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第三話 旅立ちと、村娘との出会い


 朝。


 俺は目を覚ました。


「……ん」


 昨日の出来事が、頭の中を一気に駆け巡る。


 巨大な魔物。


 カイル。


 セレスティア。


 そして。


 無限化。


「……濃すぎるだろ」


 異世界に来て二日目。


 普通なら、もう少しゆっくり異世界生活を楽しむものじゃないのか。


 俺はベッドから起き上がった。


 窓を開ける。


 朝の光が差し込んできた。


 昨日と同じ景色。


 森。


 遠くの山。


 そして、その向こうに見える王都。


「……旅に出たいな」


 ふと、そんなことを思った。


 昨日までなら、考えもしなかった。


 この世界について、もっと知りたい。


 魔法も。


 魔物も。


 街も。


 人も。


 そして。


 俺の「反射」が一体どこまで通用するのかも。


 何より。


 この屋敷にいるだけでは、何も分からない。


「……よし」


 俺は決めた。


 旅に出よう。


 そう思った直後。


 コンコン。


「坊ちゃま、お食事の準備ができております」


「今行く」


 まずは朝飯だ。


 腹が減っては旅もできない。


 * * *


「旅に出たい?」


 朝食の席でそう言った瞬間。


 父親が固まった。


「はい」


「……なぜ?」


「この世界を見て回りたいんです」


「まだ早い」


 即答だった。


「魔法を習い始めたばかりだろう」


「そうですけど」


「昨日は王都が襲撃されたばかりだ」


「……」


「むしろ今は屋敷から出るべきではない」


「ですよね」


 予想通りだった。


 俺はパンをかじる。


「でも、ずっとここにいるのも嫌なんです」


「レオン」


 父親が真剣な顔をする。


「旅は遊びではない」


「分かっています」


「魔物に襲われるかもしれない」


「はい」


「盗賊に遭うかもしれない」


「はい」


「病気になるかもしれない」


「はい」


「食料がなくなるかもしれない」


「はい」


「道に迷うかもしれない」


「……はい」


「それでも行きたいのか?」


 俺は少しだけ考えた。


 そして。


「行きたいです」


 父親は黙った。


 母親も。


 使用人たちも。


 誰も口を開かない。


 しばらくして。


「……分かった」


「本当ですか?」


「ああ」


 俺は思わず身を乗り出した。


「ただし」


 父親が指を立てる。


「条件がある」


「条件?」


「護衛を一人つける」


「え?」


「それから、旅先では必ず定期的に連絡を入れること」


「分かりました」


「そして、危険だと思ったら必ず逃げること」


「はい」


「無茶をしない」


「……」


「返事」


「はい」


 父親はため息をついた。


「まったく……」


 だが。


 その顔には少しだけ笑みが浮かんでいた。


「お前は昔から、一度決めたら聞かないからな」


「そうでしたっけ?」


「そうだ」


 こうして。


 俺の旅立ちが決まった。


 * * *


 出発は三日後になった。


 その三日間。


 俺は旅の準備をした。


 服。


 食料。


 水。


 魔法道具。


 簡単な治療薬。


 そして。


