↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真贋戦隊コクインジャー ~一番になれなくていい。一点物になれ~  作者: 智珠
第二巻 艶

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/29

第018話 粘土と釘の刻印

> 【鑑定 第十八号】

> 押印累計 ── 八十。

> 依頼者 ── 杉本颯太。

> 物件 ── 刻印、一つ。

> 所見 ── 粘土。釘が三本。間隔、揃っておりません。

>     印面に「コ」の一字。彫ったのは釘の頭であります。

>     乾燥による亀裂、二箇所。押しても印影は出ません。

>     八歳の手と推定する。

> ……判定を、開始します。


 ── 颯太は、粘土を掌で三十回転がしてから、釘を刺した。


 火村鍛冶の土間である。上がり框に座って、膝の上で丸めている。転がす回数を口の中で数えていた。三十で止めて、それから釘を出した。


 釘は三本ある。長さが違う。長いのを真ん中に、短いのを両側に刺した。刺す深さも違った。


「そこ、三本でいいのか」と燈が訊いた。

「三本しかない」

「拾ってきてやるぞ」

「三本でいい」


 颯太は前歯が一本抜けている。話すと、そこから息が抜ける音がした。


 颯太は毎日ここへ来る。学校が終わってから火床の前の上がり框に座って、燈が打つのを見ている。何を打っているのかは訊かない。訊かずに、鎚の音を数えている。


 数えた数を帰りに言う。今日は三百二十回だった。燈は自分では覚えていない。覚えていないので、そうかと言う。


 刺し終わってから、平らな面を土間の床に押し付けた。押して、離した。何も付いていない。


「出ないぞ」と燈が言った。

「知ってる」

「知ってるのか」

「粘土だから出ない」


 颯太は面をもう一度見た。見て、釘の頭で「コ」と掘った。掘った線が細くて、途中で切れている。


 佐久間が桶を置いて帰るところだった。豆腐が六丁ある。白い桶で、水が減っていない。


「余ったからな。置いてくぞ」

「六丁ですね」

「余ったんだ」


 佐久間は颯太の頭を一度撫でて、それから出ていった。撫でる手が濡れていない。


 玲が横で豆腐を食べていた。桶の六丁のうち、二丁が減っている。


「見せて」と玲が言った。


 颯太は掌に乗せて差し出した。玲は受け取らずに、顔を近付けて見た。


「釘、同じ向きだね」と玲が言った。

「うん」

「三本とも、こっち向いてる」

「そう刺すの」


 玲は指を出して、釘の頭を上から順に触った。触ってから、指を引いた。


「同じ向きに刺してる」


 玲はそれだけ言って、三丁目を食べた。


 息の続く間 丸くなるのさ。


 玲が口の中で鳴らした。土間の水の音の間に入って、そこで切れた。


 颯太は刻印を新聞紙の上に置いて、乾かし始めた。乾くまで三日掛かると本人が言った。三日の間、置き場所は動かさないとも言った。


「動かすと、乾き方が変わる」

「誰に聞いた」

「自分で分かった」


 颯太は新聞紙の四隅を指で押さえて、それから帰っていった。帰り際に、今日の鎚の数を言った。



 木暮印判店は、商店街の東の端にある。アーケードの切れる手前で、そこから先は日が当たる。


 間口が一間半で、硝子の中に印材が並んでいる。奥に低い台があって、木暮がそこで彫る。台の縁が黒く光っていて、腕を置く場所だけ凹んでいた。


 燈が通ると、木暮は印刀を置いて顔を上げた。


「燈坊、ちょうどいい。これ見ろ」


 台の上に実印が二本並んでいる。同じ大きさで、同じ材だった。


「どっちが俺のだと思う」


 燈は屈んで、二本を見た。片方の印面は線が細くて、細いところで一箇所切れている。もう片方は線が全部繋がっていて、太さも一定だった。


「こっちですか」と燈は切れている方を指した。

「当たりだ」

「もう一本は」

「客が持ってきた。注文の品が、こっちで届いたそうだ」


 木暮は繋がっている方を持ち上げて、光へ向けた。


「機械彫りだ。綺麗だろう」

「綺麗ですね」

「客も喜んでる。読みやすいと言ってな」


 客というのは向かいの乾物屋である。店の名を変えるので実印を作り直したと言っていた。三十年使った印は、字の角が取れて読みにくくなっていた。


「読めない印は困るだろう」と木暮が言った。

「困りますね」

「困る。だから作り直す。それはいい」


 木暮は印を置いた。置いてから、朱肉を出して、二本とも紙に押した。


 二つの印影が並んだ。


 片方は線が一箇所切れていて、押した力の掛かった側だけ太い。もう片方は全部繋がって、太さが一定だった。二度押しても、三度押しても、同じ形が出る。


「同じもんが作れる印は、実印にならん」


