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柴犬の名は、シバコウ。またの名を、ジョセフィーヌ  作者: 木村文彦


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 う共通の話題があり、淳ちゃんと僕は頻繁に喋るようになっていた。

「一応、確かめておきたいんだけど、シバコウって本当に、魔王なの?」

 なぜかシバコウだけが大神殿に居残り、他の悪魔たちは帰っていった隙を突き、僕は確かめた。大文殊様が「魔王である」と、認定したものの、まだ僕は不信感で一杯だった。

「うむ、いかにも。ワシの名はジョセフィーヌ。またの名を、シバコウ」

「ちなみに魔王である証拠とか、ある?」

「そんなもん、ワシのプリティーな顔を見れば、一目瞭然じゃろう?」 

 埓が明かないので、「今度は、魔王だと証明できる従者を連れてきてね」と即刻、お引き取り願った。思ったよりも簡単に承諾したシバコウは、モフモフと単独で帰っていき、「堕天使の桜井先生じゃ。これでどうじゃ!」と意外にもすぐに、大神殿に戻ってきていた。

「いや、桜井先生には会ったことがあるよ?」

 威勢のいい柴犬に対して、黒のスーツを着た桜井先生は無表情だった。

「魔王。早く城に戻って、最大限、仕事をしてほしいんだが」

 冷たい声色で言い放つ桜井先生に反応してか、シバコウの身の毛がブワッとよだっている。桜井先生に上目遣いをしている。

 柴犬のかわいさを最大限、活かせる表情だ。

「それは下の者に任せたはずじゃが。ほれ。レオとかきなこちゃんとか、魔王城にいたはずじゃろう?」

「彼らは別の仕事のために、城を離れていた」

「奴らめ。仕事をサボるために、外へと出よったな?」

 まだシバコウは、上目遣いを続けている。

「その外の仕事とはこの大神殿に訪れることであり、それも魔王からの令だと聞いているが?」

 桜井先生から丁重な礼を受けた僕は「はあ」としか言えない。

 桜井先生に足ををズルズルとひきずられた魔王が、「嫌じゃあ、助けてくれえ」と泣き叫んでいる。大神殿から退場していく。

 僕は、思う。

 あんな魔王が、本当に実在するのかと。



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