裏の仕事は、面倒な縁談を終わらせるため、金をもらって嫌われ役を引き受ける悪役令嬢代行。

 今回の依頼人は、王太子ジェラルドとの婚約を解消したい商会令嬢リリア。

 エステルは王太子に横恋慕し、正式な婚約者であるリリアをいびった悪女を演じる。

 そして大勢の前で断罪される。

 そこまでは、予定どおりだった。

 ところが王太子が、台本にない罪を口にする。

「王家の銀器を盗んだ件についても、説明してもらおう」

 そんな話は、頼まれていない。

 しかも、その銀器は――まだ誰にも中身を確認できないはずだった。

 嫌われるのは料金内。

 濡れ衣まで引き受けた覚えはない。
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