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小説を書いたことないので、AIになろう系小説を書かせてみた 〜気まぐれAIのカフェイン転生が、俺の人生を変えた件〜  作者: U2U
第三部 四つの風

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第22話 追跡開始 ―― 後編「地図にない村」

◆◆◆


目の前には、確かに二本の道があった。片方は、これまで歩いてきたのと同じ、見慣れた街道。もう一方は、木々の間へ静かに続いている、細いが確かな道だった。ポン太が改めて地図を確認するが、やはり本来の街道しか描かれていない。


ゼピュロス「で、どっち行くの」


直也「普通に考えたら、地図にある方だろ」


ボレアス「ならば、こちらじゃな」


彼女が指差したのは、地図にない方だった。


直也「話聞いてた?」


ボレアス「聞いておった。だからこちらじゃ」


直也「なんでだよ」


ボレアス「知らぬ道があるのに、知っておる道へ行って何が面白い」


ゼピュロス「観光じゃないのよ?」


ボレアス「旅とは知らぬものを見るものではなかったのか」


俺は、一瞬、反論の言葉に詰まった。


ポン太「昨日まで荷物すら持ってなかった奴に、旅を語られてるぜ旦那」


ボレアス「昨日の妾と今日の妾を同列に扱うでない」


直也「成長速度がすごいな」


それでも、道は明確に踏み固められており、危険な気配もない。時間にも余裕があった。


直也「変だったら戻るぞ」


ボレアス「最初からそうすればよい」


直也「お前が決めたみたいに言うな」


◆◆◆


地図にない道は、拍子抜けするほど普通だった。轍があり、人の足跡もあり、道端の草も踏まれている。最近突然できた道には、とても見えなかった。


ポン太がしゃがみ込み、轍を確かめる。


ポン太「荷車も普通に通ってんな」


直也「やっぱ地元の道なんじゃないか」


リィナ「それなら、地図にないこともありますよね」


ゼピュロス「案外普通で拍子抜けね」


ポン太「拍子抜けって、何を期待してたんだよ」


ゼピュロス「別に、何も」


ボレアス「見よ。妾の選択は正しかった」


直也「まだ何も分かってない」


ボレアス「結果は後から付いてくるものじゃ」


ゼピュロス「その自信どこから出てくるの」


ボレアス「妾からじゃ」


直也「質問の意味そのまま返すな」


しばらく歩いていると、後方から荷車の音が近づいてきた。真っ先に気づいたのは、ボレアスだった。


ボレアス「後ろから来るぞ。端へ寄れ」


俺たちは道を空けた。荷車が、静かに通り過ぎていく。


御者「ありがとよ!」


それだけの、何でもないやり取りだった。だが、ボレアスがちゃんと役目を果たしたことに、俺は気づいていた。


直也「役に立ったな」


ボレアス「当然じゃ。誰に物を言っておる」


ゼピュロス「褒めるとすぐこれなんだから」


ボレアス「もっと褒めても構わぬぞ」


直也「要求するな」


◆◆◆


さっきの荷車が、少し先で止まっていた。御者が、荷台に腰掛けて一息ついている。ポン太が、自然な足取りで話しかけた。


ポン太「この先、どっか集落あるのか」


御者「あるよ」


俺たちは、少しだけ反応した。


御者「この先しばらく行けば、小さい村がある。水も食料も買えるし、旅人も時々寄るぜ」


直也「新しい村なんですか」


御者「新しい?」


怪訝な顔をされた。


御者「いや、俺がガキの頃からあるぞ」


ポン太が、懐の地図を確かめる。載っていない。


御者「その地図が古いんじゃねぇか」


直也「……やっぱりそれか」


御者と別れたあと、ボレアスが言った。


ボレアス「村があるなら行くぞ」


直也「なんでお前が決めるんだよ」


ボレアス「水と食料が買えるのであろう」


ポン太「お、旅人っぽい理由になってきたじゃねぇか」


ボレアス「当然じゃ」


少しの間があった。


ボレアス「……甘いものもあるやもしれぬ」


ゼピュロス「そっちでしょ」


ボレアス「違う!」


直也「間が全部説明してたぞ」


ボレアス「貴様らは妾を何だと思っておる!」


ポン太「食費の増加要因」


ボレアス「まだ言うか!」


◆◆◆


木々の向こうに、煙が見えた。最初は、旅人か猟師の野営かと思った。だが近づくにつれ、畑や柵、家々、井戸、小さな広場が、次々と姿を現す。子どもが走り回り、洗濯物が干され、誰かが畑仕事をしている。ごく普通の村だった。