 木暮はそう言って、紙を裏返した。


「どういうことですか」

「実印は、その一本しか無いから実印なんだ。同じものが何本でも作れるなら、誰の印か分からん」

「じゃあ、届いたやつは」

「登録は通るかも知れん。だが俺は彫らん」


 木暮は台の下から古い印を出した。乾物屋の三十年分である。印面が丸くなって、字の角が全部取れていた。


「これは、うちで彫った」

「分かるんですか」

「彫った本人だからな。それと、ここが欠けてる」


 木暮は印面の縁を指で示した。欠けが一つある。三十年前に手が滑った跡だと言った。滑った跡が、その印を三十年分証明していた。


 木暮は印刀を布に巻いた。一本ずつ巻いて、巻き終わってから箱へ入れた。刃を上へ揃えて入れる。揃えないと、次に出す時に指を切ると言った。


 箱の蓋は閉めなかった。閉めずに、台の下へ入れた。


「畳むわ」と木暮が言った。

「え」

「今日で畳む」


 燈は台の縁を見た。腕を置く場所だけ凹んでいる。何十年分の凹みだった。



 夜、識が火から立ち上がった。火村鍛冶の土間である。


> 鑑定を、開始します。


 颯太が新聞紙の上の刻印を指した。三日たって乾いている。亀裂が二箇所入っていた。


> 物件 ── 刻印、一つ。

> 粘土。釘が三本。間隔、揃っておりません。

> 押しても印影は出ません。

> 同じものが、他にありません。

> 判定 ── 真。


「真か」と颯太が言った。


> はい。


「押せないけど」


> 押せません。


「押せないのに真なの」


> はい。


 颯太は識を見た。識は土間の真ん中に立っている。足元が土に溶けていた。


「なんで真なの」


> 同じものが、他にありません。


「それだけ」


> それだけであります。


 颯太は口を開けて、それから閉じた。閉じてから、刻印を掌に乗せ直した。


 颯太は刻印を持ち上げた。持ち上げて、亀裂の入った場所を指で押さえた。押さえても崩れなかった。


 燈が横に座った。座って、颯太の掌の上を覗いた。


「識、木暮さんが持ってきた印も見てくれ」


 蒼が実印を出した。木暮の店から預かってきたものである。繋がっている方だった。


> 物件 ── 実印、一本。

> 印材、寸法、いずれも注文書に一致。

> 印面の線、切れておりません。全て繋がっております。

> 同一性を確認出来ません。

> 判定 ── 贋。


「確認出来ないってのは」と蒼が言った。


> 同じ印影が何本からでも出ます。

> どの一本であるかを、本機は特定出来ません。


 蒼は眼鏡を上げて、それから下げた。


「三秒くれ」


 三秒より長く掛かった。掛かってから、蒼は帳面に印影を写した。写した線を指で追って、切れ目を探した。探して、無かった。


「欠けが一つも無い」と蒼が言った。

「欠けが要るのか」

「欠けが、その印だっていう証拠になる」


 巌が実印に手を当てた。見る前に触っている。印面を親指の腹で撫でて、それから柄の方を握った。握った位置が、木暮が握っていた位置と同じだった。


「どうだ」と燈が訊いた。

「ん」


 巌は握った手を離して、袖で拭いた。拭いてから、柄の下の縁だけをもう一度撫でた。


 紬が颯太の袖を見た。糸が一本出ている。指で拾って、二度巻いて、引いて、切らなかった。


「切らないの」

「切ると、また出るから」

「ふうん」


 外で砂が鳴った。乾いた音である。屋根の下で二度返って、それから消えた。


 道に灰白色が並んでいた。数える前に百を超える。木暮印判店の硝子の前に、一列で並んだ。硝子には触れていない。


 その先に男が立っていた。革の前掛けで、作業着に汚れが一つも無い。手に持った布で、細い工具を一本ずつ拭いている。


「線が繋がるようになりました」と型取が言った。

「繋がったな」と燈が言った。

「切れた線は、読みにくうございます」


 燈は答えなかった。答えずに、印籠を出した。


「颯太、下がってろ」と燈が言った。

「うん」

「もっと下がれ」


 颯太は三歩下がって、それから二歩戻った。玲が肩を掴んで、また下がらせた。


「押印!」


 五つの胸から朱が広がった。円、角、杼形、縦長方形、六角。五色が残る。艶は何処にも無い。


 背後に紙が広がって、五つの印が並んだ。右下だけが白い。


 型取が掌を開いた。掌に印が乗っている。掌に乗る大きさで、柄が細く、印面が円い。


 印が地面へ落ちて、落ちた場所から膨らんだ。四メートル近くまで立つ。柄に節が二つあって、そこで曲がる。円い印面が下を向いていた。


> 贋作体であります。原物、木暮印判店の預かり品。

> 印面の線、切れておりません。

> 同一性、確認出来ません。


「判定は」と燈が言った。


> 出来ません。


 印が柄で歩いた。節を曲げて、二歩で道を渡る。渡ってから、印面を石畳へ落とした。


