57. 星守の力を辿ったら、最後は地球に繋がっていた
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【美月視点】
壊しても。戻る。また壊しても。戻る。
「もう何回目!?」
「数えるな!」
「終わらないじゃん!」
「分かってる!」
師匠が、また一体、星守を吹き飛ばす。白銀の身体が床へ崩れ落ちる。でも、やっぱり破片はそのままじゃない。少しずつ、地面へ吸い込まれていく。
「……」
その時、気づいた。
「師匠!」
「何だ!」
「下!」
「下?」
「床!」
星守が再形成される。その瞬間。床を流れていた光が、一気にそいつへ向かっていた。
「ほら!」
「光!」
師匠も、ようやく見る。
「……本当だな」
床。壁。巨大な機構。そこを流れる光が、星守へ集まっていく。結晶。魔石。植物の根。白銀の装甲。全部、その光を受けて形を作っている。
「これ」
「管理機構から力もらってる?」
「たぶんな」
私の攻撃が通じないとか。師匠が倒せるとか。そういう話じゃない。星守は、この場所から作られている。
【皐月視点】
なら、流れを追えばいい。星守へ送られる力。その元。管理領域。さらに、その奥。
「……」
地球。この機構そのものが、地球と繋がっている。
「そりゃ」
また再生する星守を見る。
「キリねぇわけだ」
「地球から?」
「ああ」
「たぶん」
「じゃあ」
美月が引きつった顔をする。
「地球と戦ってるみたいなもの?」
「……近いかもな」
「嫌すぎる」
「俺もだ」
魔物じゃない。迷宮核が作った兵器でもない。人間が作ったものでもない。もっと別の何か。地球側にある、自律した防衛の仕組み。少なくとも、迷宮側の存在ではない。
その時。一体の星守が、急に方向を変えた。
「……え?」
私じゃない。師匠でもない。いや。次の瞬間、真っすぐ私へ。
「美月!」
速い。避けきれない。
「っ!」
剣を構える。でも、その前に。師匠が、消えた。
ドンッ!!
「……え?」
大きな音。次に見えた時、師匠は私の前にいた。星守の腕を、片手で受け止めている。
「……」
何?今。
「師匠?」
「下がれ!」
そのまま、星守を投げる。白銀の巨体が床を転がる。さらに、師匠が追いつく。速い。さっきまでより、明らかに。
「……師匠!」
「何だ!」
「それ!」
「何だ!」
「今まで使ってなかったですよね!?」
「後にしろ!」
「やっぱり!」
【皐月視点】
まずい。少し出しすぎた。でも、美月に当てるわけにはいかねぇ。星守が立つ。もう一体。さらに、後ろから。
「ちっ」
拳。蹴り。魔力。最低限、必要な分だけ引き上げる。だが、胸の奥。魂糸が、僅かに震える。
「……」
サクラ。今も、俺と繋がってる。昔より、こいつも耐えられるようにはなった。それでも、限界が消えたわけじゃない。これ以上は出せねぇ。サクラと繋がったまま。ここで悪魔の力を引きずり出すのは危険だ。
【美月視点】
師匠。やっぱり、おかしい。いや、強いのは知ってた。私より、ずっと上。でも、今までと全然違う。動きも。速さも。力も。
「……」
これ。今まで、本気じゃなかった?そう思った瞬間。
《保全処理強化》
文字が浮かぶ。
「また嫌なやつ!」
奥に光が灯る。一つ。二つ。さらに、三つ。
「師匠」
「ああ」
「増えてる」
「ああ」
「これ以上?」
「ああ」
「大丈夫?」
「……」
師匠が、少しだけ黙った。
そして。
「美月」
「はい」
「悪いが」
「何?」
「もう少しだけ」
師匠が、星守たちを見る。
「隠してた力を使う」
「……」
私は思わず、師匠を見る。
「やっぱり」
「隠してたんじゃん」
「今は文句言うな」
「後で絶対聞くから!」
「生きて戻ったらな」
「またそれ!」
でも、聞く。絶対に聞く。師匠が何を隠しているのか。どうしてそこまで強いのか。どうしてサクラ様と、あんなふうに繋がっているみたいに見えるのか。その答えを。星守たちが、一斉に動き出した。
今は聞けない。聞いている場合じゃない。でも。絶対に聞く。師匠は、普通じゃない。B級ハンターなんかじゃない。それどころか。私が知っているどのハンターよりも、ずっと遠いところにいる。そんな気がした。星守たちが、一斉に動き出す。師匠が一歩前に出る。その背中から、今まで隠していた何かが、ゆっくり滲み出していた。
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――次回予告――
ついに、美月の目の前で隠していた力を見せ始めた皐月。
「B級って、嘘ですよね?」
もう誤魔化せない。
しかも管理機構からは、《星継ぎへの重大干渉能力》を持つ危険個体として再評価される。
そして現れたのは、これまでとは比べものにならない巨大な《星守》。
倒すべきは、番人ではない。
その“番人を生み続ける側”だった。
次回
『58. 「B級って嘘ですよね?」とうとう美月にバレました』
次回【朝06:00/夕方18:00】更新です!




