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ドミノ・クラッシュ・ボウリング  作者:
【第一章】 世界大会予選

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特別推薦枠

 高層こうそうビルの最上階さいじょうかいに、もんはかま老人ろうじんがいた。


 このビルを所有しょゆうする会社かいしゃの「会長かいちょう」だ。


 と同時どうじに、べつかたきもある。


 この老人ろうじんきにして、『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』をかたることはできない。


 あの競技きょうぎの「考案者こうあんしゃ」だ。ボウリングきがこうじて、さらなる刺激しげきもとめた結果けっか、『DCB』をおもいついたのだ。


 ならべられた大量たいりょうのドミノを、ボウリングのたま豪快ごうかいたおす。


 盛大せいだいんでいくドミノ。


 その光景こうけいはインパクトがあり、『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』は世界せかいじゅうへとひろまっていった。いまではいろんな国々(くにぐに)たのしまれていて、世界せかい大会たいかいひらかれている。


 そして、今度こんど開催地かいさいちは「日本にほん」だ。


 それにさきって、『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』の考案者こうあんしゃとして、「あたらしいルール」を提案ていあんした。


 もとめたのは、これまで以上いじょう刺激しげき


 従来じゅうらいの『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』は、ドミノをたおすだけだった。


 しかし、しんルールによる『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』では、そこでわりにしない。


 さらにさきがある。現場げんばからの「逃走とうそう」だ。


 これを「しんルール」として追加ついかした。


 ドミノをたおした時点じてんで、警備員けいびいんたちがうごす。


 かれらから一定いってい時間じかんげきることができれば、「勝利しょうり」だ。


 このルール改定かいていによって、『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』のゲームせいは、おおきくわることになるだろう。


 つために必要ひつよう要素ようそえた。もはやボウリングの技術テクニックだけではたたかえない。いそいでげなければ、警備員けいびいんたちにつかまる。あしはやさも重要じゅうようだ。


 日本にほん代表だいひょう選考せんこう会議かいぎでも、そのてん重視じゅうしされた。現場げんばからの逃走とうそうかんがえると、わかいメンバーで世界せかいいどんだほうがいい。


 日本にほんは『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』の発祥国はっしょうこくでありながら、近年きんねん世界せかい大会たいかいでは苦戦くせんつづいている。いま挑戦者ちょうせんしゃ立場たちばだ。


 とはいえ、若手わかて有望株ゆうぼうかぶがいる。


 島原しまばらヒミコ。


 昨年さくねんおこなわれた若手わかて世界せかい選手権せんしゅけんで、じゅん優勝ゆうしょうしている。


 日本にほん代表だいひょう一人ひとり彼女ヒミコだ。


 さらに二人ふたりもあっさりまる。忍者にんじゃ一族いちぞくだ。


 ここまではいい。世間せけん予想よそうどおりだろう。


 日本にほん代表だいひょうはあと一枠ひとわく


 最後さいご一人ひとりについて、選考せんこう会議かいぎ難航なんこうした。はっきりって、どの候補者こうほしゃも「おびみじかし、たすきにながし」だ。


 で、結論けつろんはこうなった。


 最後さいご一人ひとりについては、『日本にほんDCB協会(きょうかい)』の「会長かいちょう」に一任いちにんする。


 その会長かいちょうというのが、この老人ろうじんだ。『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』の「考案者こうあんしゃ」であると同時どうじに、『日本にほんDCB協会(きょうかい)』の「会長かいちょう」でもある。


 面倒めんどうしつけられてしまったが、そもそもしんルールをしたのは会長かいちょう自身じしん。こうなったのは仕方しかたがないだろう。


 それでここ数日すうじつかんがつづけてきた。


 日本にほん代表だいひょう最後さいご一人ひとりだれにするのか。


 老人ろうじんなかで、候補こうほ二人ふたりにしぼられている。そのどちらが、日本にほん代表だいひょうにふさわしいのか。


 しかし、そこからさきまらない。時間じかんばかりがえていく。


かんがえなければいけないことが、ほかにもあるのだが・・・・・・)


 こうなったら、まいかみ候補者こうほしゃ名前なまえいて、ふねかたちり、


(そのふたつをかわながして、はやかったほうにするか?)