 押した。


 石畳に円い跡が残った。跡の中に線がある。線が一本も切れていない。


 跡の上を歩くと、足が滑った。押した場所が平らになりすぎている。


 滑ったのは玲だった。膝を突いて、そこから桜色が黒く汚れた。汚れた場所を手で払って、払ったら余計に広がった。紬が手を出したが、玲は掴まずに自分で立った。


 印が二度目を押した。一度目と同じ場所だった。跡が重なって、境目が消えた。


「同じところ押してる」と蒼が言った。

「わざとか」

「わざとじゃない。同じにしか押せないんだ」


 三度目が来た。燈が跡の上に立った。滑る場所である。滑って膝を突いたが、退がらなかった。


 印面が落ちてくる。燈は槌を上げなかった。上げずに、片手で受けた。


 受けた腕が沈んだ。石畳が鳴った。


「玲!」

「なに」

「そこ、欠かせろ!」


 玲がスカシバを振った。


 印面の縁に線が入った。細い線である。一本だけ、彫り残しのような欠けが出来た。


 欠けた場所から、朱が滲んだ。


> 判定 ── 贋。


 識の声が出た。出るまでに、少し間があった。


「出たな」と蒼が言った。


 紬が鞭を投げて、柄の節に巻いた。巻いてから引く。節が曲がったところで止まった。


 巌が大鋸を当てた。


「ツギテノコ!」


 歯が柄に入った。切ってはいない。切らずに、継ぎ目を作った。


 継ぎ目から下が傾いた。傾いた先で印面が上を向く。上を向いた面に、欠けが一つある。


 燈が槌を腰の高さから振った。


「ホムラヅチ!」


 欠けの真上に入った。


 印面が割れた。割れ目が欠けから走って、円の外まで抜けた。


 贋作体は形を失っていく。柄が縮んで、印面が縮んで、道に一つだけ残った。


 実印だった。


 繋がった線の印である。木暮の店に届いたものと同じ形をしている。


 誰も何も言わなかった。


 灰白色が動いた。最後の一体が膝を突いた時、道にいた全部が一斉に口を開く。顔が平らで、口は無い。それでも声だけが揃った。


「……ありがとうございました」


 消えた。道に足跡が一つも無い。


 巌が実印を拾って、木暮の台へ戻した。戻してから、向きを直した。



 木暮が脚立を出してきた。


 店の前に立てて、看板の下へ回した。看板は木の板で、「印判」と彫ってある。彫りの底に朱が入っていて、朱の色が抜けかけていた。


 木暮が登った。登って、留め金に手を掛けた。


「下ろすなよ」


 燈が下から言った。一行で切って、それ以上は言わない。


 木暮は留め金に手を掛けたまま止まった。止まって、下を見た。


「畳むんだぞ」と木暮が言った。

「畳んでいいです」

「看板だけ残してどうする」

「読めるから」


 木暮は手を下ろした。下ろしてから、脚立を降りた。降りて、脚立を畳んだ。


「読めるからな」


 木暮はそれだけ言って、店の中へ入った。硝子の戸を閉めた。閉めた戸の内側で、印材の並びを一本ずつ布で拭いていた。


 看板は残った。


 朱の抜けかけた彫りに、日が入っている。彫りの底だけが影になって、そのおかげで字が読めた。


 燈は看板の下で一度だけ息を吐いた。吐いてから、颯太の方を見た。


 颯太が燈の横に立っていた。掌に粘土の刻印を乗せている。


「これ、真だって」と颯太が言った。

「真だってな」

「押せないのに」

「押せねぇのにな」


 颯太は刻印を胸の高さまで上げた。上げて、看板の方へ向けた。


「押してみようか」

「押せねぇよ」

「うん」


 颯太は下ろした。下ろして、掌で包んだ。


 玲が横に来た。屈んで、颯太の掌を覗いた。覗いてから、亀裂の入った場所を指で示した。


「ここ、割れてる」と玲が言った。

「割れた」

「直さないの」

「直したら、ちがうやつになる」


 玲は口を開けて、それから閉じた。閉じてから、もう一度覗いた。


「お姉ちゃん、これ見て」


 颯太が刻印を持ち上げた。持ち上げて、玲の目の高さへ出した。


 玲は受け取らなかった。受け取らずに、顔を近付けた。近付けたまま、暫く動かなかった。


「見てる」

「釘、同じ向きなんだよ」

「うん。見てる」


 玲の指が、絆創膏の上を擦った。擦ってから、止まった。


 絆創膏は四本ぶん貼ってある。切子を削る時に、震えて指を当てるからだった。貼り替えるのは朝で、夕方には端が捲れている。


「お姉ちゃん」


 玲は返事をしなかった。しなかったが、顔は上げなかった。刻印から目を離さなかったという意味になる。



 道の向こうで、男の声がした。


「── 量産」


 灰白色が地面から生えた。石畳の目地から、水路の水面から、木暮印判店の屋根の上から。同じ顔で、同じ背丈で、同じ間隔で。一つが別の一つの肩に乗って、その上にまた乗る。