「これを持っていけ」


 父親から渡されたのは、一振りの剣だった。


「剣?」


「護身用だ」


「俺、剣術なんて習ってないけど」


「だから護身用だ」


「使えないじゃん」


「持っているだけでも違う」


「なるほど」


 鞘から抜く。


 綺麗な剣だった。


 刃は細く。


 軽い。


「これ、高そう」


「実際、高い」


「……落としたら?」


「弁償しろ」


「旅に持っていきたくなくなった」


「冗談だ」


 父親が笑った。


 そして。


 俺の肩に手を置く。


「気をつけろ」


「はい」


「世界は広い」


「……」


「お前が思っているより、ずっと広い」


 その言葉が。


 なぜか妙に心に残った。


 * * *


 出発の日。


 俺は屋敷の門の前に立っていた。


「……」


 振り返る。


 ここに来てから、まだ二日。


 なのに。


 少しだけ寂しい。


「坊ちゃま」


 声をかけてきたのは、いつものメイドだった。


「忘れ物はありませんか?」


「大丈夫」


「本当に?」


「たぶん」


「たぶんでは困ります」


 彼女が荷物を確認する。


「食料よし。水よし。薬よし。地図よし」


「完璧だな」


「あと」


 彼女が小さな袋を渡してくる。


「これは?」


「お弁当です」


「……ありがとう」


「道中で食べてください」


 俺は袋を受け取った。


 そして。


「行ってきます」


「はい」


 俺は歩き出した。


 * * *


 最初は順調だった。


 街道を歩く。


 天気もいい。


 風も気持ちいい。


「旅って、いいな」


 俺は鼻歌を歌いながら歩いていた。


 隣を歩いているのは、父親からつけられた護衛。


 名前はガレス。


 三十歳くらいの男で、無口だった。


「ガレス」


「何ですか」


「次の街までどのくらい?」


「半日ほどです」


「じゃあ、昼には着く?」


「道が順調なら」


「楽しみだな」


「……坊ちゃま」


「何?」


「旅は遠足ではありません」


「分かってるって」


 ガレスはため息をついた。


 だが。


 その直後だった。


「……止まってください」


 ガレスが足を止めた。


「どうした?」


「静かすぎます」


「?」


 俺も周囲を見る。


 森。


 鳥の声。


 風。


「普通じゃない?」


「違います」


 ガレスが剣に手をかけた。


「鳥の声がありません」


「……」


 確かに。


 さっきまで聞こえていた鳥の声が。


 今は一つもない。


 ガサッ。


「……!」


 茂みが揺れた。


 ガレスが剣を抜く。


「下がってください」


「何?」


 次の瞬間。


 茂みから。


 黒い獣が飛び出した。


「うわっ!」


 狼。


 いや。


 普通の狼より遥かに大きい。


 口から涎を垂らしている。


「魔物です!」


 ガレスが斬りかかる。


 だが。


 狼が横へ飛ぶ。


「速い!」


 さらに。


 二匹。


 三匹。


 次々と茂みから出てくる。


「多くない!?」


「群れです!」


 ガレスが俺の前に立つ。


「坊ちゃま、下がって!」


 狼が一斉に飛びかかる。


「反射!」


 俺は咄嗟に手を前へ出した。


 一匹目。


 俺の腕に触れる。


 ――バキッ!