 無茶むちゃ苦茶くちゃかただが、そもそも『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』自体じたい無茶むちゃ苦茶くちゃ競技きょうぎだ。こういうかたは、ぎゃくに「あり」かもしれない。


 そんなことをかんがえていると、


会長かいちょう、おきゃくさまがご到着とうちゃくされました」


 そうって、秘書ひしょ客人きゃくじんれてくる。


 外国人がいこくじんだ。くろかみで、褐色かっしょくはだをしている。古代こだいエジプトふう装身具そうしんぐを、からだのあちこちにつけていた。あと、銀色ぎんいろのアタッシュケースをっている。


 この人物じんぶつは、『世界せかいDCB協会(きょうかい)』の「ふく会長かいちょう」だ。


 で、この老人ろうじんが「会長かいちょう」。『日本にほんDCB協会(きょうかい)』だけでなく、『世界せかいDCB協会(きょうかい)』の「会長かいちょう」も兼任けんにんしている。


「よくてくれた。ラーディ」


 老人ろうじん破顔はがんすると、


「ムラサメ会長かいちょう、あいかわらずおいそがしいようですね」


 相手ラーディわらった。


「そうだとも。やるべきことが、たくさんある。きみほうおなじではないかね?」


「なので、たまにサボるようにしています」


「なるほど。わしもならうとしよう」


 ムラサメは秘書ひしょがらせた。


 これから秘密ひみつはないをする。世界せかい大会たいかい予選よせんもなくはじまるので、さきめておきたいことがあった。


 まだ世間せけんには公表こうひょうしていないが、今度こんど世界せかい大会たいかいには『特別とくべつ推薦すいせんわく』が存在そんざいする。このわくえらばれたものたちは、各地かくち予選よせん参加さんかすることなく、本大会ほんたいかい出場しゅつじょうできるのだ。


 それをいまからめる。


 ここにいる「会長ムラサメ」と「副会長ラーディ」の二人ふたりで。


 そうしてめたものたちには、こっそり連絡れんらくする。世間せけん公表こうひょうされるのは、もうすこしあとになってだ。


 これは世界せかい大会たいかいげるための「サプライズ」。事前じぜん情報じょうほうれないように、会長かいちょうふく会長かいちょうだけでめるのだ。それぞれが「候補者こうほしゃ」をにんずつえらんできて、そのなかからめる。


 ムラサメは日本にほん代表だいひょうけんあたま片隅かたすみいやると、おおきなテーブルのうえから、タブレット端末たんまつった。


「わしの候補者こうほしゃは、このにんだ」


 端末たんまつ画面がめんには、にん顔写真かおじゃしん表示ひょうじされている。


 そのなか一人ひとりは、あの『くろ仮面かめん』だ。話題わだい人物じんぶつ世界せかい大会たいかいやくには、うってつけだろう。


 ただし、その正体しょうたい不明ふめいなので、連絡れんらくさきはわからない。


 もしも『くろ仮面かめん』が『特別とくべつ推薦すいせんわく』にまれば、例外れいがいてき措置そちをとる。すぐさま世界せかいじゅう告知こくちして、相手くろかめんからの連絡れんらくつのだ。


わたしほうは、このにんです」


 今度こんどはラーディが、アタッシュケースのなかから、まい写真しゃしんした。にん候補者こうほしゃたち、その顔写真かおじゃしんだ。


 それを一通ひととおてから、ムラサメは感想かんそうげる。


たのしそうな人選じんせんだな」


会長かいちょうほうこそ、大会たいかいげてくれそうなかおぶれですね」


 こうして、『特別とくべつ推薦すいせんわく』の候補者こうほしゃたちがそろった。


 それぞれがえらんだにんうち


共通きょうつうするのは、一人ひとりだけだな」


 ムラサメがう。ラーディもうなずいた。もっと共通きょうつうする候補者こうほしゃがいるとおもっていた。


 とはいえ、この一人ひとりかんしては、えらばないほうがおかしい。


 単純たんじゅん実力じつりょくだけで評価ひょうかするなら、現在げんざいの『ドミノ・クラッシュ・ボウリング』かいにおいて、最強さいきょう人物じんぶつだ。しんルールにも、あっさり適応てきおうしてくるだろう。


 なので、『特別とくべつ推薦すいせんわく』の一人ひとりは、


「『石版せきばんおう』でまりですね。それで問題もんだいないとおもいます」


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