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魔女と汽車-人間の魔女とエルフの弟子-  作者: 白波
第13章 ザドの闇市

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第60話

 大聖堂での調査を終えた次の日。マーガレットたちの姿は冒険者ギルドあった。ここ一か月間この町に滞在しているが、手配書の話をすっかりと聞かなくなったため、こういったところに出入りしても安全だという判断からの行動だ。

「冒険者ギルドにようこそアイさん。えっと、そちらの方は?」

 冒険者ギルドに入ると、さっそくと言わんばかりに受付嬢がマーガレットたちに声をかける。

「私の師匠のマーガレット様です。今回はちゃんと依頼を受けようかと思ってきたんですよ」

「そうなんですね。ありがとうございます」

 アイに関しては何度かこの場所に来ているので受付嬢と面識があるらしく、さっそくと言わんばかりに挨拶を交わす。

「アイの師匠で魔女のマーガレットです。よろしくお願いします」

「はい。よろしくお願いします。それでは依頼が掲示されている掲示板の方へと案内しますね」

 その会話の後、マーガレットたちは受付嬢の案内で掲示板がある場所へと案内される。掲示板を見てみると、ほかの町の冒険者ギルドと同様に簡単な依頼がちらほらと掲示されていた。

「うーん。どれがいいかしら?」

 そのようなことをつぶやきながらマーガレットは依頼の一覧を見ていくが、今のところ受付嬢が何か言ってくる気配はない。となれば、マーガレットに関する手配書は現状この町に来ていないか、期限が切れて無効となっていると判断しても大丈夫なのかもしれない。

 その後、マーガレットは三件ほどの依頼書を手に取って受付嬢にその依頼を受けることを伝え、依頼者の元へと向かった。


*


 マーガレットたちが依頼を受け始めてから一週間ほどある日、マーガレットとアイは受付嬢に声をかけられて応接室に通されていた。

「……もしかして、この町にも手配書が?」

 アイが小声で声をかける。

「それだけはないと信じたいところね」

 それに対して、マーガレットが小声で返事をしたところで受付嬢が部屋へと戻ってくる。

「いつも依頼を受けていただいてありがとうございます。実は少々調査していただきたいことがございまして……」

「調査してほしい案件と言いますと?」

 どうやら手配書の件ではないらしい。そのことについて安堵しつつ、マーガレットは『調査してほしいこと』について聞き出していく。受付嬢の人が言うにはこの一週間ぐらいの間に出どころ不明な魔導書や古文書がこそこそと売られているという情報が入ってきたのだという。

「なるほど……その情報源は?」

「町にある唯一の魔道具店の店主です。場所はあとで案内します……なんでも、突然大量の魔導書の買い取りを依頼されたのだとか……あまりにも怪しかったのでその場では断ったそうなのですが、その後から闇市のような形で魔導書や古文書の売買が行われているという情報を耳にしたそうです」

「……魔導書や古文書ですか……」

 一週間前というと、マーガレットたちが大聖堂で隠されていた空間を見つけた時期と重なる。まさかとは思うが、そこに保管されていた貴重な物品が売買されているのだろうか?

「……事情は分かりました。まずは情報源となっている魔道具店ですね……それは大聖堂の近くにあるという認識で間違いないですか?」

 町で唯一というぐらいなのだからマーガレットたちが魔導書を買った店で間違いないのだろうが、念のため確認を取る。すると、受付嬢は少々意外そうな表情を浮かべてから返答をする。

「町の外の方なのにご存じだったんですね。やはり、そのあたりは魔女だからということでしょうか?」

「まぁある意味ではそうですね。大聖堂のシスターさんにぜひ行ってみたらどうかと前に紹介されたんですよ」

「あぁそう言うことですか……でしたら、まずはその魔道具店に向かってもらってもいいでしょうか? その先のことについてはこの案件の依頼主であるそこの店主と話をしていただくという形でお願いしたいです」

「はい。わかりました」

 その会話の後、マーガレットは受付嬢から依頼書を受け取って席を立ち、冒険者ギルドを後にする。

「マーガレット様、出どころ不明の魔導書や古文書って……」

「大聖堂のモノと決めつけるのは少々早計かもしれないけれど、可能性としては考えておいた方がいいかもしれないわね」

 マーガレットたちは今回の依頼についてそれぞれ意見を交わしながら大聖堂の方にある魔道具店へ向けて歩いて行った。

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