第三十一章 処置室
明るかった。
まぶしいくらい明るかった。
知らん匂いもいっぱいした。
薬の匂い。
知らん犬の匂い。
知らん人の匂い。
オイラは毛布に包まれたまま、
台の上に乗せられた。
少し冷たかった。
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いろんな人がオイラを見とった。
体を触る。
顔をのぞき込む。
何か話しとる。
でもオイラには分からんかった。
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痛かった。
そこを触られるたびに痛かった。
思わず体に力が入る。
でもあんまり動けへん。
せやからじっとしとった。
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友ちゃんの声が聞こえた。
あの人の声も聞こえた。
二人とも近くにおる。
それが分かるだけで少し安心した。
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しばらくすると、
眠たくなった。
ぼんやりする。
目を閉じる。
また開ける。
灯りがにじんで見えた。
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どれくらい経ったんやろ。
よう分からん。
気がついたら、
さっきより痛みは少しましになっとった。
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友ちゃんがおった。
あの人もおった。
二人ともオイラを見とる。
なんや少し安心した顔やった。
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オイラはゆっくり息をした。
はぁ。
はぁ。
ちゃんと息ができた。
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体を見ると、
何かがついとった。
なんやろ。
よう分からん。
ちょっと気になる。
でも触れへん。
⸻
あの人たちは何か話しとった。
難しいことを言うとるみたいやった。
でもオイラには分からん。
オイラに分かるんは、
友ちゃんがおること。
あの人がおること。
頭を撫でてもらえること。
それだけやった。
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少ししんどかった。
少し眠たかった。
でも、
友ちゃんの匂いがした。
あの人の匂いもした。
せやからオイラは目を閉じた。
大丈夫や。
そんな気がした。




