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3. ウミガメ語り『人間とワシ』

 ある日、自分が何者なのか探るため、海の生き物を観察することにした。


『ワシの城』が見えなくなるまで離れてみたが、どれだけ離れてもその場所を見失うことはなかった。まるで一本道を進むかのように最短で帰ることができたのじゃ。


 観察を続けていると、海面に近いところでワシと同じ手や甲羅を持つ生き物を見つけた。仲良くなろうと近付くが、ワシに対してあまり興味が無い様子じゃった。一緒に泳いでくれる者もいたが、深いところへは潜ろうとしなかった。


 ある日、いつものように海の中を観察していると、遠くの方から声が聞こえてきた。どうやら浅瀬の方に何かいるようじゃ。


 近付いてみると、二本足で歩く生き物が浅瀬や砂浜に群がっていた。こんな光景を、以前にも見たような気がするが定かではない。


 しばらくその生き物を観察していると、次第に言葉が分かるようなってきた。もしかしたら以前にも聞いたことがある言葉なのかもしれない。それとも、『ワシの城』で不思議な力を得たせいなのだろうか?


 その生き物は自分達を『人間』と呼び、ワシのことを『ウミガメ』と呼んだ。観察すればするほど人間という生き物は面白い。


 海の中でも色んな生き物の声を聞いたが、そのほとんどは生きるために必要な会話じゃった。しかし、人間の話は、ほとんどがどうでもいい内容なのじゃ。嘘を付く、自慢する、馬鹿にする、歌う、笑うなど。それに、だめと言われたらやりたくなる生き物らしい。


 人間というのは実にくだらない。


 ワシはそんな理解できない人間の話を聞くのが好きじゃった。

 それ以来、ワシは毎日人間を観察したのじゃ。

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