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神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
さがしものと
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77/1823

どうするんです? 3

もちろん、悪意なんてあるわけが無い。


単に、食事時における、家族団らんの延長線上だ。


「で……っ!?」


しかし、穂葉に対しては、覿面(てきめん)すぎる効果をもった言葉だった。


「出るって、なにがです……?」


肩をビクリとやった彼女は、次いで左手を、テーブル上に“すすす……”


(とどこお)りなく(すべ)らせて、手近に待機させていたニンニクを、ふたたび握り直した。


「や……、なんも。 忘れて? ほれ、この辺りには外灯も多いし、たぶん大丈夫でしょ? たぶん……」


「………………」


数秒ほど固まった後。


「………………」


ノロノロと項垂(うなだ)れた穂葉は、なにやらブツブツと、ひとり言をくり始めた。


ここまで効果があると、ひどく申し訳ないことをした気分になる。


そういった想いから、慌てて取りつくろいを述べようとした史は、何やら不穏なものを感じ、(きも)を冷やした。


「いや……、あのさ?」


「………………」


それでも、自分でまいた種だ。


ちゃんと、家族をフォローしなければ。


「や、ごめん! ホントごめんな? 冗談冗談!」


「“出る”って……、まさか、悪党とか……?」


「なぁ? 穂葉?」


「……いえ。 そういう人は、いまの世の中にはもういませんし。 仮に出たとしても───」


「………………」


何やら、背中に氷など放り込まれたような感覚だ。


(にわ)かに戦慄した史は、左右の手に、それぞれお茶碗とお箸を構えたまま硬直し、当面の風雨が過ぎ去るのを、静かに待つことにした。

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