 狼が弾き飛ばされた。


「……」


 二匹目。


 反射。


 三匹目。


 反射。


「すげえ……」


 狼たちが次々と吹き飛んでいく。


 だが。


 問題があった。


「……あ」


 俺が弾き飛ばした狼が。


 地面に落ちる。


 そして。


 跳ね返った。


「え?」


 反射が続いている。


 狼が地面にぶつかる。


 跳ね返る。


 木にぶつかる。


 跳ね返る。


 また地面。


 また木。


「……」


 俺は固まった。


「これ……止まらない」


「坊ちゃま!?」


 狼がものすごい速度で森の中を飛び回っている。


 しかも。


 さっきまで俺たちを襲っていた他の狼まで巻き込んでいる。


「ちょっと待って!」


 狼が別の狼にぶつかる。


 さらに反射。


 木。


 地面。


 岩。


 別の狼。


「……」


 ガレスが呆然としている。


「何ですか、あれは」


「俺にも分からない!」


「坊ちゃまがやったのでは?」


「そうだけど!」


 最終的に。


 十匹近くいた狼たちは。


 全員地面に倒れていた。


「……」


「……」


 沈黙。


「オフ」


 反射を解除する。


 俺はため息をついた。


「……やりすぎた」


 ガレスが狼を確認する。


「気絶しています」


「死んでない?」


「はい」


「よかった」


 俺は少し安心した。


 すると。


 ガレスが俺を見る。


「坊ちゃま」


「何?」


「昨日から思っていたのですが」


「うん」


「本当に、普通の子供ですか?」


「……」


 答えられなかった。


「まあ……」


 俺は笑う。


「普通ではないかも」


 * * *


 その後。


 俺たちは街道を外れた。


 狼の群れが出た場所を避けるためだ。


 しかし。


「……道が分からなくなりました」


「え?」


 ガレスが地図を見る。


「予定より東へ逸れています」


「戻れる?」


「おそらく」


「おそらく?」


「少し時間がかかります」


 俺は空を見る。


 太陽が傾き始めていた。


「……今日、街に着けない?」


「難しいでしょう」


「マジか」


 仕方なく。


 森の中を進む。


 そして。


 夕方。


「……あれ?」


 木々の向こうに。


 煙が見えた。


「村?」


「そうかもしれません」


 俺たちは煙の方向へ向かった。


 やがて。


 森を抜ける。


 そこには。


 小さな村があった。


 木造の家。


 畑。


 井戸。


 そして。


 村の入り口に立つ一人の少女。


「……」


 少女がこちらを見る。


 茶色の髪。


 肩まで伸びた髪を後ろでまとめている。


 白いシャツに、膝丈のスカート。


 素朴な服装。


 だけど。


 笑顔が印象的だった。


「あの……」


 少女が近づいてくる。


「旅の方ですか?」


「そうです」


「街道から外れました?」


「……はい」


 俺が答えると。


 少女はくすっと笑った。


「やっぱり」


「やっぱり?」


「この辺り、初めて来る人はみんな迷うんです」


「そうなの?」


「森の道が分かりにくいので」


 少女が俺を見る。


「泊まる場所を探していますか?」


「できれば」


「でしたら、村長さんに話してみます」


「助かる」


「いえ」


 少女が笑う。


「困ったときはお互い様ですから」


 その笑顔に。


 俺は少しだけ見とれてしまった。


「……」


「どうしました?」


「いや」