直也「……本当に村だ」


ゼピュロス「普通にあるじゃない」


ポン太が地図を睨む。


ポン太「ねぇな」


直也「何が」


ポン太「村」


地図の上には、何も描かれていなかった。


リィナ「小さな村だから、載っていないだけでは」


ポン太「まあ、そういう村もある」


村人たちは、旅人の一行に警戒する様子もなく、自然に迎え入れてくれた。ポン太が補給できる場所を尋ねるついでに、俺も老店主へ問いかけた。


直也「ここって、最近できた村なんですか」


店主「最近?」


不思議そうな顔をされた。


店主「そんなことはないよ。私が子どもの頃からある。親の代からここで暮らしてる」


直也「そうですか……」


店主「珍しいことでも聞くね、旅の人は」


店主「まあ、こんな小さな村だ。役人の測量から漏れてても不思議じゃないさ」


ポン太「こういう小さい村なら、地図に載らねぇこともある。珍しいってほどでもねぇよ」


その言葉に、誰もが納得したように頷いた。


売店の前では、ボレアスが並んだ品物を眺めていた。


店主「何か欲しいのかい」


ボレアス「妾に相応しいものを出せ」


直也「注文の仕方!」


店主「はっはっは、面白いお嬢さんだ」


店主は笑いながら、小さな焼き菓子を差し出した。


ボレアス「ほう」


ポン太「金は?」


ボレアス「……」


ポン太「持ってねぇよな」


ボレアス「直也」


直也「なんで俺を見る」


ボレアス「仲間なのであろう」


直也「そういう時だけ便利に使うな!」


リィナが小さく笑う。結局、俺が支払うことになった。


ボレアスは、焼き菓子を一口かじった。


ゼピュロス「どう?」


ボレアス「……悪くない」


ゼピュロス「はい、気に入った」


ボレアス「なぜ分かる!」


◆◆◆


村の外れで、俺は改めて地図を広げた。やはり、村の姿はどこにもない。


直也「ALMA、この村、確認できるか」


ALMA『確認します』


短い間があった。


ALMA『現在位置に集落が存在することを確認しました』


直也「地図には?」


ALMA『記載されていません』


直也「古いだけか?」


ALMA『可能性はあります』


直也「他の可能性は」


ALMA『現時点では判定できません』


ボレアス「またそれか」


ALMA『判定できないことは、否定でも肯定でもありません』


ボレアス「屁理屈をこねるのじゃな」


ALMA『事実の範囲を正確に述べています』


直也「そういえば、未確認反応は」


ALMA『追跡を継続しています』


直也「この辺りと関係あるか」


ALMA『関連性は確認できません』


その答えに、それ以上の追及はしなかった。


◆◆◆


夕方、村での補給を済ませ、俺たちは休憩を取っていた。ポン太が地図を畳む。


ポン太「まあ、地図が古かった。それで済む話かもしれねぇな」


直也「そうだな」


リィナも小さく頷いた。ゼピュロスは、既に興味を失ったように欠伸をしている。


ゼピュロス「お腹すいた。次はいつ食べるの」


ポン太「さっき菓子食っただろうが」


ゼピュロス「あれとこれは別腹よ」


ボレアスだけが、村の方をじっと眺めていた。


直也「どうした」


ボレアス「いや」


少しの間があった。


ボレアス「地図にないからといって、ここにないわけではなかろう」


直也「……まあな」


ボレアス「ならば、今はそれでよい」


炊事の煙、子どもの声、家畜の鳴き声。どう見ても、昔からここで人が暮らしてきた、ただの村だった。俺は、もう一度地図を見た。そこには、やはり何も描かれていない。


直也「……そうだな」


俺は、地図を鞄へしまった。


ALMA『直也さん』


直也「ん?」


短い間があった。


ALMA『未確認反応の解析を継続します』


直也「頼む」


頭上の光球が、静かに明滅を続けている。


目の前にある村は、地図にはない。それでも今は、それ以上に確かなことが一つだけあった。


ここには、人が暮らしている。


◆◆◆(地図にない村)◆◆◆

ここまでお読みいただきありがとうございます。

次回更新予定:10月6日(火)になります。


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