登場人物紹介(第三部)
第三部は、栄家をめぐる潮目が、静かに動いていく巻です。あれほど揺るぎなく見えた王国の足元で、何かが少しずつ移り変わりはじめます。人の心が。時代の流れが。そして、力そのものが。ここでは、この巻であなたが出会う人たちを、ネタバレなしで紹介します。
<語り手>
栄 徳子
この物語を語る人。今も、光のまん中からは離れた所で、一人の母として生きています。けれど、その目は、一家に忍び寄る小さな変化を、誰よりも早く見つめています。
<栄家の人々>
栄 一鶴
徳子の父。栄家の総帥。あいかわらず、力で業界のまん中に立ちつづけています。けれど、その足元で、これまでとは少しちがう風が吹きはじめていることに、この人はまだ気づいていません。
栄 宗太
一鶴の次男。今、栄家の大きな期待を、その一身に背負う立場になっています。明るくふるまおうとしながら、人には言えない重荷と、日々向き合っています。その肩には、少し大きすぎる荷が載せられているのかもしれません。
栄 あかり(さかえ あかり)
徳子の娘。まだ幼いながら、たくさんの人にその笑顔を愛されはじめています。本人は、何も知らずに、ただ無邪気に光の中で笑っています。
栄 妙子
一鶴の妻。一家の母。移り変わっていく家族を、いちばん外側から静かに見守っています。その胸のうちには、口には出さないたくさんの思いが、積もっています。
<台頭する者>
鎌
表には、けっして出ない男。人を惹きつける一鶴とは、まるで逆のやり方で、その力を、静かに着実に大きくしています。誰がその手を取り、誰がその傘の下に集まっていくのか。この巻で、鎌という男の輪郭が、少しずつ見えはじめます。
舜
鎌の陣営から、彗星のように現れた若者。役者か、芸人か、歌い手か。どの枠にも収まらない、型破りの才能の持ち主です。そこにいるだけで人の目を釘づけにし、まわりに熱狂の渦を巻き起こす。その燃えるような光に、時代はいっせいに、振り向きはじめています。まぶしくて、激しくて、どこか危うい。この若者が、栄家の物語に何をもたらすのか。
<そのほかに>
このほかにも、第三部では、新しい才能や思いがけない人物が、あなたの前に姿をあらわします。移りゆく時代の中で、誰が現れ、誰が去っていくのか。どうか、その一人ひとりを、見届けてください。
<この巻について>
これは、遷りの物語です。栄光は、けっして、そのままの姿ではとどまってくれません。あれほどまぶしかったものが、少しずつかたちを変えていく。その静かな移ろいを。どうか、目をそらさずに見つめていただけたら、うれしいです。




