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世界を救った少女が眠り続けているので、大悪魔の俺が今度こそ救うことにした  作者: 和伊 和威
第五章 世界を救った神も、救われていなかった
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68. 地球に、神なんかいねぇはずだろ

いつも応援ありがとうございます!


当作品は、【毎日 朝06:00 / 夕方18:00】の1日2回、定時更新でお届けしております。


今回もぜひ、最後までお楽しみください!

【美月(みづき)視点】

 星継(ほしつ)ぎ管理機構との戦いが終わった。いや。正確には、終わったわけじゃない。私たちは、管理機構に敵ではないと認めさせただけ。サクラ様は、まだ星継ぎのまま眠っている。星守(ほしもり)はいなくなった。私たちを排除しようとする光も、もうない。なのに。透明な結晶の向こうで眠っているサクラ様は、何も変わらない。

「……結局」

「代わりを見つけないといけないんですよね」

「ああ」

 隣で、おじいちゃんが答える。

「サクラの代わりに、地球を維持できる存在」

「そんなもの、本当にいるんですか?」

「知らん」

「知らんって」

「分かってたら、とっくに起こしてる」

「……それもそうだけど」


『皐月(さつき)』

 大賢者の声。

「どうした?」

『地球深部の神性反応が』

『さらに強くなっています』

「……またか」

 最近、ずっと観測されていたもの。地球の奥。私たちが普段立っている場所より、ずっと深いところにある。正体不明の神性。それが。管理機構との戦いが終わってから、さらに強くなっている。

「代わりになれる何かが、そこにいる可能性は?」

『不明です』

「ですよね」

 期待した私が悪かった。でも。何も関係がないとは、もう思えなかった。


 その時。

「……ん?」

 おじいちゃんが、管理領域の奥を見る。

「どうしたの?」

「前は」

「こんなのなかった」

「え?」

 私も見る。奥。今まで何もなかった場所。そこに。細い光の道が伸びていた。

「道……?」

 床に沿っているようにも見える。でも、その先は淡い光に溶けて、どこまで続いているのか分からない。

『確認できません』

「大賢者にも?」

『はい』

『私の観測範囲外です』

「またそれかよ」

 おじいちゃんが、小さくため息をついた。



【皐月視点】

 管理機構が敵対をやめた。それと同時に。今まで閉ざされていた場所が開いた。偶然。とは思えない。

「美月」

「はい」

「行くぞ」

「やっぱり行くんですね」

「ここまで来て帰れるかよ」

「私も同じです」

「……」

「何です?」

「いや」

「お前、だいぶ慣れてきたな」

「誰のせいだと思ってるんですか」

「俺?」

「おじいちゃんです。師匠です。零(ゼロ)です。全部同じ人です」

「まだ怒ってんのかよ」

「当たり前でしょ!」


 くだらないやり取りをしながら。俺たちは、光の道を進む。だが。奥へ行くほど、空気が変わっていく。静かだ。なのに。何かに見られているような圧迫感がある。魔力とも違う。ダンジョンの深層で感じるものとも違う。

「……師匠」

「ん?」

「これ」

「ダンジョンじゃないですよね」

「ああ」

 管理機構とも違う。もっと古い。もっと大きい。まるで。俺たちが知っている地球よりも前から。ここにあったような感覚だった。


「大賢者」

『はい』

「この先」

「何か分かるか?」

『……』

「大賢者?」

 返事が、いつもより遅い。

『申し訳ありません』

『これ以上は』

『完全に観測できません』

「完全に?」

『はい』

『管理機構以上に、私の認識から外れています』

「……」

 嫌な予感がする。それなのに。同時に。ここまで来て初めて。本当に答えへ近づいているような気もした。



【美月視点】

 しばらく進むと。光の道が、突然途切れた。

「行き止まり?」

 前には、何もない。壁すらない。ただ、暗い空間があるだけ。

「いや」

 おじいちゃんが前を見る。

「何かある」

「……」

 私も手を伸ばす。その瞬間。

「っ!」

 胸の奥が、強く震えた。管理機構へ接続した時より。もっと。強い。深層適性。私の中の何かが。目の前にあるものへ、無理やり引っ張られるみたいだった。


「師匠」

「これ……」

 目の前。何もなかった空間に、文字が浮かぶ。

 《接続個体を確認》

 《深層適性反応》

 そして。次の文字。

 《神性領域への接続を確認》

「……神性?」

 私は、思わずおじいちゃんを見る。おじいちゃんも、その文字を見ていた。

「神性領域……」

 さっきまでより、少しだけ表情が険しい。

「でも……地球って、神様いないんですよね?」

「ああ。少なくとも……俺たちはそう思ってた」


 おじいちゃんが、目の前の光を見る。

「地球に、神なんかいねぇはずだろ」

 その瞬間。閉ざされていた空間が、ゆっくり開き始めた。音はない。なのに。世界そのものが動いたように感じた。光の向こう。今まで感じたことのない。巨大な何かの気配が流れ出してくる。思わず、息が止まった。


 その奥から。今まで感じたことのない、巨大な何かの気配が流れ出してきた。サクラ様とは違う。管理機構とも違う。ダンジョンとも違う。もっと古く。もっと深く。地球そのものに近い何か。地球の、もっと深い場所。そこに。私たちが知らない何かが。ずっと。存在していた。

本編をお読みいただきありがとうございました!


一気読みしてくださっている方も、毎日追ってくださっている方も、本当にありがとうございます!

第一章も楽しんでいただけていたら嬉しいです!


面白い、続きが気になる!と思ってくださったら、ページ下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援していただけると、第三部を最後まで駆け抜ける凄まじいエネルギーになります!


(星は1つからでも、ポチッと気軽に押していただけると大喜びします!)


――次回予告――

神性領域の奥で、美月たちに初めて“声”が届く。


『星継ぎに触れるな』


それは命令でも、自動処理でもない。

明確な意思を持って、サクラへ触れることを拒む存在。


地球の底で、何万年も眠っていた“何か”が――

ついに皐月たちへ言葉を向ける。


次回

『69. 「星継ぎに触れるな」――地球の奥から声がした』


次回【朝06:00】更新です!

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