 俺は慌てて目を逸らした。


「なんでもない」


「変なの」


 少女は笑った。


 そして。


「私はミアです」


「ミア?」


「はい。この村で暮らしています」


「俺はレオン」


「レオンさん」


 名前を呼ばれただけなのに。


 なんとなく嬉しかった。


「よろしくお願いします」


「こちらこそ」


 俺たちは村へ入った。


 * * *


 村は小さかった。


 住民も二十人ほど。


 だが。


 どこか温かい雰囲気がある。


 村長に事情を説明すると。


「旅人なら、うちに泊まるといい」


 と、快く受け入れてくれた。


「ありがとうございます」


「礼などいらんよ」


 村長は笑った。


「ただし」


「はい?」


「明日の朝、少し手伝ってくれんか?」


「何を?」


「畑の収穫じゃ」


「もちろん」


 こうして。


 俺は村に一泊することになった。


 その夜。


 村の食堂で夕食を食べる。


「美味しい」


「でしょう?」


 向かいに座っていたミアが笑う。


「うちの村の自慢なんです」


「これ何?」


「山菜と鶏肉を煮たものです」


「めちゃくちゃ美味い」


「いっぱいありますから、どうぞ」


 ミアが俺の皿に料理をよそってくれる。


「ありがとう」


「いっぱい食べてくださいね」


「旅って、こういうのがいいな」


「こういうの?」


「知らない場所で、知らない人と飯を食べる」


 ミアが少しだけ驚いた顔をする。


「……変な人」


「よく言われる」


「ふふ」


 彼女が笑う。


 その笑顔を見て。


 俺も笑った。


 そのとき。


 外から。


 ドンッ。


「……?」


 何かが聞こえた。


 村人たちが一斉に顔を上げる。


 もう一度。


 ドンッ。


 今度は地面が揺れた。


「……何?」


 村長が立ち上がる。


「まさか……」


 外から。


「魔物だ!」


 誰かが叫んだ。


 食堂が騒然となる。


「またか!」


「どうしてこんなところに!」


「子供たちを家へ!」


 俺も立ち上がった。


「ミア」


「はい!」


「何が起きてる?」


「分かりません!」


 外へ出る。


 村の入り口。


 そこには。


 巨大な猪のような魔物がいた。


 額に一本の角。


 身体は馬より大きい。


 目は赤い。


「……また魔物か」


 俺は剣を見る。


 だが。


 剣術は使えない。


「レオンさん!」


 ミアが俺の腕を掴む。


「逃げて!」


「え?」


「この魔物は危険です!」


「でも」


「早く!」


 彼女が俺を引っ張る。


 そのとき。


 魔物が突進した。


「危ない!」


 俺はミアを抱き寄せた。


「きゃっ!」


 そのまま横へ飛ぶ。


 魔物が俺たちの横を通り過ぎる。


 地面が大きく抉れた。


「……大丈夫?」


「……」


 ミアが俺の腕の中にいる。


 距離が近い。


 彼女の顔がすぐ目の前にある。


 茶色の瞳。


 驚いて見開かれている。


「……レオンさん」


「うん」


「近いです」


「……ごめん」


 慌てて離れる。


 ミアの顔が赤くなっている。


「……」


「……」


 気まずい。


 こんな状況なのに。


 変なところを意識してしまう。


「レオンさん!」


 ガレスの声で我に返る。


「今です!」


 魔物が再び突進してくる。


 俺は立ち上がった。


「……反射」


 魔物が俺へ突っ込んでくる。


 角が。


 俺の身体に当たる。


 ――ドォン!


