↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボロマチ見聞録  作者: 篩獅師(ふるいしし)
【第2話 ユーリンと紙の精霊】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/32

第2話の8 「あっ、ココっち」

 その時、店のドアが開いて、来訪者を告げる鐘が鳴りました。


「こんにちは~。ドコちゃん…。ドルコナ、来てますか~? さっき、ユーリンさんと一緒に歩いていったって聞いたから…」


 ひょっこり現れたのはココットでした。


「あっ、ココっち。今日の仕事、随分早く終わったんだ?」


 ココットの姿を見て、ドルコナは軽く手を振りました。


「あんたがお腹を出してグースカ眠っているうちから働いていただけよ。ってか、何でここでくつろいでいるのよ…」


 ココットは半ば呆れたような視線を向けました。


「ココットさん。いらっしゃい。どうぞこちらへ。今、お茶を淹れますね」


 ユーリンは椅子から立ち上がって、代わりに座るように促しました。


「あっ、おかまいなく。もう『連行』しますんで、今度時間のある時にでも」


 ココットは笑顔を見せつつ、目つきだけはちょっときつめにして、ドルコナをジロリと見ました。


「連行か~。そういや何度かそんなこともあったな~。両手を万歳にされて、連れて行かれたとき、地元の新聞に写真入りで載ったこともあったよ。ドワーフを見たことない変わった種族の人たちでさ、珍獣みたいに思ったんじゃない?」


 しれっと気になることを口にしましたが、つっこむ時間が無かったのでココットはスルーしました。


「あとお店の外、常連のお客さんが…。多分、お茶しているのが見えたから、遠慮されているんじゃないかと」


 ココットが左の手のひらで、窓の外を示しました。

 何度かこのお店で見かけたことのあるお客さんだったので、ココットも顔は知っていました。


「あらっ! もうこんな時間でしたかっ!!」


 ユーリンもようやくそのことに気づきました。

 柱時計を見れば、開店時間を大きく過ぎていました。


「そっか。それは申し訳なかった。色々とお店の話を聞きたかったけど、また次にするよ。お茶とお茶菓子、ごちそうさま。とっても美味しかった」


 ドルコナは両手を合わせてから席を立ち、帰りの支度を始めました。


「いえいえ。私も今日はお話が出来て、とても楽しかったです。またお待ちしています」


 ユーリンはあまった焼き菓子を手早く紙袋に入れ、それをココットに手渡しました。


「あら、どうもごちそうさまです。ユーリンさん。次はこの三人で食事をしましょう」


「ええ。是非。その時はドルコナさんの旅の話を聞かせてください」


「あっ、それ、私も聞きたい」


 二人はドルコナに顔を向けました。


「じゃあ、まずはアタシが臭くなった経緯でも」


「それは止めて」


「それはいいです」


 二人は同時にお断りを入れました。


(つづく)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。