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世界を救った少女が眠り続けているので、大悪魔の俺が今度こそ救うことにした  作者: 和伊 和威
第五章 世界を救った神も、救われていなかった
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69. 「星継ぎに触れるな」――地球の奥から声がした

いつも応援ありがとうございます!


当作品は、【毎日 朝06:00 / 夕方18:00】の1日2回、定時更新でお届けしております。


今回もぜひ、最後までお楽しみください!

【美月(みづき)視点】

 開いた。神性領域。その奥へ。私とおじいちゃんは、ゆっくり足を踏み入れた。

「……何、ここ」

 最初に見えたのは、大地だった。どこまでも続く、緑の大地。その向こうには海。さらに上には、青い空。

「外……?」

「いや」

 おじいちゃんが首を振る。

「そんなわけねぇ」

 そう。ここは地球の奥深く。空があるはずも。海があるはずもない。なのに。目の前には、どう見ても一つの世界が広がっていた。


 風が吹く。草が揺れる。波が動く。遠くで、鳥のような何かまで飛んでいる。

「……生きてる」

「何が?」

「この場所」

 うまく言えない。でも、そう感じた。ダンジョンとは違う。星継(ほしつ)ぎ管理機構とも違う。もっと大きい。まるで、この場所そのものが一つの生き物みたいだった。



【皐月(さつき)視点】

「変な場所だな」

 しゃがんで、地面へ触れる。土。感触まで本物だ。指の間で崩れる。匂いまである。だが。

「……違う」

「何がです?」

「本物の土じゃねぇ」

 魔力。神性。生命。いろんなものが混ざっている。それが、大地という形を作っている。

「海も?」

「たぶんな」

「じゃあ空も?」

「全部だ」

 美月が辺りを見回す。

「これ」

「地球そのものみたい……」

 俺も、同じことを思っていた。大地。海。空。生命。魔力。地球を構成するものが、縮められて一つに集められている。そんな感覚。

「神性領域……いったい誰が作った?」



【美月視点】

「っ!」

 突然、胸の奥が強く震えた。

「美月?」

「待って」

 また、深層適性。でも。今までとは違う。管理機構に触れた時は。私から、何かへ繋がる感じだった。今は違う。向こうから。私を見られている。そんな感覚。

「……気持ち悪い」

「戻るか?」

「それは嫌」

「即答かよ」

「ここまで来たんだから」

「だな」


 一歩。進む。その瞬間。世界が震えた。

「っ!」

 海が止まる。波が、途中で止まった。風が止まる。草も。鳥も。全部。止まった。音まで消えた。

「……師匠」

「ああ」

 何かいる。それだけは。はっきり分かった。


 次の瞬間。声が響いた。

『……去れ』

「!」

 男とも。女とも分からない。空からでもない。大地からでもない。海からでもない。まるで。この世界そのものが喋ったような声だった。



【皐月視点】

「誰だ?」

 返事はない。

「姿見せろ」

 少し、間。そして。

『星継ぎに触れるな』

「……」

 サクラ。こいつ、サクラを知ってる。

「お前」

「サクラを星継ぎにしたやつか?」

 答えない。代わりに、地面が低く震えた。

『地球を乱す者よ』

『去れ』


「嫌だね」

 俺は即答する。

「こっちは、何十年も、サクラを起こす方法を探してんだ」

 管理機構にも。星守にも。地球そのものにも。何度邪魔されても。ここまで来た。

「今さら、帰れって言われて帰れるかよ」



【美月視点】

 また、世界が震えた。さっきより強い。

「……怒った?」

「知らん」

「師匠が喧嘩売るからでしょ」

「質問しただけだ」

「言い方!」

 でも。怖い。この声。管理機構とは違う。管理機構は、命令に従っていただけだった。でも、これは違う。私たちを見ている。判断している。拒絶している。

「……意思がある」

「ああ」


 おじいちゃんが、神性領域の奥を見る。

「しかも、ずっとここにいたみたいだな」

 地球の底。誰も知らなかった場所。そこに。何万年もの間、存在していた何か。そして、その何かは。サクラ様を知っている。

『星継ぎに触れるな』

 もう一度、その声が響く。私は、初めて思った。もしかしたら。私たちは。地球そのものに。拒絶されているのかもしれない。

本編をお読みいただきありがとうございました!


一気読みしてくださっている方も、毎日追ってくださっている方も、本当にありがとうございます!

第一章も楽しんでいただけていたら嬉しいです!


面白い、続きが気になる!と思ってくださったら、ページ下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援していただけると、第三部を最後まで駆け抜ける凄まじいエネルギーになります!


(星は1つからでも、ポチッと気軽に押していただけると大喜びします!)


――次回予告――

神性領域の奥で、美月が見たもの。


それは、地球を巡る魔力を管理し、

人々と共に生きていた一柱の神だった。


地球に神がいなかったんじゃない。

かつて確かに存在して――そして、いなくなった。


なら次に追うべきは、その理由。


次回

『70. 神がいないんじゃない。地球の神は“いなくなった”んだ』


次回【夕方18:00】更新です!

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