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小説を書いたことないので、AIになろう系小説を書かせてみた 〜気まぐれAIのカフェイン転生が、俺の人生を変えた件〜  作者: U2U


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第13話(1)氷の監視者と、ほどけない鎖 ―― 欠陥品の言い分

◆◆◆


「妾はボレアス。北の風を束ねる者、そしてこの冷徹なる世界の理の監視者じゃ」


名乗りを終えたボレアスが、極寒の瞳を細めたまま俺たちを見下ろしている。

静寂が、また一段冷たくなった。

さっきまでただの「気配」だったものが、今は明確な人格としてそこに座っている。しかも最悪なことに、見た目は綺麗なのに態度が死ぬほど感じ悪い。


腰の鞘の中で、ゼピュロスが沸騰していた。


ゼピュロス「微風!今、私のことを微風って言ったわよね!?風の魔剣様を捕まえて微風!どういう神経してるの!!」


鞘がガタガタと震えている。このままでは自力で抜け出てきかねない。


直也「落ち着け。分かった分かった、お前が怒るのはよく分かる。だが今は外套が俺の腰をへし折ろうとしてるから、まず立てるかどうかの方が先だ」


防寒外套は相変わらず、ボレアスを最上位対象として認識し、俺の背骨を規定角度で折り曲げようとしている。膝立ちまでがやっとだ。リィナも隣で必死に体勢を保っていて、床に手をついたまま「うぅ……」と情けない声を漏らしている。


ボレアス「ふん。その衣服は分を弁えておるな。少なくとも、貴様らよりは賢い」


ゼピュロス「衣服が賢いって褒め方ある!?私たちがバカって言いたいだけじゃないの!」


ボレアス「否定はせぬ」


ゼピュロス「キーッ!マスター、今すぐこいつに風速100メートルを浴びせていい!?」


直也「やめろ。俺の腰が砕ける前に保管庫が崩壊する」


俺は悲鳴を飲み込みながら、鞘の中で暴れるゼピュロスを必死に押さえつけた。近い距離で騒ぎ立て、常に動いていたいゼピュロスと、遠い高みから冷たく見下ろし、すべてを静止させようとする銀髪の少女。属性から何から、完全に真逆だ。


リィナ「あのっ、お二人とも! 喧嘩はだめです! せっかくお掃除に来たんですから、仲良く……」


見かねたリィナが、平伏した姿勢のまま震える声で間に入ろうとした。だが、ボレアスの視線がリィナへ向いた瞬間、空気がわずかに変わった。怒りではない。品定めに近い、長い沈黙だった。


「……仲良く、か」


少女は静かに繰り返した。嘲るでも、一蹴するでもなく、言葉の意味を一度舌の上で転がしたような間だった。


「その小娘、少しは理に干渉できるようだが、根底にあるのはただの自己犠牲と矮小な願いか。妾の御前で口を挟むには、百年早いわ」


リィナ「うぅっ……ご、ごめんなさい……」


直也「謝らなくていい! ……おい、リィナちゃんをいじめるな。お前、俺たちを敵だとは思ってないみたいだが、協力する気も一切ないんだな?」


ボレアス「協力? ……笑わせるな。妾は妾の意思でここに在る。貴様らのように、他者に流されて歩き回るような下賎な真似はせぬ」


直也「下賎って便利な言葉だな。気に入らない相手をまとめて見下せる」


ボレアス「便利ではない。正確なだけじゃ」


ゼピュロス「うわ、感じ悪っ!」


ポン太「へへっ。旦那、ほらな。だから言っただろ? 関われば関わるほど高くつくって。このお姫様、プライドの高さは金貨百枚分は下らねぇぜ」


直也「お前は黙ってろ。余計な火種を増やすな」


ただでさえカオスな状況だというのに、誰一人として他人に譲歩する気がない。俺の頭上で明滅する光球も、先ほどから奇妙な挙動を見せていた。


ALMA『……直也さん。対象の言語パターンの解析を続行しています。対象の言動は「拒絶」を基調としていますが、自己の存在意義を説明するなど、対話の回路自体は閉ざしていません。……しかし、依然として私の分類フレームワークには適合しません。これは……非常に、興味深いエラーです』


直也「お前が『興味深い』なんて言うの、初めて聞いたぞ」


ALMA『肯定。既存の整理手順では処理しきれない未知の変数が存在します。……対象は、私が今まで観測してきたどの存在とも異なります。対象の観測継続を、強く推奨します』


いつもなら「無駄です」「切り捨てましょう」と即座に判断を下すALMAが、答えの出ないエラーを抱えたまま対象への執着を見せている。事務的で無機質な声の奥に、ほんのわずかな「引っかかり」のようなものが感じられた。


直也(……面倒くさい。死ぬほど面倒くさい。元の世界のクレーム対応のほうがマシかもしれない)


氷の玉座に座る少女を見上げる。冷たく、高く、遠い。彼女は間違いなく、この狂った管理社会の中枢に繋がる重要な存在だ。だが同時に分かる。彼女はただのシステムの一部ではない。わざわざ言葉を選んで見下し、わざわざリィナを見て、わざわざ俺たちを評価している。無機質な拒絶ではなく、人格を持った拒絶だ。


直也「……不便なんだよ。俺は松永直也。こっちの騒がしいのがゼピュロス、女の子がリィナ、タヌキがポン太、上の光がALMAだ。で、お前は?」


俺は防寒外套の圧力に抗い、少しだけ顔を上げて問いかけた。顎の角度補正がギリギリと嫌な音を立てる。


「……直也、か。無礼な男じゃ。だが、その無礼さに免じて、一度だけ名乗ってやろう」


少女は極寒の瞳をわずかに細め、薄い唇を開いた。


「妾はボレアス。北の風を束ねる者、そしてこの冷徹なる世界の理の監視者じゃ」


ゼピュロス「北の風!? ちょっと、私と属性かぶってない!?」


ボレアス「かぶっておらぬ。貴様のような微風と一緒にされては迷惑じゃ」


ゼピュロス「び、微風ぅ!?」


直也「……また面倒くさいのが増えたな」


俺がそう呟くと、ボレアスの瞳がほんのわずかに細くなった。怒ったのか、呆れたのか、その中間みたいな表情だ。


ボレアス「増えたのではない。貴様らが勝手に踏み込んできただけじゃ」


直也「そういう言い方をするやつほど、結局あとで関わるんだよ」


ゼピュロス「そうそう! 感じ悪いくせに、絶対に面倒なやつ!」


ボレアス「……騒がしい連中じゃ」


そう言った声だけが、ほんの少しだけ、最初より刺々しさを失っていた。


◆◆◆(欠陥品の言い分)◆◆◆

ここまでお読みいただきありがとうございます。

次回更新予定:6月9日(火)

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