 魔物が弾き返された。


「グオッ!?」


 そのまま地面へ。


 反射。


 起き上がる。


 また反射。


 村の柵へ。


 反射。


 地面へ。


 反射。


 木へ。


 反射。


「……」


 ミアが呆然としている。


「レオンさん……?」


「……」


 俺も呆然としていた。


 そして。


 まただ。


 反射が止まらない。


「オフ!」


 魔物が地面に落ちる。


 気絶。


「……」


 村人たちが静まり返った。


 やがて。


「……倒した?」


「一人で?」


「今の何だ?」


 ざわざわと声が広がる。


 俺は頭を掻いた。


「……まあ」


 ガレスがため息をつく。


「坊ちゃま」


「何?」


「もう隠す気がないでしょう」


「……」


 確かに。


 村人全員に見られた。


 もう仕方ない。


 そのとき。


 ミアが俺のところへ来た。


「レオンさん」


「うん?」


「さっき……」


 彼女が俺の服の袖を掴む。


「助けてくれて、ありがとうございました」


「いや」


「私、怖かったです」


「……」


「でも」


 ミアが笑った。


「レオンさんがいてくれて、よかった」


 その言葉に。


 胸が少しだけ熱くなった。


「……俺も」


「え?」


「ミアが無事でよかった」


「……」


 今度は。


 ミアの顔が赤くなった。


「……そういうこと、普通に言うんですね」


「え?」


「なんでもありません」


 彼女は顔を背けた。


「変な人」


「またそれ?」


 ミアは笑った。


 その夜。


 俺たちは村の人たちから何度も礼を言われた。


 魔物は村から少し離れた場所に埋めることになった。


 そして。


 俺はミアと一緒に、村の外れにある丘へ向かった。


「ここ、綺麗ですね」


 月明かりに照らされた村。


 小さな家々。


 遠くに森。


 その向こうに山。


「うん」


 俺は隣に座る。


「ミアは、この村から出たことある?」


「ほとんどないです」


「そうなんだ」


「村が好きなので」


「そっか」


「レオンさんは?」


「俺?」


「どこへ行くんですか?」


 俺は少し考えた。


「分からない」


「分からない?」


「いろんなところへ行きたい」


「目的地は?」


「ない」


「じゃあ」


 ミアが笑う。


「私と同じですね」


「え?」


「私も、行きたい場所なんて決めたことありませんから」


 風が吹く。


 ミアの髪が揺れた。


「でも」


 彼女が遠くを見る。


「いつか、村の外を見てみたいとは思っています」


「……」


 その言葉を聞いて。


 俺は思った。


「じゃあ」


「はい?」


「一緒に行く?」


 ミアがこちらを見る。


「……どこへ?」


「分からない」


「ふふ」


 彼女が笑った。


「本当に変な人」


「褒め言葉として受け取っておく」


「はい」


 ミアはしばらく黙って。


「……楽しそうですね」


「だろ?」


「でも」


 彼女が少しだけ寂しそうに笑う。


「私は、この村を離れられません」


「そっか」


「家族もいますし」


「うん」


「だから」


 ミアは立ち上がった。


「レオンさんが旅を続けて」


 そして。


 俺を見る。


「いつか、またここへ来てください」


「……」


「そのときは」


 彼女が笑った。


「もっと美味しいものを作っておきます」


「約束?」


「約束です」


 俺も笑った。


「じゃあ、また来る」


「はい」


 * * *


 翌朝。


 俺は村を出ることになった。


 ガレスと一緒に街道へ向かう。


 村の入り口には。


 ミアがいた。


「レオンさん!」


「ミア」


「旅、気をつけてくださいね」


「うん」


「魔物に無茶しちゃ駄目ですよ」


「分かってる」


「本当に?」


「……たぶん」


「もう」


 ミアが笑う。


 そして。


 小さな袋を渡してきた。


「これは?」


「干し果物です」


「旅のお供?」


「はい」


「ありがとう」


 俺は受け取った。


 その瞬間。


 ミアが少しだけ近づいてきた。


「……」


 頬に。


 柔らかな感触。


「……え?」


 ミアが俺の頬にキスをしていた。


 一瞬だった。


 すぐに離れる。


「……」


「……」


 二人とも固まる。


 ミアの顔が真っ赤になる。


「そ、それじゃ!」


「え、ちょっと――」


 ミアは村の中へ走っていった。


「……」


 俺はその場に立ち尽くす。


 ガレスが横を見る。


「……坊ちゃま」


「何?」


「旅は遠足ではありません」


「今それ言う?」


「いえ」


 ガレスは少し笑っていた。


「良い旅になりそうですね」


「……」


 俺は頬に手を当てた。


 まだ。


 少しだけ。


 温かい。


「……また来よう」


 そう呟いた。


 俺は歩き出す。


 村を離れる。


 街道を進む。


 目的地は決まっていない。


 行きたい場所も。


 見たいものも。


 まだたくさんある。


 だけど。


 旅を始めて。


 初めて分かったことが一つある。


 異世界の旅は。


 思っていたより。


 ずっと楽しい。


 そして。


 俺はまだ知らなかった。


 この先の旅で。


 俺の人生を大きく変える三人の女性と出会うことを。


 一人は。


 村で待っている少女。


 一人は。


 俺の力を知りながら、俺自身に興味を持つ女。


 そして。


 もう一人は。


 俺の「反射」とは、まったく別の力を持つ女。


 彼女たちとの出会いが。


 やがて。


 俺の旅を。


 ただの異世界旅行ではなくしていくことになる。


 ――もっとも。


 今の俺には。


 そんな未来のことなんて。


 知る由もなかった。


「次の街、楽しみだな」


 俺は空を見上げた。


 青い空。


 白い雲。


 遠くを飛ぶ鳥。


 そして。


 街道の先に広がる、まだ見たことのない世界。


 俺は笑った。


「行こう」


 こうして。


 俺の異世界旅行は。


 本当の意味で始まった。

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