 水路が持ち上がって黒い炉が立った。向かいの岸で長い窯が伸びる。裏の林から櫓が起き上がって、織り場の屋根から機が出た。砂の山から硝子を切る台が立つ。


 五つが並んだ。素焼のままである。


「巌さん」

「ん」


 巌の櫓が動いた。四箇所を継いで、一分ずつ緩める。


> 連結を確認。


「火入れッ!」


 炉の底が鳴った。赤が上がって、継ぎ目を通って渡っていく。


> 真、通りました。


「組み継ぎ、合体!」


 継手が噛んだ。木を組む時と同じ音が、四十メートルの高さで鳴る。


 塊が肩から倒れてきた。緋の面が押し返した。押し返した足がアーケードの柱を掠って、柱が根元から折れた。


 屋根が片側だけ下がった。下がった先が水路で、石垣が二間ぶん崩れた。


 地上で、颯太が走った。走って、転んだ。玲がロボの足元から降りてはいない。降りていないので、佐久間が走った。


「颯太、こっちだ」

「うん」


 佐久間が颯太の腕を引いて、豆腐屋の土間へ入れた。桶を置いたままだった。


「刻印!」


 右の拳が前へ出た。左の掌が、その甲を上から押す。


「銘刻斬ッ!」


 声が五つ揃った。


 拳が塊の胴へ入った。入ったところで止まって、そこに朱が走る。線が字の形になっていって、銘が刻まれていた。


 塊は崩れた。落ちた先が崩れた石垣である。水が両側へ逃げた。


 木暮印判店の看板には何も届かなかった。



 朝になった。七月に入っていた。朝から蝉が鳴いている。


 木暮印判店の硝子に紙が貼ってある。手書きで「本日をもって閉店いたします」と書いてあった。字は上手い。


 看板は出ていた。「印判」と彫った板である。朱が抜けかけている。


 燈は看板を見上げた。見上げてから、店の中を覗いた。印材の棚が空になっている。台だけ残っていて、腕を置く場所の凹みがそのままだった。


 凹みは片側だけ深い。右腕を置く側である。木暮は右で彫って、左で印を押さえていた。押さえる側の縁は擦れているだけで、凹んではいなかった。


 柏木菓子舗の前を通ると、縁を打つ音がした。二度打っている。まだ離れないらしかった。


 燈は火村鍛冶へ入った。壁に半紙が二枚貼ってある。煤が付き始めていた。


 その隣に、新聞紙を一枚貼った。颯太が刻印を乾かしていた紙である。粘土の粉が付いていて、円い跡が残っていた。


 跡は円いだけで、字になっていない。押せない印が三日そこに置かれていた跡である。


 燈は紙の四隅を釘で留めた。剥がれないように四本使った。


> 銘量 ── 火村燈 七百八十五。陶山蒼 八百二十六。綾織紬 六百七十四。

> 楠木巌 八百九十。硝子井玲 七百六十八。

> 六つ、減っております。


 燈は数を聞いた。聞いてから、火床の灰を掻く。下の炭が生きている。


 颯太が入ってきた。掌に刻印を乗せている。


「燈ちゃん」と颯太が言った。

「何だ」

「これ、何処に置いたらいい」

「持ってろ」


 颯太は頷いた。頷いてから、刻印を作務衣の胸のあたりへ当てた。当てる場所を探して、二度動かした。


 二度目で止めて、そこで押した。


 何も出なかった。


> 【鑑定 第十八号】

> 押印累計 ── 八十。

> 物件 ── 刻印、一つ。

> 追記 ── 本日、押印五。搭乗五、刻印一。銘量の減少を確認。

> 所見 ── 当該物、判定 ── 真。同じものが、他にありません。

>     押印の機能 ── ありません。所有者は承知しております。

>     預かり品(実印、一本)、判定 ── 贋。印面に固有の欠損なし。

>     贋作体一体、消失。欠損を人為的に付与したことにより判定が可能となる。

>     付与したのは硝子井玲であります。

>     印判店・木暮、本日をもって廃業。

>     看板は下ろされておりません。

>     市の被害 ── アーケードの柱、一本。屋根、片側下がり。水路の石垣、二間。

>     依頼者の申し立て ── 直したら、ちがうやつになる。

> 本件、真贋判定 ── 〈真〉。

> ただし、

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。